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江戸時代のカード破産
2010.08.07
http://kikko.cocolog-nifty.com/kikko/2010/08/post-f336.html
あたしは、電気やガスを止められることはあっても、クレジットカードの引き落とし口座への入金だけはキチンとやってるから、今までに残高不足で引き落とされなかったことは一度もない。それなのに、2枚持ってるクレジットカードの両方の会社から、毎月届く計算書とは別の封筒が届いた。で、開けてみたら、両方とも「年収を証明するものを送ってくれ」的なことが書かれてた。何のことか分からずに、メンドクサイヤ人だけど細かい字まで読んでみたら、6月18日から施行された「貸金業法」によって、クレジットカードでのキャッシングの上限が「年収の3分の1まで」ってことに決まったから、あたしのカードのキャッシング枠を見直さなきゃなんなくて、そのために年収を証明するものが必要だって話だった。
何でもいいけど、勝手な話だよね。だって、あたしのカードのキャッシング枠って、15年くらい前にカードを作った時には、「30万円コース」と「50万円コース」のどちらか好きなほうに○をつけろって書いてあったから、あたしは「30万円コース」のほうに○をつけた。たくさんお金が借りられたら恐いからだ。だけど、こっちからは何も言ってないのに、何年後かのカードの更新時に、「お客様のキャッシング枠は60万円になりました」っていう通知と一緒にカードが送られて来た。そして、また何年後かの更新時に、「お客様のキャッシング枠は100万円になりました」っていう通知と一緒にカードが送られて来た。
2枚のカードが両方ともこんな感じで、あたしは何も希望してないのに、ぜんぶカード会社の都合で、キャッシング枠がどんどん引き上げられてったのに、今度はキャッシング枠を見直すから年収を証明するものを送ってくれだなんて、あまりにも自分勝手すぎる。だけど、今のままだと、あたしは2枚のカードで200万円も借りられちゃうワケで、キャッシングの上限が「年収の3分の1まで」ってことなら、あたしは年収が600万円もなきゃダメなワケだ。もちろん、そんなに年収があったら、電気やガスを止められることもないワケだから、さっそく年収を証明するものを送って、法律に沿った適正な金額に変更してもらわなきゃいけない今日この頃、皆さん、いかがお過ごしですか?
‥‥そんなワケで、あたしはともかくとして、世の中的には、今回の「貸金業法」で、テンテコマイしてる人たちが溢れ返ってる。それは、クレジットカードのキャッシング枠や複数のサラ金でお金を借りまくってる多重債務者たちだ。Aのサラ金で借りたお金をBのサラ金に返済して、Bのサラ金で借りたお金をクレジットカードの支払いに回して‥‥って、常に複数のカードを使って自転車操業してる多重債務者たちは、誰がどう見たって、絶対に年収の3分の1以上の借金をしてるだろう。だから、今回の「貸金業法」が施行された6月18日以降は、今まで借りられたお金が借りられなくなっちゃった人が続出してるハズだ。
たとえば、サラ金Aとサラ金Bのカードでキャッシング枠ギリギリまで借りてても、サラ金Cのカードに5万円ほど枠が残ってる人は、それで5万円を借りて、AとBの今月の返済に充てる予定だったハズだ。だけど、今回の改定で、この5万円の枠が消えちゃった。まだ借りられるつもりでコンビニのATMにカードを入れたら、もう借りられないとのメッセージ。オーマイガー!って感じだろう。そして、困り果てた人たちが行き着く先は、法律なんて関係ない「闇金ワールド」ってワケだ。だけど、いくらアチコチからお金を借りてる多重債務者とは言え、サスガに闇金は恐い‥‥って人たちは、新宿や池袋のガード下の怪しげなポスターに目をとめる。
「あなたのクレジットカードのお買い物枠を現金化します」
そう、クレジットカードには、お買い物枠とキャッシング枠があって、多重債務者のほとんどは、キャッシング枠はギリギリまで使ってても、お買い物枠には手をつけてない。で、このポスターに書かれてる怪しげな番号に電話すると、話はホイホイと進み、ビックカメラとかに行くように指示される。そして、相手に言われた品番のノートパソコンやデジタルビデオ、ゲーム機なんかをお買い物枠ギリギリまで買い、お店では割賦払いかリボルビング払いの手続きをする。重たい荷物を抱えて指定された場所に行くと、セドリック以上ベンツ以下の高級車がやって来て、「いかにも」って感じの人が降りて来て、買った物を買った金額の6割の現金で買い取ってくれる。
カードのお買い物枠が30万円で、30万円ぶんの家電を買ったのなら、その人は18万円の現金を手にして、30万円ぶんの支払いは毎月1万5000円ずつとか2万円ずつとかになるワケだ。だから、普通に考えたら、これほどバカバカしいことはないんだけど、今日や明日の返済にも困ってる人なら、ついつい利用しちゃうだろう。こんなアホなシステム、今までは、そんなに利用する人もいなかったみたいだけど、今回の「貸金業法」の施行で、今や大繁盛しちゃってるそうだ。そして、こんなものに手を出しちゃったら、次は完全に「闇金ワールド」だろう。
‥‥そんなワケで、複数のクレジットカードやサラ金でお金を借りて、必死に自転車操業してる多重債務者は、全国に推定で250万人くらいいるって言われてる。だから、お金儲けが好きな人たちから見れば、これも1つの巨大なマーケットってことになる。たとえば、2〜3年前までは、いろんなサラ金が朝から晩までテレビでCMを流してた。可愛いペットを使ったり、人気のアイドルを起用したりして、サラ金のダークなイメージを払拭して、多重債務者の量産に拍車をかけてた。
だけど、1〜2年前からは、サラ金のCMなんてほとんど目にしなくなり、その代わりに登場したのが、複数の借金を1本化してくれる新銀行のCMだった。そして、今は、サラ金に払い過ぎた金利を回収してくれる法律事務所のCMが台頭して来てる。つまり、多重債務者ってのは、いつの時代も美味しいマーケットってワケなのだ。
あたしは、2枚のカードをキチンと分けて使ってる。1枚は、ガソリンスタンドの提携カードで、これでガソリンを入れると値引きになる。あたしの場合、車はハイオク、原チャリはレギュラーを入れてるけど、たくさん使った月だと、現金で入れるよりも2000円くらいは安くなる。もう1枚は、化粧品メーカーの提携カードで、お仕事関係のお買い物をする時に使ってる。つまり、1枚はガソリン専用、もう1枚はお仕事専用ってワケで、それ以外の物はすべて現金で買ってる。ホントのことを言うと、過去には、どうしても欲しいお洋服を3回払いで買ったこともあるけど、今はまったく私物には使ってない。
こんな感じだから、あたしは、キャッシング枠は使ってない。過去には、どうしても困って1万円とか2万円とか借りたこともあったけど、今は絶対に使わないようにしてる。お金がなくて困った時には、手持ちの品物を売ったり、パチンコで稼いだりして、自力でなんとかしてる。そして、どうしてもお金を作れない時には、「そのまま困り続ける」ってことにしてる。たとえば、電気代やガス代が支払えなくて困ったら、まずはお金を作る努力をするけど、どうしてもお金を作ることができなかった場合には、安易にクレジットカードでキャッシングしたりせずに、電気やガスを止められた中で生活するほうを選択してる。だって、キャッシングってのは、「問題の解決」じゃなくて、「問題の先送り」だからだ。
‥‥そんなワケで、あたしのクレジットカードは、すべて必要経費にしか使ってないから、支払いもキチンとしてる。タマには、何万円もするお洋服や靴やバッグを買いたくなるけど、グッとこらえてガマンしてる。そして、ミクシーのアプリの「みんなのおしゃれ対決」で、架空のデパートで何十万円もお買い物して、自分のアバターに着せて、節約生活のストレスを発散してる。こないだなんか、コツコツ貯めたお金が500万円くらいあったから、一気に200万円も使っちゃったよ。架空のお買い物でも、20万円のブラウスだの、18万円のスカートだの、40万円のワンピだの、30万円のパンプスだの、45万円のバッグだの、25万円のピアスだのって買いまくったら、ものすごいストレス発散になった(笑)
だけど、もしも、これとおんなじことを現実の世界でやっちゃったら、大変なことになる。たとえば、あたしのカードのお買い物枠は、1枚のカードが50万円で、2枚合わせると100万円になる。だから、サスガに200万円のお買い物はできないけど、それでも、あたしが何年間もずっと欲しくて欲しくてたまらないパンプスやバッグなら、2個も3個も楽勝で買うことができるし、お洋服だっていっぱい買える。
だけど、これは、あくまでも「カードのお買い物枠がある」ってだけのことであって、あたしに支払い能力はない。こんなにお買い物をしたら、1回払いは当然として、3回払いでも6回払いでも、あたしは翌月から困っちゃう。だから、あたしは、クレジットカード会社に対して、キャッシング枠を見直すだけじゃなくて、お買い物枠も見直して欲しいと思ってる。今回の「貸金業法」が、多重債務者の増加を防ぐ目的だって言うのなら、新宿や池袋のガード下の怪しげなポスターに引っかかって、お買い物枠を現金化しちゃう人たちがたくさんいる以上、お買い物枠の見直しもしなかったら片手落ちだと思う。だって、あたしみたいにお金に困ってる自営業者に、100万円ものお買い物枠を与えるなんて、どう考えてもキャパを超えてるからだ。
‥‥そんなワケで、今から250年ほど前の宝暦12年(1762年)、徳川家治が江戸幕府の第10代将軍だった時代だけど、この年、肥前唐津藩の7万石の藩主だった土井利里(どい としさと)は、下総古河藩の7万石の藩主に転封になった。今で言えば、九州の佐賀県&長崎県の担当から、東京の近くの千葉県&茨城県の担当に変わったってワケで、領地の広さは両方とも7万石なんだから、雰囲気的には「栄転」て感じだろう。
だけど、これが、実際には、「栄転」どころの話じゃなかった。領地の広さはおんなじでも、その名の通りに肥よくだった肥前唐津の土地と比べると、下総古河の土地の状況は酷いものだった。痩せた下総古河の土地では、今までみたいな収穫はなく、年貢の徴収量は半分になっちゃったのだ。藩で抱えてる藩士の人数は変わらないのに、収入が半分になっちゃったんだから、これじゃ、やって行けない。それなのに、どうしても「寺社奉行」になりたかった土井利里は、江戸時代のワイロ王としてオナジミの大名、田沼意次(たぬま おきつぐ)に、莫大なワイロを送り続けてた。藩の収入が半分になっちゃったのに、支出は以前よりも多くなっちゃったんだからたまんない。
それで、何とかしなきゃって思った糸井重里‥‥じゃなくて、土井利里は、安永2年(1774年)、上級藩士だった朝倉頼母(あさくら たのも)を家老に抜擢して、藩政の改革を一手に任せたのだ。イメージ的には、係長を一気に部長に昇進させたみたいな感じだから、朝倉頼母はハリキリマクリマクリスティーになっちゃって、「支出の抑制」「藩の秩序の回復」「民意の把握」「農村の復興」と、次々に取り組んだ。そして、その中でも代表的なのが、朝倉頼母が「新法」と名づけた財政改革で、家臣たちに徹底的な倹約を義務づけた厳しい「百カ条」を交付するとともに、家臣たちの借金をぜんぶ藩が肩代わりするっていう「アメとムチの政策」だった。
危険極まりない原発を押しつける代わりに、市町村の借金を棒引きにする。人殺しのための米軍基地を押しつける代わりに、莫大な交付金をバラ撒く‥‥ってワケで、今も昔も民の口を封じるためには「アメとムチの政策」ってのが定番だ。そして、朝倉頼母が家臣たちに与えたもう1つの「アメ」が、お金がなくてもお買い物ができるクレジットカードだった。もちろん、江戸時代にクレジットカード会社なんてなかったから、藩の中に「御買物方役所」って部署を作って、そこを通せば、生活必需品を中心に何でも「ツケ」で買えるようにしたのだ。
まず、家臣1人1人に「通帳」を作って渡しておき、家臣は自分の買いたい物をそこに書き込んでおく。そして、決まった日になると、「御買物方役所」の担当の役人が通帳を集めに来て、全員の通帳を見て、書き込まれてる品物をマトメて買い、それぞれの家臣へ配る。代金のほうは、次のお給料から天引きされるんだけど、何よりもビックル一気飲みなのが、「リボルビング払い」まで導入しちゃってたのだ。
お給料は少ないけど、家族を養わなきゃいけないから、ついつい通帳で買い物をしちゃう。そうすると、お給料日になっても天引きがあるから、タダでさえ少ないお給料が、もっと少なくなっちゃう。そのため、またまた通帳で買い物をしちゃう。まさに、負の連鎖だ。そして、天引きの額がカサんで来ると、今度は支払い方法を「リボルビング払い」に切り替えちゃう。これが続いてくと、数ヶ月で行き詰っちゃう‥‥ってワケで、現代人とおんなじように、250年前の下総古河藩の藩士たちも、次々と「カード破産」ならぬ「通帳破産」をしちゃって、朝倉頼母が考え出した「御買物方役所」のシステムは、わずか4ヶ月で破綻しちゃった。
朝倉頼母が音頭を取って実施した藩政の改革は、「お金がない人たちにもツケで物を買い与える」っていう「問題の先送り」的な政策を導入したために、最初こそ家臣たちには喜ばれたけど、あっと言う間にボロが出ちゃった。そして、これが原因で、藩政の改革自体も、わずか2年で行き詰まっちゃったのだ。有り余ってるお金を家臣たちのために使ったのならともかく、年貢の徴収量が半分になって、藩の財政がガタガタな時に、借金してまで「子ども手当」なんかをバラ撒いたもんだから‥‥じゃなくて、借金してまで「御買物方役所」なんかを導入したもんだから、利用する家臣たちは次々と「通帳破産」して行き、買い物を肩代わりした藩は代金を回収できずにアッチョンブリケーッ!‥‥ってことになっちゃったのだ。
‥‥そんなワケで、250年前の下総古河藩とおんなじように、財政が破綻しかかってる現代のニポン藩では、藩主の菅さんと家老の枝野っちが、消費税を2倍、3倍にして、年貢の徴収量を大きくしようとしてる。だけど、現行の年貢にも苦しみながら、収穫の上がらない痩せた土地で必死に生活してる領民たちは、果たして、年貢を引き上げられても大丈夫なんだろうか? 「子ども手当」という「アメ」を与えた一方で、その財源を作るための「増税」という「ムチ」で叩かれる領民たちの中には、子供がいなくて「子ども手当」をもらえない人たちもたくさんいる。つまり、「アメ」をもらえずに「ムチ」で叩かれるだけの人たちが、たくさんいるってワケだ。だから、あたしは、こんなに偏った政策を続けてたら、今以上に多重債務者やカード破産者が続出しちゃうんじゃないだろうか?‥‥なんて心配になって来る今日この頃なのだ。
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