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飛びます✈ 飛びます✈ 飛びます✈:金子勝ブログ
http://www.asyura2.com/10/senkyo91/msg/777.html
投稿者 black9 日時 2010 年 8 月 03 日 23:52:12: gWkPHV3D8TzCo
 

http://blog.livedoor.jp/kaneko_masaru/archives/1315277.html
参議院選挙では、米国タリーズの日本フランチャイズの元経営者が立候補して、ホリエモンが応援し、若い人がボランティアで支えて選挙運動する姿を見て、なんかNHKの「なつかしのメロディー」を見ているようでした。

だって、「みんなの党」って政策の中身は、@議員定数・公務員数の削減、A規制緩和や法人税減税で成長? B地方分権で「小さな政府」、といった具合で、完全に小泉「構造改革」の焼き直しなんですから。

そう、小林旭の「昔の名前で出ています」ですね。

ついでにコント55号の坂上二郎風に言えば、
飛びます✈ 飛びます✈ 論理が飛びます✈
ですね。

でも、こんな20〜30年も前のオヤジ・ギャグをわざわざ使ったのは、相変わらず若いオヤジ型思考が行き交い、規制緩和すればイノベーションが生まれるとか、ベンチャーが生まれるとかいった<呪文>が繰り返されているからです。

思い切って飛ぶのはいいんだけれど、飛んじゃいけないのは論理ですよね。

2008年9月のリーマンショック以降、世界金融危機に陥りましたね。でも、なぜ金融自由化(金融市場の規制緩和)がこうした深刻な金融危機をもたらしたのか、みんな口をつぐんでいます。

いまの主流経済学は、どこか、旧ソ連邦が崩壊する直前のマルクス経済学に似ています。

そもそも資本主義にはバブルが必然だなんていう輩もいますが、論外ですね。明らかに、金融自由化(金融市場の規制緩和)が本格化した1980年代以降になって、世界的にバブルとバブル崩壊を繰り返すバブル循環の時代に入ったからです。

他方で、いや「情報の非対称」で説明しているよ、という人もいるかもしれません。もちろんスティグリッツみたいに、情報の非対称が存在するから金融市場はそもそも不完全で、政府規制が有効なんだという立場でずっと一貫していれば、それなりに許されるでしょう。しかし日本の場合、「情報の非対称」が御都合主義的に使われてきました。

2000年代に入り、なおも日本のバブル崩壊が長引く中、「情報の非対称」が大好きな人たちが、銀行が大量の不良債権をため込んだのは日本の「間接金融」に問題があるとして、米国型金融システムをモデルにして、ファンドなどの機関投資家を育成するとともに証券化を推し進めることを主張したのです。まさに「市場型間接金融」の考え方です。

ところが,世界金融危機が発生すると、一転して、毒入り証券化商品が作られたのは,売却する者と購入する者の間に「情報の非対称」が存在するからだとされ、結局、格付け会社がいかんのだということになってしまいます。だったら、何で推進したの???

頭のいい多くの主流経済学者は、ただ事態が過ぎ去るのをひたすら待っています。
が、教科書を薄めて小泉「構造改革」の焼き直しを未だに大声で語り、メディアがそれを喜んで取り上げています。何ともカルトっぽい感じです。

昔は,主流経済学者の中にも「私はモデル屋さんですから」と自嘲気味に言う、知的教養の「ため」みたいなものがあったように思いますが、最近はモデルの世界が現実だと思っている若いオヤジ学者がいることに驚かされます。自分を「勝ち組」だと錯覚したい若い人もいっぱいいますので、そういう「言論」も成り立つんでしょうね。

繰り返しになりますが、事実をきちんと確認しておきましょうね。
まず何より、小泉「構造改革」路線がとられている間、日本の1人当たりGDPが急速に落ち込みました。1990年代にはおおむね2~5位を保っており、小泉政権誕生直前の2000年には3位でした。しかし、小泉政権とともにフリーフォールのように落ち込み、小泉政権が終わった翌年の2007年には19位、08年には23位にまで急落下しました。

医療や介護が崩壊する地域が増え、格差や貧困の増大によって内需不足とデフレ経済を定着させました。もっとも、その責任をほうかむりしたい人は、デフレは貨幣現象だって中央銀行バッシングに励んでいますが…。

むしろ「構造改革」論者たちが進めた「金融立国」路線が、モデルとなった米国が世界金融危機をもたらして失敗し、規制緩和政策は新しい成長産業も生まなかったのです。
生まれたのは村上ファンドやホリエモン、あるいはグッドウィルくらいでしょうか。

結局、市場原理主義に基づく「構造改革」路線は「失われた20年」をもたらし、世界金融危機を迎えたことで完全に破綻したと言ってよいでしょう。

個別の産業を見ても、1990年代まで世界一のシェアを誇っていた日本製品は2000年代に入ってシェアを急速に落としています。電気製品、スーパーコンピュータ、太陽電池、鉄鋼、半導体など、多くの産業分野で日本は世界シェアを著しく低下させています。詳しくは、金子勝・児玉龍彦『新興衰退国ニッポン』講談社を参照してください。

バブル崩壊後の不良債権処理の失敗が第一波だとすれば、小泉=竹中路線による失敗が第二波となって「失われた 20年」がもたらされたのです。百歩譲っても、なぜ「構造改革」路線をとっている間に、このような急速な国際競争力の低下が発生したかを説明する必要があります。よく「改革が足りなかった」というのですが、それではほとんど悪質な新興宗教と同じです。この国は、原爆を2個落とされるまで負けを認めない国とはいえ、恐ろしいほど真剣な反省がありません。

自分が小金持ちになりたい、自分だけはなれるかもしれないと思うのはいいけれど、日本社会全体を沈めるのだけは止めてもらいたいものです。

「構造改革」論が問題なのは、「風が吹けば桶屋がもうかる」式の「論理」に基づいています。たとえば、規制緩和を行えば、イノベーション(技術革新)が起きたり、新しい成長産業が生まれたりするというのは本当でしょうか。

たしかに古い規制が邪魔をしてイノベーションが起こりにくくなっている分野もあります。電力(とくに発電)がその典型です。しかし、おおむね日本の安っぽい規制緩和論者はそういうことは触れたがりません。だって電力は財界の中枢ですからね。こういう連中は「日本の環境技術は世界一だ」とか「乾いた雑巾だ」とか言って、自ら「抵抗勢力」となっているのですね。

日本の現状を考えてみましょう。技術革新は、義務教育から高等教育まで、その基盤となる人材育成のための国家支出を必要としますが、この国は「構造改革」路線でそれを削減してきました。研究や技術開発だけでなく子どもの学力まで低下しています。

とくにIT化やデジタル化とともにソフトやコンテンツを創造する人材が決定的な役割を果たしますが、しばしばリナックスやノキアを生み出したフィンランドが例に出されるのも、こうした背景からです。教育における国の役割は高まっているのに、この国は「構造改革」論によってまったく逆の方向を向いてきました。それだけではありません。雇用流動化が強まる中、日本のSE(システムエンジニア)は賃金水準が低いだけでなく、使い捨てる傾向が強いのです。

ところが、自分だけは「小金持ちになりたい」だけの「構造改革」論者たちが、日本のIT革命をポータルサイト運営会社の株価つり上げに矮小化してしまったのです。日本の電気製品などの競争力低下も根深いものがあります。

研究のインセンティブを高めると称して、大学では博士取得後も3年契約の有期雇用、いわゆるポスドクであふれるようになっています。彼らは明らかに使い捨てられています。企業も雇用削減で若い技術者を雇いません。企業合併を繰り返しては研究所を閉鎖していきます。

これで、どうして規制緩和で技術革新が起きるのでしょうか?

そもそも経済学が言う市場モデルで、研究や技術開発を理解するのは困難です。技術革新は数多くの失敗のうえに生まれてきます。「何をしたらダメかがわかる」、こういう失敗が財産になるのです。研究や技術開発は短期の視点では測れないし、費用対効果で単純に表せないものです。ところが、インセンティブという名前で、国立大学の独法化と予算削減も続いています。でも、短期的成果を求めれば求めるほど、骨太な研究開発ができなくなるのは当然です。

企業も同じです。日本では、企業がR&Dで大きな役割を果たしてきました。が、株主資本主義とか経営インセンティブとかを建前に、経営者の目的が短期的利益の追求になれば、こうした無駄の多い研究開発をおろそかにする傾向が出てきます。規制緩和や法人税減税は、たしかに短期的には企業利益を高めます。が、それが技術革新を生むための決定的条件かどうか非常に疑わしいのです。

中にはとんでもないことを言う人も現れています。最近では、安全基準という規制が強いから、医薬品や電気自動車の開発ができないといった議論です。先進諸国では、むしろ安全基準は強まる傾向にあります。

過剰品質という議論も似ています。新興国ではスペックを基本的なものに絞らないと、所得水準に合わせたものが作れません。そういうものは新興国に行って、残念ながら現地化する以外にないのです。その意味では、価格破壊が世界的に進行しているのは確かです。しかし、イノベーションがなければないほど、この価格破壊に巻き込まれていかざるをえないのです。

ところが、世界的な技術開発競争は、国家戦略抜きの「市場任せ」などではとても勝てません。世界の産業動向を踏まえ、デファクトスタンダード(国際基準)を握る体系的な国家戦略と具体的な産業政策がなければ、国際的な技術開発競争には勝てないのです。

再生可能エネルギーの全量固定価格買取制度などの官民一体による人為的な市場創出があれば、エネルギーの地産地消ですから地方の中小企業などの投資先が広がります。6月29日付のブログでも書いたように、官民一体によるインフラ輸出やレアメタルなどの資源確保の動きも強まっています。

アメリカのカルフォルニア民主党は環境エネルギー革命において「規制行動主義」をとっています。かつてのマスキー法(自動車の排ガス規制)のように、環境規制を強化することによって、環境技術の開発投資やイノベーションを誘導する動きと同じです。世界では、規制は経済活動を阻害するという新自由主義とは正反対の考え方が起きているのです。

アメリカでベンチャーが次々現れて、どんどん成功していくという物語も過剰な嘘で満ちています。アメリカでも、ほとんどのベンチャー企業は経営赤字に耐えられず、資金がショートして潰れていきます。世界的なベンチャーが「ビンボウ人」から生まれるなんて幻想です。ご存じのように、ビルゲイツは裕福な家庭に生まれました。アマゾンだって長い間の赤字を支えたのは、大手ヘッジファンドのDEショーです。あるいは、フェイスブックのマーク・ザッカーバーグもハーバード出身で私的ファンドがバックにいます。少なくとも製造業派遣を規制緩和しても、ベンチャーなんか生まれません。

日本では最近、中小企業から大企業に育ったのは京セラでしょうか。アメリカのような金持ちやファンドに代わって、京セラを支えたのは政府系金融機関でした。「構造改革」論者はこれも民営化させてしまいました。むしろ大事なのは規制緩和より、日本でリスクをカバーする仕組みをどう再構築するかです。

このままでは、民主党政権は、官僚の政治任命ができず、国家戦略もなく、大臣たちが省益に縛られている中で、ねじれ国会で妥協、妥協を繰り返して、民主党の自民党化が進む危険性が高まっています。

そうなれば、「みんなの党」による官僚バッシングが強まるでしょう。劣化したメディアによって、ポピュリズム政治がますます進みます。橋本「構造改革」、小泉「構造改革」についで、渡辺「構造改革」っていうことになるんでしょうか。
その時は、貧困者相手にデフレ商売で儲ける一握りの金持ちが闊歩する世の中です。

そうなったら、できる若者たちがアジアへ、世界へと逃げていくために…
飛びます✈ 飛びます✈ 飛びます✈
日本も本当にご臨終かもしれませんね。  

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コメント
 
01. 2010年8月04日 01:49:14: 7vQ9t26PPY
しっかし、新シラケ鳥の若者が控訴中の堀江隆文が候補応援に賛同して当選させた事実は大きいのでは?事の善悪はスルーしても松沢某がかろうじて議員になったのだから、是は是として若者文化形成を認識せざるの得ないのだ。

02. 2010年8月04日 04:22:01: FSyPN1ESQM
「貧困者相手にデフレ商売で儲ける一握りの金持ちが闊歩する世の中です」

そういう世の中にしないために、経済学者がいるのに…。
官僚バッシングとデフレになんの関係があるのでしょうか。完全に別問題です。
日本の競争力の低下は「構造改革路線」が産んだのでしょうか。中国の台頭は関係ないのですか。
子どもの学力低下も構造改革が産んだのですか。むしろ職を失いたくない大学教員と天下り先をつくりたい公務員が学生確保のため入学試験を甘くしたからではないでしょうか。

金子氏の論理も飛んでます。最後には何でもかんでも「日教組が悪い」と結論づける悪質な保守派の論理に似ています。

竹中氏がアンチ財務省側にまわったと知ると、官僚擁護にまわるのですか。デフレ期に消費税増税などいう財務省がまともですか。
氏がおっしゃるとおり世の中には「頭のいい多くの主流経済学者」はいるのかもしれませんが、金子氏がその仲間に入っていないことは確かだと思います。


03. 2010年8月04日 13:13:34: sUpHQ8Q75g
金子さん、応援しています。

04. 2010年8月04日 16:02:01: l8bnKxPn32
>子どもの学力低下も構造改革が産んだのですか

それは実感しています。
ただでさえ、教育予算が絞られている中で、親のお金だけがたよりなのに
倒産、リストラ、減給で、教育費がない子どもたちは、進学をあきらめたり、
地方では、就職先がないことがわかっていても地元の大学に入学せざるを
得ません。


05. 2010年8月04日 16:02:33: dFQfn0xMh2
まあ、現実を見れば金子氏の言う通りだな。
ホリエモンの存在は別に悪くはないと思うが、彼に群がる
蝿の存在が日本の現状を物語っている。
蝿は能力も財力も人力もないがゆえに、大元が揺らげば、
更に己の立場を弱くするという悪循環に陥るという事を
分かってないのが厄介だね。加えて、日本という国は、
アングロサクソン世界やその他の宗教によって纏まっている
民族・国々とは根本から異なる世界でも特異な国という事
を全く分かっていないというのもある。

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