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http://www.olive-x.com/news_30/newsdisp.php?n=95031
昨日の本欄でも書いたが、先月末開催の民主党両院議員総会で、執行部が提案した参院選の総括案は承認されていない。臨時国会開催直前に、代表=首相や党執行部の退陣を決める訳には行かない。それを執行部は狙い両院議員総会を、臨時国会直前に開催した。政治評論家は執行部の作戦勝ちだと言っている。だが、そんな姑息な手段で政権が維持できると考えているとしたら、政治家としてお粗末である。
参院選では60議席を目指す、最低でも56議席がノルマであった。それが僅か44議席しか取れなかった。従って、筆者は「(枝野幹事長らは)党内抗争を起こさないため、総括が済めば自ら身を引くと言うべきだ。その潔さと、責任転嫁して開き直り党内抗争を招く。そのどちらが国民に好感を与えるかは明らかなことだ」と書いた。
だが、党執行部は責任を曖昧にして居座り、党内抗争を招き、求心力を失った。
それでも菅首相は、引き続き政権担当意欲を示し、「国民の生活が第一」だと言っている。だが、今、菅首相の続投を求める声が彷彿と沸きあがっているとは思えない。
あるのは、「首相がコロコロと代わるのはよろしくない」と云う消極的理由だけだ。
国際社会がどう言おうが、今後3年間、日本の政治が無能な首相の下にある方がおかしい。本末転倒も甚だしい理由である。
テレビニュースを視ていると、民主党内では「原点に戻る」と言う人が多いようだ。
ではその「原点」とは、何処を指しているのだろうか。物事が行き詰った時に「原点に戻る」とはよく言われる。その考えは間違っていない。だが、戻るべきところが間違っていたら全くナンセンスである。そもそも鳩山氏が6月に首相を辞任する際に、旧民主党創設の原点に戻ると言う、メッセージを発したので誤解を生んでいる。
国民が、政権を負託したのは昨年8月の民主党である。学生サークル的な旧民主党に負託したのではない。旧民主党の体質を表わすのが、「私たちは、未来から現在に向かって吹きつける、颯爽たる一陣の風でありたい」と云う、旧民主党創設時の「民主党の基本理念」の中の一節である。旧民主党は、国民の中に確りと根を張った政党ではなく、時々の「一陣の風」しか目指していなかったのだ。
政権与党に物申すとの考えから政治家になった人、時の政治から落ちこぼれている人たちに光を与える市民活動家、そう云う人たちが集まった政党なら、時々の「一陣の風」でいいだろう。だが、国民はそのような政党に政権を決して負託しない。それを示したのが、自民党の分裂で、民主党が絶対有利だと言われたた05年の郵政選挙。
小泉マジックもあったかもしれないが、風まかせの岡田民主党は惨敗した。
惨敗した民主党を立て直したのが、「国民の生活が第一」を掲げた06年の参院選での勝利である。そして昨年8月の総選挙による政権交代に結実した。民主党の原点はこの06年に「国民の生活が第一」を掲げて戦った参院選にある。だが、日本新党、新党さきがけ、旧社会党など、旧民主党を立ち上げた人たちは、旧民主党創設時に戻ることを「原点に戻る」と勘違いしている。その代表が現執行部の面々である。
旧民主党を理解する上で最も分かりやすいのは、「民主党の基本理念」の最後の文章である。そこにはこう書いてある。この「党」は市民の党である。いまから21世紀の最初の10年間をつうじて、この「100年目の大転換」を担おうとする覚悟をもつすべての個人のみなさんが、「私はこれをやりたい」という「一人一政策」を添えて、この結集に加わって下さるよう呼びかける。
民主党には党綱領が無い。それは「一陣の風」と「一人一政策」にこだわるからだろう。そこには、日本の政治を大きく変えるとか、国民と共に歩む考えは希薄である。
国民政党、即ち、政権与党として何かをすると言う信念がない。だが、多くの国民はこの旧民主党の基本理念など知らないし、関心も無い。国民は「国民の生活が第一」を掲げた06年からの民主党を支持したのである。民主党の原点はそこである。
菅首相が、政権維持を目指し、再び「国民の生活が第一」だと言うのが虚しく聞こえるのは、既に彼の本音がそこに無いことが明らかになったからである。菅首相には、確たる政治理念が無いことも明らかになったからでもある。
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