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平成22年7月26日(月)発売
小学館 (通知)
政界内幕レポート/「空きカン内閣」の断末魔
話にもならない小沢圧勝 9月民主党代表選 誰もが黙り込む衝撃データ
「沈黙の艦隊」ついに動いた!もはや菅は土下座するほかない
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浅薄な戦略と舌先三寸の言葉で掴んだ権力は、なんと脆いものか。総理の椅子欲しさに「小沢さんには静かにしていただきたい」と大見得を切り、前政権の公約を反故にした管直人・首相は、参院選で惨敗するや、今度は「小沢さんに詫びたい」と手のひらを返して政権の延命を図っている。だが、時すでに遅し。沈黙を保っていた「小沢艦隊」は、9月に控えた民主党代表選に向けてついに動き出した──。
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八丈島前夜の小沢派会合
「イラ菅」が爆発した。小沢一郎・前幹事長に面会を拒否されていることに苛立つ菅首相が側近たちに八つ当たりしているのだ。
「仕方ないじゃないか。会ってくれないんだから」
首相補佐官らと代表選の話になると、首相は決まってそう不機嫌になる。
その小沢氏は参院選終盤から隠密行動≠とっていたが、連休中の7月18日には趣味の釣りを楽しむために八丈島を訪れた。ところが、現地の空港には記者団が待ち受けておりテレビ朝日はニュースで「小沢前幹事長の姿を捉えました」と報道。自分たちが引っ込め∞引退しろ≠ニバッシングし、ついに無役になった小沢氏のプライベートを撮影したところでスクープでもないだろうが、パパラッチに追いかけられた小沢氏は、釣りを断念せざるを得なくなった。
この八丈島騒動で官邸と小沢氏サイドの険悪なムードは一層高まっている。
「八丈行きは完全な休暇で非公開の予定だった。本来ならマスコミに知られるはずはない。これまでも雲隠れ≠ニいわれながら八丈で釣りをしていたことは何度もあったのに今回は漏れた。小沢さんにはSPが付いている。首相官邸は警備当局を通じて日程を把握していたはずだ。官邸は小沢さんが総理に会わずに釣りをしているとマスコミにリークしたのではないか」
そう小沢側近議員は疑っている。
9月の民主党代表選を前に、菅首相と小沢氏はいよいよ抜き差しならない対立の構図に置かれた。当の菅首相は、小沢氏との話し合いで続投支持を取り付け、できれば無投票再選にもっていきたい考えだ。会談を申し込んだのはそのためだが、小沢氏からはゼロ回答。相手の出方が読めないことにまたイライラが募る。
菅内閣の参謀、仙谷由人・官房長官は周囲にこんな見通しを語っている。
「小沢グループは9月決戦と騒いでいるが、代表選に担げるのは原口(一博・総務相)くらいだろう。原口が乗っても党内や党員の支持が広がるかどうか。代表選までには参院選敗戦の責任論は鎮静化するはずだ」
しかし、一方の小沢氏は周到に代表選に向けた態勢を整えていた。
八丈島行きの前夜、親小沢グループの会合で、小沢氏から「党員票をしっかり固めろ」という指令が伝えられたのだ。会合参加者が明かす。
「代表選に小沢さんが出馬するか、他の候補者を立てるかの指示はまだないが、いずれにしても、党員票で圧勝するためにローラー作戦を展開せよ、という指示だった」
「天の声にも変な声」の再現
今回の民主党代表選では8年ぶりに党員投票が実施される見通しだ。これまでは代表の途中退任が続いたため、両院議員総会で後継代表が決められてきたが、民主党規約では、本来、代表は国会議員、地方議員、党員とサポーター(党友)による選挙で選ばれる。
計算方法は少し複雑だ。まず衆参412人の国会議員票は1票2ポイント′で計算される。党員・サポーター票は小選挙区ごとに集計されて勝った候補が1ポイントを得るから、全選挙区で300ポイントになる。約1500人の地方議員票は100ポイントに換算され、得票率に応じて各候補に配分される。
小沢氏が「圧勝」を命じた党員・サポーター票は議員150人分に相当する大票田なのだ。
仙谷氏は何もわかっていないようだが、小沢氏にはちゃんと計算がある。小沢氏は幹事長当時から、党員投票が代表選の雌雄を決すると睨んで準備を進めてきたからだ。党所属議員1人あたり「1500人」を目標に党員・サポーターを獲得するように指示し、新人議員には、「後援会づくりだと思え」と督励した。その結果、今年5月末の締め切りまでに昨年より9万人多い約35万人が登録した。
党内では小沢グループが目標以上の党員を集め、5月時点ではまだ代表再選を狙っていた鳩山氏のグループも多くの党員を抱えているのに対し、菅グループも仙谷氏らのグループも、これまで党員集めにはそれほど熱心ではなかった。
「小沢幹事長時代には幹事長室が窓口となって各県連の陳情を取りまとめて予算を付け、自民党から引き抜いた医師会、歯科医師会をはじめ支持組織固めにも力を入れた。その分が党員投票の組織票になっている。
だが、菅総理を支持するグループは、そうした組織固めを軽んじているから、菅総理の地元・東京や前原誠司・国交相の京都などでも勝てる。党員票全体の7割は取れる」(一新会メンバー)
党員投票での圧勝は、かつての田中派のお家芸でもあった。角福戦争と呼ばれた78年の自民党総裁選で、現職首相だった福田赳夫氏は党員投票による予備選で田中角栄氏が担いだ大平正芳氏に敗れ、「民の声は天の声というが、天の声にも変な声もたまにある」という名言≠残して首相を辞任した。その時に党員票を1票1票集めた田中派のローラー作戦は語り草になっており、角栄氏の弟子として手法を学んだ小沢氏は、95年の新進党党首選の党員投票で同じ田中派出身の羽田孜氏を庄倒した。
そうした過去のデータから見ても、「党員票を取れ」の号令からは小沢氏の本気度がハッキリと読み取れる。
議員票の412人(824ポイント)の色分けも次第にはっきりしてきた。
今年6月の代表選拳では、菅氏は議員票291票を獲得し、樽床伸二氏(129票)に大差をつけた。自主投票の方針をとった小沢グループや鳩山グループからも菅氏に多くの票が流れたからだ。小沢氏と近い田中真紀子・元外相さえ、「菅さんに投票した」と語っている。
しかし、菅氏が参院選に大敗した今回は状況がまるで違う。一新会や小沢チルドレンなどが結束すれば小沢支持グループは150人の大勢力。それに対し、菅氏の基礎票は、「菅派、前原派、野田派を中心に中間派の反小沢議員まで合わせても120人」と、菅派幹部さえもやや劣勢であることを認める。
キャスティングボートを握るのは、鳩山グループや旧社会党グループなどだ。
菅首相と仙谷官房長官が相次いで鳩山氏と会談し、左派(旧社会党グループ)の重鎮、横路孝弘・衆院議長に会っているのはそのためだ。
それに対して、小沢氏は労組出身議員が多い参院の多数を握っている強みがある。民主党では、7月22日に参院議員会長選拳が行なわれ、小沢氏の右腕で参院のドン@`石東氏が無投票で再選された。
「輿石氏は参院議長の有力候補だったが、議長は党籍を離れるから代表選で動きにくい。小沢さんは代表選と今後の国会運営を考えて輿石さんを議員会長に残した」(小沢グループ議員)
大メディアは、「小沢氏は参院選での複数候補擁立戦略で批判を浴びた。参院への影響力は低下している」と喧伝しているが、これを本気でいっているなら政治記者として失格だ。
民主党参院幹部がいう。
「1人区では自民党に大敗を喫したが、2人区で共倒れはなく、2人の票を合計すれば全ての選挙区で自民党候補の票を上回った。それが比例区での勝利(民主16議席、自民12議席)に結びついた。小沢さんの戦略がなかったら、菅さんの消費税発言で比例まで負けたかもしれない。自民党さえ複数擁立にやられた。さすが小沢だ≠ニくやしがっており、今回の選挙で小沢さんの求心力はさらに高まった。
代表選では参院の7割を押さえるだろう。菅さんに付くのは1割。残りの2割が浮動票だ」
(写真あり)
仙谷、枝野両氏は解散権をテラつかせるが……
「引退撤回」で鳩山Gは一枚岩に
小沢氏に次ぐ約60人の党内勢力を持ち、海江田万里氏や前回の代表選で菅氏と争った檜床氏らの代表候補を抱える鳩山グループはどうか。
「今季限りで引退」を表明していた鳩山氏は、7月17日、選挙区の北海道苫小牧の後援会会合で、「来年の統一地方選挙後に結論を出す」と引退を撤回した。奇しくも小沢氏が党員票獲得指令を出した日である。鳩山グループ幹部が語る。
「鳩山さんは菅さんが首相になる際、鳩山グループの大畠章宏さんの入閣を頼んだ。ところが、菅さんは仙谷、枝野(幸男・幹事長)など側近を重用し、回ってきたのは副幹事長ポストだけ。これほど露骨な手のひら返しは永田町でも珍しい。我々のグループが菅さんを支持することはない。鳩山さんの引退撤回も菅さんへのファイティングポーズだ」
小鳩連合再結集となると、国会議員だけでざっと250人、党内の6割を超える勢力だ。党員票もさらに圧倒的な差がつく。
あとは誰が「反菅勢力」の統一候補になるかである。事実上の予備選もスタートしている。本誌前号では、小沢・鳩山両派の中から松本剛明・衆院議運委員長の名前が浮上していることを報じたが、勝算が立つと、他の有力候補たちも意欲を前面に出し始めた。
「小沢サンフレッチェ」の一人、原口総務相は、「どうしてもと出馬を求められたら、真剣に考えなければならない」と周囲に決意を語り、外遊先のオーストラリアで、「代表選には複数の候補が立候補すべきだ」と語った。菅首相が無投票再選を狙っているのを十分承知の上での発言だ。
鳩山グループには海江田氏の出馬を求める声も強い。本人は「原口、松本はどうするのか」とライバルの動向を気にしており、出馬する気は十分の様子だ。
小沢氏が沈黙を破って動き出したことをきっかけに、党内の「反菅包囲網」は着々と築かれている。
(写真あり)
6月の代表選とは状況か一変した
もはやお笑いの「解散ブラフ」
菅首相は民主党政権の司令塔として設立された国家戦略室を縮小して新たな組織を発足させ、仙谷−玄葉光一郎・政調会長ラインを予算編成の司令塔にする方針を決めた。
仙谷氏が予算編成の実権を握って陳情の窓口となることで、小沢氏の作ってきた地方組織とのパイプを奪い、地方議員票や党員票を引き込もうという反撃作戦だが、これが逆に菅政権中枢の不協和音を生んでいる。
菅政権は仙谷−玄葉コンビら前原派の議員たちと、荒井聡・国家戦略相、平岡秀夫・国家戦略副大臣ら菅側近グループが両輪となって支えている。もともと、仙谷氏が徹底した反小沢路線なのに対し、荒井氏は小沢グループを含めた挙党体制を主張してきた。国家戦略室の縮小でその荒井氏が政策決定から外され、菅派には「内閣が仙谷に乗っ取られた」(荒井側近)という不満が強まっている。
現職閣僚の一人は、「菅首相の統制が利かなくなった。代表選に出馬できなくなる可能性もある」と冷ややかな言い方をする。
いまや菅政権の屋台骨を一人で支える仙谷氏にも政権延命の展望がどこまであるのかは疑問だ。仙谷氏は付き合いの古い政界関係者にこう漏らした。
「代表選前に解散・総選挙に打って出る手段も残されている。その場合、小沢チルドレンの大半は落選するだろう」
同氏は菅氏の代表就任直後にも「解散するぞ」とのブラフをかけて党内外から失笑を買った。またぞろ解散権を振り回したところで、 オオカミ中年 になるだけだ。なにより代表選に負けそうだから解散で政界再編を起こそうなど、ますます国民に背を向ける政治を加速させることに気づかないあたりが、しょせん権力の中枢を担う器でないことを示している。
小沢氏は八丈島行きの前日、新党大地の鈴木宗男・代表とひそかに会談した。
「小沢さんは代表選の話題より、菅政権のままで参院での国会運営ができるか、あるいはその先の政権の枠組みをどうするか、というシナリオを語った」
会談の内容はそう伝えられている。
もはや代表選の帰趨は決した。「無役の小沢」が次の総理大臣を事実上、指名するフリーハンドを握っている。菅氏が「ぜひ私にもう一度」と媚びる姿など国民には何の興味もないが、さりとて小沢氏が本当の闇将軍になることも国の不幸だろう。代表選で戦うというなら、小沢氏はまず国民の前でどんな政権を目指すのか堂々と語る責任がある。p-37
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