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本日(7月28日)、尾形英紀さん(33歳:東京拘置所)篠澤一男さん(59歳:東京拘置所)に死刑が執行されたことに対し、強く抗議する。
千葉景子法務大臣は、死刑廃止条約の批准を求めるFORUM90の賛同人であり、法務大臣就任までアムネスティ議員連盟の事務局長を務めており、更に死刑廃止を推進する議員連盟のメンバーでもあっただけに、怒りを禁じ得ない。
昨年から1年間、死刑執行停止状態が続いてきた。凶悪犯罪は、確実に減少している。裁判員制度が始まり、死刑制度に対する世の中の関心が高まっている今こそ、死刑執行を断行するのではなく、国民に対して死刑に関する情報を開示し、死刑廃止に向けて、国民的議論を巻き起こすことこそが、千葉法相自らがやるべきことであり、民主党政権が目指す官僚主導ではない政治のあり方であったはずである。
2008年、私たちが、死刑確定囚に行ったアンケート調査に対して、2人は回答を寄せている。尾形さんは、事実が軽視され、警察・検察が作り上げたストーリーをすべて追認する裁判のあり方を厳しく指弾すると共に、「死をもって償えと言うのは、俺にとって反省する必要ないから死ねということです。人は将来があるからこそ、反省し、繰り返さないようにするのではないですか。将来のない死刑囚は反省など無意味です。」と、死刑制度の矛盾を鋭く指摘してきた。篠澤さんも、「いつ死刑になるのか、きもちのせいりがつきません。死刑とはざんこくなものです。死刑とは、死刑の判決をもらった人しかわからない重いものがあります。まい年、確定の日などはねむれません。」と死刑の残酷さを訴えている。
千葉法相は、今日の記者会見で、死刑執行に立ち会ったことと、今後マスコミに刑場を公開すること及び死刑に関する勉強会の立ち上げを指示した旨を明らかにした。しかし、それらは死刑の執行を停止して行うべきことであり、2人の命とバーターに行うべきものではない。むしろ、なぜこの時期に、この2人を処刑しなければならなかったかについて説明すべきであり、さらに、事前に死刑執行を告知して弁護人の選任の機会を保障するなど、国際人道法が定める防御の機会を保障したか否かについて釈明すべきである。
死刑には犯罪抑止の効果はなく、また、被害者の救済や社会の平穏にも資するものではない。死刑は人道と民主主義に反する。
私たちは、死刑の廃止を願う多くの人たちとともに、また、千葉景子法務大臣に処刑された篠澤さん、尾形さんに代わり、そして、死刑執行という苦役を課せられている拘置所の職員に代わって、千葉景子法務大臣に対し、強く、強く抗議する。
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