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平成22年8月2日(月)発売
小学館 (通知)
〈徹底追及/メディアと権力〉
「国会記者会館」こそ「政治=マスコミ癒着」の象徴だ
家賃はタダ、駐車場料金年額2000円──これで「豪華議員会館批判」どの口でいうか
●佐々木奎一(ジャーナリスト)と本誌取材班
(写真あり)
1階の喫茶店にはテーブル型のゲーム機が並ぶ
永田町のど真ん中に、地下2階、地上4階建ての「国政取材の前線墓地」が建っている。だが、それを使う新聞社、通信社、テレビ局は家賃から駐車場代まで国にオンブにだっこ、さらに運営費にまで血税が注ぎ込まれている。
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「記者クラブこそ無駄かもわかりませんよ」
7月21日の記者会見で、建て替えられたばかりの衆参議員会館を「豪華すぎる」と批判された仙谷由人・官房長官が、こう反論した。省庁から無料で場所を借り受けている記者クラブに、「お前がいうな」と皮肉ったのだ。
新議員会館か、記者クラブへの部屋の無償貸与か、どちらが「豪華」かという論争。どっちにしても腹立たしい限りであるが、霞が関に部屋を間借りするだけでなく、ビルを丸ごと 占拠 ≠キる無駄の象徴のような「マスコミ利権の伏魔殿」が永田町の一等地にそびえ立っている。
上掲の永田町の空撮写真をご覧いただきたい。左上に見える3棟のビルが、マスコミが「超豪華」と非無する新議員会館だ。その右に国会議事堂があり、左下に首相官邸が見える。そして写真中央の交差点の右側に建つビルが、「国会記者会館」である。
総両横6115平方b、地上4階、地下2階の各フロアに、政治部記者が陣取る。政局が急変した時にしばしば、「国会記者会館から中継です」と記者が原稿を読み上げる場所といえば、思い出す人も多いだろう。
会館は1969年に衆議院が建設。「国会記者会」が衆院から委託を受ける形で管理運営を行なっている。
国会記者会規約によると、その業務内容は「自由で公正な国会に関する取材、報道を可能にするための活動」とある。
しかし、「自由で公正な取材」を標榜しながら、会館は一部のメディアによって占有されている。
会館の「入居条件」は、現在、全国159社のマスコミが加盟する国会記者会に所属していること。フリーランスや雑誌紀者、外国メディアは排除されている。
会館では、どんな取材活動が行なわれているのか。大手紙政治部のキャップ経験者はこう話す。
「首相や大物議員の番記者や国会担当記者が集まり、キャップに情報を集約する取材の前線基地として使っている。他の記者クラブと違い、完全に密室なので、他社に知られたくない記事を会館で書くこともある」
その程度のことに巨大などルが必要なのかも疑問だが、国会担当の若手記者に聞くと、さらに怒りが湧いてくる。
「国会取材といっても、通常は部屋で衆参の本会議や委員会を中継する国会テレビを眺め、メモを取っている。隣の建物なんだから行けばナマで見られますが、ここならゆったり見られますからね。
大手紙は永田町の近くに本社があるので、戻って原稿を書くこともできますが、面倒ですし、タクシー代も節約できるので、会館で済ませることも多い」
テレビ中継を見るための施設だというわけである。
それが取材≠ニは片腹痛い。ならば中継がネット公開された現在では記者会館は要らないではないか。
永田町周辺では、首相官邸などを担当する「内閣記者会」や自民党を担当する「平河クラブ」、在京テレビ局で作る「映放クラブ」など数多くの記者クラブがあり、それぞれが記者室を持っている。「前線基地」を持つ必要性はないのである。
しかも、首相官邸も国会も目と鼻の先という「超一等地」だけに、さぞかし高額な家賃かと思いきや、実は家賃はタダである。
なぜ、特権を享受できるのか。日本新聞協会は、記者クラブが官庁施設を無料使用できることについて、
〈旧大蔵省通達で「国の事務、事業の遂行のため、国が当該施設を提供する」対象の一つに新聞記者室をあげ、
「庁舎の目的外使用には当たらない」との判断が示されている〉とし、国会記者会館の利用も、これを根拠とする。 お上がいいというんだから問題ない ≠ニいって恥じない連中に、権力批判を期待するだけ無駄である。
「酔っ払ってソファで寝る者も」
国会閉会中の7月下旬の畳下がり。ひんやり冷房の効いた記者会館1階の喫茶店では、男性記者数人がマンガを読みながら、アイスコーヒーで涼を取っていた。
驚くことにコーヒーカップが置かれていたのはテーブル型の麻雀ゲーム機だ。
2階から4階が、各社独自のスペースとなっている。
2階は朝日や読売、毎日など大手新聞社で占められている。3階は地方紙が共同で入居する大部屋が多く、4階は民放のテレビ局が入り、他に複数の会議室もある。
3階の大部屋を仕事場とする地方紙のベテラン記者は、こう話す。
「原稿を書くための机や椅子のほか、冷蔵庫や電子レンジ、来客応対のためのソファを置いています。2階の大部屋を独占する大手紙は羨ましい限りです」
扉が僅かに開いたある部屋からは、男性記者がソファに寝そべりながら、携帯をいじっている姿が見えた。
元政治部記者がこう証言する。
「私たちの時代は、国会記者会館は『控室』と呼ばれていた。本格的な仕事場ではなく、一種のたまり場。
たまに会館で政治部の部会をやることがあり、夜遅くなると酔っ払い、そのままソファで一夜を明かす記者もいた」
図会記者会事務局によれば、2〜4階にマスコミが入居する部屋は払帝星。広さは平均75平方b、大手紙が入る大部屋は105平方bになる。
(写真あり)
記者会会館の屋上から官邸を撮影するテレビ局スタッフ(右)と記者のマイカーが並ぶ駐車場(左)
不動産業者によると、永田町や霞が関のオフィスビルの家賃相場は「1平方bあたり月額約1万600円」というから、大手紙の部屋の場合、月に111万円相当になる。6000平方bで単純計算すると、年間約7億6300万円分のスペースが、大マスコミに「無料開放」されているというわけだ。地下を お目こぼし ≠オてやるとしても、その3分の2が便宜供与されていることになる。
建物だけではない。国会記者会館の裏には約80台分程度の駐車場があるが、1台当たりの駐車料金は、年間わずか2000円という冗談のような金額だ。前出の不動産会社によれば、「相巷は月額6万円前後」だから、本来ならば、年間で5760万円の駐車料金が発生するはずだ。
合計8億円超の タダ貸し ≠ヘ血税投入と同義である。
その駐車場を見渡したところ、平日の真っ昼間は15台ほどしか停まっておらず、ガラガラ。一番奥のスペースには、記者の私用車と思われるベビーシートを乗せたベンツが駐車されていた。
エアコン交換も国民にツケ回し
国会記者会館が建てられたのは40年前で、建設費は5億6379万円。公務員の初任給が約2万00000円だった時代で、現在の価値に換算すると、40億円近くに相当する。
だが、国会記者会館にかかった血税はそれだけではなかった。
衆議院へ情報公開請求したところ、過去10年間で国会記者会館に2億3000万円超の予算が付けられていることが判明した。
内訳は、的年に空調設備に約4800万円、01年に電気設備に約2600万円、02年にエレベーターの改修に約7300万円などだ。
そもそも国会記者会館を衆議院が記者会に引き渡す時の取り決めには、〈建物及び附帯設備について、通常必要とする維持修繕は国会記者会が、その負担において行うものとする〉と明記されていた。国会記者会事務局に問うと、
「金額の大きい工事に関しては、取り決めにある「通常必要とする維持修繕」の範囲を超えるので、衆院が負担することになっている」と説明する。
かつて毎日新聞記者として記者会館を利用する立場だったこともある政治評論家の板垣英憲氏はこう指摘する。
「各記者クラブに席を持つ大手メディアには国会記者会館は不必要です。広く公正な取材を確保したいのなら、国会記者会館は雑誌や海外メディア、ネットメディアに開放するべきです。そうでないならば、相場に見合った家賃を取るべきでしょう」
税金で建てられ、維持される建物でノンビリと日々を過ごす政治記者たちが増税の必要性を声高に叫ぶのは、 オレたちにもっとカネをよこせ ≠ニいっているに等しいのである。p-43
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