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千葉法総による2人の死刑執行許すな/抗議声明 死刑廃止運動を裏切り「国民的議論」を口実に仕組んだ政治的パフォーマンス
http://www.asyura2.com/10/senkyo91/msg/828.html
投稿者 ダイナモ 日時 2010 年 8 月 05 日 18:38:08: mY9T/8MdR98ug
 

http://www.jrcl.net/frame10089a.html


法務官僚の言い
なりになった

 七月二十八日、千葉景子法相の死刑執行命令書へのサインによって、二人の死刑囚の死刑が執行された。昨年九月の法相に就任するまでは死刑廃止議員連盟とアムネスティ議員連盟に所属していた千葉による死刑執行は、死刑廃止運動に対するとてつもない裏切りであり、許しがたい背信行為だ。満身の力を込めて抗議する。
 政権交代にともなって昨年九月十六日に法相に就任した千葉に、それまで法務官僚の「死刑のベルトコンベアー」化路線でハイペースの死刑執行に歯止めをかけ、そして死刑廃止に向けた社会的提起と議論の喚起を開始することが期待された。
 しかし、「足利`冤罪a事件」や「志布志`冤罪a事件」の発覚や冤罪の高い可能性が指摘される「袴田事件」の再審を求める世論の高まりという「死刑廃止に向けた社会的議論」を開始する絶好の機会に、千葉は「死刑執行命令書にサインをしない」こと以外何もしなかった。そして、「サインをしない」ことと引き換えに、千葉自身が求めていた代用監獄の廃止や「取調べの可視化」についても何一つ前進させようともせず、一方ではほとんど議論のないままに拙速に決められた「時効制度の廃止」に一切の異議を唱えることもなく、ズルズルと法務官僚の言いなりとなっていった。
 そして、前回の死刑執行から丸一年となる七月二十八日の二人に対する死刑執行である。千葉は、死刑執行に際して自ら立ち会い、そして「死刑に関する根本的な議論が必要だとあらためて思った」などと記者会見で述べて見せた。そして、法務省内に「死刑存廃を検討する勉強会」を設置することと、東京拘置所の刑場をメディアに公開することを法務省に指示したという。

政局をにらんだ
菅政権の右傾化

 千葉が死刑執行に立ち会ったことをもって、「私たちの力不足で千葉一人に十字架を背負わせてしまった」、「千葉一人を責められない」とするような空気が、死刑廃止運動に関わる人々の一部にあるようだ。しかし、この千葉による死刑執行は、そんな「美しい話」ではない。
 そもそもが今回の死刑執行は、支持率下落傾向に歯止めがかからない菅政権による「右傾化ポピュリズム」に迎合した「支持率アップのための政治パフォーマンス」執行である。この死刑執行の前日の二十七日には、菅の私的諮問機関「新たな時代の安全保障と防衛力に関する懇談会」が民主党連立政権となって一度は中断させた与那国島など南西諸島への自衛隊配備をあらためて求め、そして「集団的自衛権」の解釈や「武器輸出三原則」の見直しを求める報告書をまとめている。
 菅政権は、前鳩山政権の「リベラル的装い」をすべてかなぐり捨てて「現実主義」をアピールすることで大衆迎合的に支持率のアップを図り、そして「ねじれ国会」の運営を円滑化しようとする政治的意図が丸出しの死刑執行だと言わざるを得ない。そこにはまた、先の参院選で落選したにもかかわらず、千葉が法相を続投することへの批判を死刑執行によってかわそうという狙いも明白である。千葉とおなじく、死刑廃止派だった福島瑞穂や亀井静香が内閣から去ってしまったことによって千葉が孤立したことも、今回の死刑執行を後押しすることにもなった。
 また、自ら死刑を執行しておきながら、「死刑に関する根本的な議論が必要」などと語るのも噴飯物の妄言だと言わざるを得ない。法務官僚の連日の「説得」という名の恫喝で千葉自身の「信念」とやらは崩壊したのかもしれない。しかし、たとえば今日の政府や死刑存置を支持する論拠に、かつてのような「犯罪の抑止力としての死刑の必要性」はほとんど語られなくなっている。それは、死刑廃止運動の提示したデータや論理によって徹底的に論破され、「死刑存置の論拠」として破綻した結果である。そして今日では、「被害者家族の感情」挙句には「日本人的な死生観」などというそれ自体非論理的な「論理」にすがりつかなければならないほどに、実は死刑存置派は追い詰められてきたのだ。

執行は法相の
職責ではない

 千葉の言動は、これらの死刑廃止運動の蓄積と成果を手前勝手かつ一方的に否定し、破壊し、洗い流すものであり、死刑廃止運動をも「死刑」にしようとするものである。そして、自ら死刑を執行しておきながら、「法務省内に勉強会を設置する」などとしても、そんなものは「死刑存置という先に結論ありき」のものにしかならず、死刑存置論者の主張を裏書きするだけだろう。
 千葉が死刑執行の現場に立ち会ったなどということも、自らを慰め、今回の「政治判断執行」をパフォーマンスによって死刑廃止運動からの批判をかわそうという意図が見え見えだと言わざるを得ない。「立ち会った」からなんだというのだ。実際に、死刑囚に連れ添い、首に縄をかけ、ボタンを押し、亡骸を処理したのは、刑務官労働者たちではないか。この労働者たちに苦痛を押し付けながら、まるで一人「十字架」を背負ったそぶりを見せているだけである。まさに「グロテスク」の一言に尽きるというものだ。
 千葉は、今回の死刑執行に関して「職責に定められたことをさせていただいた」などと述べている。しかし、死刑執行は法相の「職責」でもなんでもない。刑事訴訟法の四七五条は「死刑の執行は法務大臣の命令による」とされているのみで、「法相の義務」などと明記されているわけではない。しかもこの四七五条の但し書きには「判決確定の日から六箇月以内にこれをしなければならない」とする一方で「上訴権回復若しくは再審の請求、非常上告又は恩赦の出願若しくは申出がされその手続が終了するまでの期間及び共同被告人であつた者に対する判決が確定するまでの期間は、これをその期間に算入しない」としている。
 ここ数年、再審請求中の死刑囚が、それにもかかわらず死刑執行される事態が続いているが、この点の歴代法相の「不履行」を死刑存置派が見過ごすのは、許しがたいダブルスタンダードだというものだ。千葉は、この程度の底の浅い「死刑存置正当化論」に屈服して、二人の生命を奪い去り、「根本的な議論が必要」などと語っているのだ。絶対に許すことは出来ない。なにより、二人の生命を「死刑論議」なるもののための人身御供にしてしまった点も許しがたい。そのような「政治の都合」で人間の生命を弄ぶことを拒否することこそが、死刑制度廃止を主張してきた原点ではないのか!

死刑存置派へ
のプレゼント

 結果として、千葉の法相就任は、死刑を推進する法務官僚にとって、思いがけないプレゼントとなってしまった。裁判員制度によって「国民に死刑判決を出させる」ということを至上命題にしていた法務官僚たちは、なんとしても千葉にサインさせることで「死刑モラトリアム(猶予)期間」が一年以上になり、かつ「命令書にサインしなかった法相」として千葉が大臣の座から去ることをなんとしても阻止する必要があった。そして、「死刑廃止派に死刑執行のサインを書かせた」と法務官僚たちは、勝利の美酒に酔い、悪魔の哄笑を上げていることだろう。一方で、死刑廃止運動が受けた打撃はやはり深いものとなるだろう。
 しかし、死刑廃止に向かう追い風は、強く吹き続けていることに確信を持とう。死刑存置国はもはや世界の圧倒的少数であり、昨年の死刑執行国は日本を含めてわずか十八カ国にすぎない。アジア地域でも、モンゴルが今年新たに死刑の執行の停止を宣言している。孤立し、必死にあがいているのは死刑存置派なのである。
 確信を持って、大きな大衆的行動として死刑廃止運動をさらに広げていこう。(F)

〈追記〉
b今回死刑執行されたうちの一人は、目撃者をも殺害した死刑囚だった。すなわち、「逮捕されたら死刑になる」という恐怖心から、さらに凶行に及んだのだ。被害者は、言わば「死刑制度があるがゆえに殺害されてしまった」と考えるべきなのだ。
bノルウェーは、死刑はおろか終身刑も無期懲役もなく、懲役刑は最長二十一年。しかし、人口五百万のこの国では、殺人事件は年に一度あるかないか、なのである。
 

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コメント
 
01. 2010年8月05日 19:14:39: MOs0SkJLZk
至極真っ当な意見です。こうした意見がこの国では何故か通らないですね。
清潔で大人しいことだけが民度を顕わしている訳ではないですね。社会の規範、それも強制に寄らない心の中の規範が重要な部分を示しますね。人々は衣食住が足って礼節を知ると言われますが、この国では、衣食住が足っても、まだ衣食住だけに拘り、自らが能動的に礼節の部分への関わりがこなせない、与えられる情報を丸飲みで、それが全てで、それだけに隷属する姿は醜いですね。臭い者胃は蓋をする、
なかったことにする。そうした社会は詰まりは国家は必ず他国により隷属させられますね。

それにしても千葉さんは酷いですね。日本のアムネスティーの事務局長にしてこれですからね。これからは、他国は日本が人権などと言っても誰も信じないでしょうね。その反面、官僚は人権派の頭目の手で死刑を執行させたのですから、これからは本当に人権抑圧がやりやすいでようね。他国は人権抑圧から解放されるなか、日本はそれに反比例して抑圧が益々増大して行きますね。何れ、北朝鮮も追い越しそうな勢いだと思いますね。


02. 2010年8月05日 20:25:15: 4HwnpBeLDU
>人口五百万のこの国では、殺人事件は年に一度あるかないか、なのである。

エビデンスはどこにありますか?

例えば2002年のICPO調査によれば、

殺人事件の件数
ノルウェー 2.14件/10万人
日本    1.10件/10万人

であり、ノルウェーの殺人数は日本の約2倍ですよ。

ソース元 http://aplac.info/gogaku/icpo.html

ノルウェーが「殺人事件は年に一度あるかないか」なんてウソじゃないの?

日本の殺人件数は世界の中でもでもかなり少ないほうですね。
検挙率の高さと厳格な刑罰のおかげでしょう。


03. 2010年8月05日 20:25:48: vfVIy4rtno
今回の千葉のやり方は確かに許せないけど。
不思議なんだよなあ、死刑廃止している国。死刑制度は無いけど、軍隊持って戦争に参加している国って結構あるんだよな。
自国の犯罪者は殺せないけど、他国の罪の無い人間を殺しているんだよ。
死刑制度を無くす前に、戦争を無くすべき。

04. 2010年8月05日 20:29:04: vfVIy4rtno
ぎょっ!
ノルウェーってそんなに殺人が多いのですか。

05. 2010年8月05日 20:30:18: 4HwnpBeLDU
>>03
>自国の犯罪者は殺せないけど、他国の罪の無い人間を殺しているんだよ。

たしかにそのとおりですね。
戦争で殺しておいて、死刑は残酷だなんてよく言えるよね。
筋が通っていないね。


06. 2010年8月05日 20:55:30: MOs0SkJLZk
ほんと、世界に希なる憲法九条のおかげだと思いますね。このおかげで、アメリカが、イラクやアフガン、その他に派兵しろと言ってもバリヤーとなってやり過ごせますね。しかし、それを解除しようとこの国の政治家は必死になって、TVのコメディーを使っての必死の解除はどうしようもないのですが、それに同調する輩の増大はこの国の行く末を暗示しているようで不気味ですね。

どちらにしても、みんな本能に留まっているのではなく、理性を働かせて次なる次元へのステップアップに努める努力は必要ですね。それでこそ、文明、文化の進歩というものだと思いますね。


07. 2010年8月05日 21:58:25: LvssWl3jrs
日本は法治国家なのだから死刑執行は仕方ないとしても死刑反対派のリーダー的存在だった千葉大臣の信念はこれぽっちだったのか。
死刑執行に立ち合ったところでどういう意味があったのかまったく理解不能。
政治家としての信念を捨て去った理由を国民に説明も無いままこのような事がまかり通るなら政治家の言葉や行動は、一切信じなくてよい。
国民の政治不信は一段と高まっただろう。

08. 2010年8月06日 01:08:47: FSyPN1ESQM
ノルウェーについてはこういうのもあります。
http://diamond.jp/articles/-/5804

統計の中に「過失致死」を含むと増えるけど、故殺(殺意をもって殺す)はとても少ないようです(森達也氏を信じれば、の話ですが…)。


09. 2010年8月06日 08:20:23: DmCC9k6hHM
 極悪非道な犯罪者を死刑にしても当然である。
しかし、選挙に落選した法務大臣が死刑執行しても良いのか?
いわば、医療の無資格者が手術をするのと同じことだ。
日本は、法治国家とは言えない異常な状況となってきた。

10. 2010年8月06日 10:06:13: 7vQ9t26PPY
諸君、死刑制度を守れ!
千葉景子氏へのバッシングは止めろ!

11. 2010年8月06日 22:25:04: dChYV980ro
>>09
その通り。
だけど
死刑をして見せれば男性と同等の能力があると思われるとでも思ったんだろ。
浅はかな女だ。

12. 2011年2月15日 18:14:53: UdUlh4QCzk
被害者が、またその遺族が、加害者を死刑にすることによって、救われることはありません。

被害者は、またその遺族は、「許す」ことによってのみ救われ、

加害者は、反省し改心する、「悔い改め」によってのみ、救われます。

人間は、法相であっても、だれであっても、皆すべからず、罪を犯さずには生きられない、心の弱いものです。

これを読んでいるあなたも、ブタやウシやニワトリや、様々な生き物を、残虐に殺して食べずには、生きて行けない弱い罪人であることに、どうか気づいてください。

また他人を押しのけて職に付き、他人を蹴落とせば蹴落とすほど、高給を得ている人も多いと思います。思い当たる節はありませんか?

人間はつまり、罪の虜であり、罪の固まりなのです。

死刑とは、罪を犯さずに生きられない弱い人間が、自分より大きな罪を犯した同じ罪人を、怖れて裁く、小心で残念な行為だと思います。

自分よりひどい罪人を、殺して消してしまう「死刑」制度により、人は、自分の罪からも目をそらし、「自分は罪人ではない」、「社会に罪人はいない」と勝手に安堵し、納得し、罪から逃れようとする。

心の弱い人間の、無意識的合法殺人行為だと思います。

大罪を犯したものに、その罪の重さと、そして罪の重さと同等の悔恨の念を抱くよう、教え導くことが最上級の愛であり、立憲民主主義国家の理念と考えます。

死刑を執行するその前に、加害者の心の更正に向けた、真剣な取り組みこそが、本来あるべき社会の姿だと思います。

「悪いやつは殺せばそれで済む」などと、単純に考える弱い人にはわからない、もっとおおきな愛がある。

死刑廃止の、おおきな世界的流れとは、そういう愛だと思います。
(キリスト教ではそれを、アガペーの愛、神の愛と呼びます。)

死刑云々のその前に、本当に被害者・遺族の救われる方法とは何か、加害者の救われる方法とは何か、人間の救われる道とは何かを、みなさんに考えてほしいです。

下手くそな文章でごめんなさい。

どうか、おおきな愛の真意が、みなさんに伝わりますように。


13. 2011年2月15日 18:39:05: UdUlh4QCzk
上の、おおきな愛について投稿したものですが、ちなみにわたしも犯罪被害者です。

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