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菅内閣は「危うい」。「本家・英国」で「金融バブル」を招いた「第3の道」は「不吉なシナリオ」! 森永卓郎
http://www.asyura2.com/10/senkyo91/msg/744.html
投稿者 明るい憂国の士 日時 2010 年 8 月 02 日 21:18:39: qr553ZDJ.dzsc
 

http://www.nikkeibp.co.jp/article/sj/20100727/238725/?P=2
森永卓郎(SAFETY JAPAN) 
厳しい時代に「生き残る」には
経済アナリスト 森永卓郎
2010年 7月27日

菅内閣は「危うい」。「日本の反対」で「金融規制強化」の「G8合意」が見送りに。「本家・英国」で「金融バブル」を招いた「第3の道」は「不吉なシナリオ」!


■「第2自民党」に成り下がった民主党
 
 今月(2010年7月)の本コラムでは、先月6月8日に発足した菅内閣および民主党執行部の「危うさ」について論を展開してきた。

 振り返れば、6月以降の政治の世界の変転は誠にめまぐるしい。

 鳩山由紀夫・前首相と小沢一郎・民主党前幹事長の「ダブル辞任」に始まり、それに続く菅内閣の発足(6月8日)、そして参議院議員選挙(7月11日)での民主党の「敗北」――。

 一連の流れを追いながら、改めて実感したことがある。

 今月たびたび言及してきたように、前原・野田グループ(前原誠司・国土交通大臣、野田佳彦・財務大臣を中心とする2つのグループ)ら「政権右派」が菅内閣の実権を握ったことで、民主党政権が大きく変質した、ということだ。

 菅直人首相の消費税増税発言に象徴されるように、現政権は昨年(2009年)の衆議院議員選挙(総選挙)で民主党が国民に約束した社会民主主義的なマニフェストを覆そうとしている。

 政権右派の政治理念はもともと、新自由主義的な政策を推進した「小泉構造改革」と共通するところが多い。

 そのせいか、もはや民主党そのものが「第2自民党」に成り下がってしまった感すらある。


■大連立は「国民の選択肢」を奪う暴挙だ!
 
 実際、民主党と自民党がともに参院選で「消費税10%」に言及するなど、両党の政策の違いが分かりにくくなっている。

 その上、菅首相が所信表明演説で消費税率引き上げを視野に超党派の「財政健全化検討会議」を設置するように野党側に提案したことに如実に表れているように、民主党はいまや昨年の総選挙であれだけ批判した自民党との「談合」さえ辞さない構えだ。

 当然その先には、「消費税問題」「普天間問題」「年金・医療問題」など積年の懸案の一挙解決という大義名分の下での自民党との「大連立」が視野に入ってくることも想像に難くない。

 参院選での与党(民主党、国民新党)過半数割れによる「衆参ねじれ」で、菅内閣の今後の政権運営が困難になることを考え合わせれば、そうした大連立シナリオはいっそう現実味を増す。

 そうなれば、それこそ「国民の選択肢」を奪う暴挙である。

 残念ながら、菅内閣および民主党執行部には、常にそうした危うさがつきまとう。なぜなら、彼らには自民党と政治理念・政策上の共通点が多いからだ。


■菅首相は政権右派に近い言動を弄している
 
 こういうと、確かに前原・野田グループはそうかもしれないが、少なくとも市民運動家出身の菅首相はどちらかといえば「政権左派」に属するのではないか、といった指摘もあるかもしれない。

 しかし、菅首相が必ずしも政権左派とはいえず、むしろ政権右派に近い言動(少なくとも首相就任後の言動)を弄しており、だからこそ「菅内閣は危うい」という事実を紹介して、今月のコラムを締めくくることにしよう。

 先月6月25日にカナダで開かれたG8サミット(主要国首脳会議)でのこと。

 周知のように、先のG8サミットの大きなテーマは、先進各国が経済成長と財政再建をいかに図るか、ということだった。

 リーマン・ショック(2008年9月)以降、大規模な財政出動で景気失速を防いできた先進各国は、いつ財政を引き締めたらよいのかという共通の悩みを抱えていた。

 この議題については結局、経済成長と財政再建とのバランスが大切という無難な結論に落ち着いた。

 一方で、参加国間の深刻な対立によって合意ができなかった議題もあった。

 世界的な金融規制に関する議論がそれだ。


■欧米は金融規制強化にいち早く舵を切った
 
 そもそも、世界経済を深刻な不況に追い込んだ金融危機は、投機マネーが生み出したバブルとその崩壊がもたらしたものだ。

 だからこそ、投機そのものを抑えなければ、世界経済は再び危機に直面しかねない。

 欧米諸国は、いち早く動いた。

 サミットの3日前、6月22日に、英仏独の3カ国は、新たな銀行税を導入して金融機関が破綻したときの処理費用を負担させるという共同声明を発表した。

 先の金融危機では、各国とも経営難に陥った銀行の救済・破綻処理のために多額の公的資金を投入した。3カ国の共同声明には、今後そうした事態を避ける狙いがある。

 裏を返せば、各国政府は銀行側に投機の失敗などで経営難に陥らないように経営上の圧力をかけているわけだ。

 同様に、米国もサミット当日の6月25日、銀行による投機を原則禁止するとした金融規制改革法をまとめ上げた。

 そのため、欧米諸国は当然、G8サミットでも金融規制の強化で足並みをそろえていた。

 ところが、あろうことか、日本が金融規制強化に反対して参加国間の合意ができなかったのだ。


■菅首相がG8サミットで放った「KY発言」
 
 実際、菅首相は6月25日のメルケル独首相との会談でも、こんな趣旨の発言をしている。

 「金融規制は各国の実情に即して議論すべきだ。経済への影響にも配慮する必要がある」

 要するに、日本には欧米と同様の金融規制を行うつもりはないし、その実施を日本に強制しないでもらいたい、と述べているに等しいのだ。

 金融危機とその再発防止策(金融規制強化)に関する各国指導者と菅首相との認識の違いをこれほど如実に物語るものはなかった。

 米国のオバマ政権をはじめとする各国政府はいずれも、自国の金融界の強硬な反発に遭いながらも、危機再発防止のために金融規制強化を断行しているのだ。

 そうした中で、ひとり菅首相だけが日本の金融界(ひいては財界)におもねるような発言(場の空気を読めないKY発言とでもいおうか)をしているのは、どういうことか。

 これでは、自民党政権の首相と何ら変わりがないではないか。

 菅首相が市民運動家出身であれば、本来なら率先して(市民生活を脅かす金融危機の再発防止のための)金融規制強化に取り組むべきではないか。


■小泉内閣が誕生したとき以来の「嫌な予感」
 
 菅首相はいつから「市民派」から「財界寄り」に転向したのか。

 それとも、菅首相は元来、巷間言われているような「野心家」であり、権力を握るためなら政治理念・政治姿勢を180度変えることすら厭わないマキャベリスト的な政治家なのか。

 実は、菅首相が「第3の道」を唱え始めたときから、私はすごく嫌な予感がしていた。その嫌な予感は、小泉内閣が誕生したとき以来のものだ。

 周知のように、「第3の道」とは、英国でブレア元首相率いる労働党政権が誕生したときに、盛んに唱えられた政治スローガンだ。

 一言で言えば、新自由主義的でもなく社会民主主義的でもない政策の追求・遂行である。

 ところがブレア政権は、表面的には新自由主義政策を推進したサッチャー政権を否定したかのように見えて、実のところは同政権と類似の政策をとっていたのだ。

 その結果、英国では製造業が衰退する一方で金融バブルがみるみる膨らみ、後任のブラウン政権下では国家税収の3割近くを金融業が占めるまでに至った。


■「本家・英国」と同じ轍を踏まないことを祈る
 
 この2代の労働党政権下(の大部分の期間)で英国経済は好調を維持し、ブレア政権が提唱した「第3の道」は一見うまくいったかのように映った。

 しかし、水面下では金融バブルの矛盾がどんどん積み上がり、その矛盾が一気に噴き出したのがリーマン・ショックだった。

 そして、リーマン・ショックで大打撃を受けた金融業に代わる「牽引役」が見当たらないため、英国経済はいまやエコノミストらの間で先行き不安視される存在にまでなっている。

 前述の菅首相のG8発言も念頭に置くと、日本の菅首相率いる民主党政権と英国のブレア元首相率いた労働党政権とは、なにやら共通するところがあるのではないか。

 もっとも、菅首相自身、英国の政治に範をとっているわけだから、そうなるのは当然といえば当然なのだが……。

 いずれにせよ、菅首相の目指す「第3の道」が本家・英国と同様の結果(惨状というべきか)を招かないことを祈るのみである。

 

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コメント
 
01. 2010年8月02日 21:28:08: lFtrGPhedw
ああ、消え行く菅政権

民主、裏切りと陰謀の夏 小沢が嗤っている
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/940


02. 2010年8月02日 22:00:34: xDSRSBQsrs
>菅首相がG8サミットで放った「KY発言」

菅の話なんか誰も聞いてないと思うし。
メガバンクの株価がサイテーなところからして、市場参加者は日本のメガバンクがバブル起こして大儲けするなんて夢にも思ってないようだし。


03. 2010年8月02日 22:31:28: JiuafC5wMQ
同感です,素人の私でもわかる税金横領システムによる大惨状が間違いなく来る
菅政権は貧者の救済より大企業の救済に、政治の軸足を置いているために弱肉強食社会を目指す第三の道,英労働党の失敗は第三の道と同じ過ちを繰返します。菅政権の第三の道は、官僚達が望む新自由主義とケインズ政策の融合だ。自民党の経済成長と財政再建の綱引きは、菅直人の強い経済・財政・社会保障と重なる。菅首相も、経団連会長も、超党派の協調を唱え、奇妙に符合しているではないか。消費税増税して社会保障費で財政再建とは,では健康保険税や介護料はなんなんだ,二重三重払いではないか、既に英労働党の第三の道は破綻し、ユーロ危機の中で、財政破綻に喘いでいる。

日本の民主党でも自民党は勿論,世界の政治家はすべての景気対策に失敗する。英国ではブラウン元首相率いた労働党も3位に転落、歴史的惨敗を喫したのは,二大政党制移行への不信だけではなく,第三の道の選択の失敗だった。

累進性を強化してもだめ,第三の道を選択してもだめ,日本税制は米国より貧乏人に厳しく金持ちに甘いのです。国民の多くは洗脳され弱肉強食の社会を目指しています。累進所得税は資産性所得が日本のように分離課税では大金持ちには影響は少ないのです。それも天下りに有利な税制になっています、おまけに道路通行料金は2重取りしています,福祉大国は消費税率は高いと言われますが、健康保険,介護、医療、大学授業料も無料、年金も年寄りになるともらえる。

資本主義的な自由市場経済は、需要と供給の変化を決定する人間の嗜好を「必要悪」と考え、新しい商品を次々に発売して、人為的に流行を発生させようと行動した。そのために、売れない商品を過剰に発生させる。そして、企業レベルでは見切り・縮小・倒産を発生させて市場は均衡を回復する。これが「神の見えざる手」の正体なのだ。つまり景気底入れを強調するマスメディア報道が創作され始め,底を脱したとか、抜けたとか世界経済回復がピークアウトしたという茶番劇や大資本と官僚(検察)には大盤振る舞いの政策に偽りがある嘘の報道によって政官業による巧みな“税金横領システム”が作動して,資本主義が崩壊する。

社会保障に使うと景気がよくなるという経済モデルなんかありません,どこにあるのですか,菅政権は国民に天下国家の経済ビジョンをマスコミも含め公開してもらいたい,そんなものある分けない。また菅政権は消費税UPして社会保障に使うと消費に回るといいますが,絶対に消費に回りません,消費税UPによる第三の道は名目GDPが下回り,乖離が拡大して失敗は確実です。

消費税が上がれば、それだけ可処分所得が下がり、買いたい物が買えなくなるから消費は落ち込み景気は悪くなる。消費税を上げたら、景気がよくなるという経済モデルなんてあるわけがない。泥沼の利権社会が存在するだけ,また失業率が10%までは、消費市場の落ち込みは、国民所得の落ち込みよりも、買い控え心理のほうが、影響は大きいからです。ついに25歳未満の失業率は10%を超えました。

日本経済の牽引車は子供にも理解できる、自動車・住宅・消費である。特に消費の縮小が問題なのに、消費税増税論が官僚マスコミや評論家達を丸呑みしている。消費は底なし沼に景気後退、縮小が凄まじい、法人税の還元で内部留保,金持ち救済,貧乏人は自己責任,そして郵政民営化で国債暴落します。すべて万事休すである。


04. 2010年8月02日 22:37:19: FTsXsV0ndw
いくらなんでも、悪党小泉に近よるとは言いすぎでしょう。

05. 2010年8月02日 23:51:26: FMdMRKf5Fw
04>いくらなんでも、悪党小泉に近よるとは言いすぎでしょう。

ぜんぜん言い過ぎではないのでは?
小泉との違いを見つけるのに苦労します。違いがあるのは、政治政策とは別の、「病気」ぐらいでは?
郵政民営化を推進するおそれが濃厚。まずはこれをはっきりさせねば!


06. 2010年8月03日 02:14:22: yc7WGv6HVo
あまり鋭くないですね
嫌な予感は参院選前から国民は持ってますよ

国民に対し年収150万で不満を持たず生活しなさいと言っているのかな

今気がついたのですが、森永さんはガス抜き担当でしたか??


07. 2010年8月03日 05:16:47: fEYiVE3nvI
>>06,さん
<<今気がついたのですが、森永さんはガス抜き担当でしたか??

読んで、ハッとしました。経歴やマスゴミでの露出度…
ありえますね。


08. 2010年8月03日 08:31:14: wkRvCaKyaw
全く03さんに同意致します。菅は「悪党」の定義次第では小泉よりもっとタチが悪い。「偽善者」で自分の信念も自分で騙している。救いようのない愚か者です。

09. 2010年8月03日 19:17:03: HbPDUassgc
ブッシュ、ブレアの9.11はBBCのフライング
米英の国民は恐怖の洗礼で思考を失い
戦争と経済詐欺で疲弊と従属
範とする英は米と同種で共謀
台本は進行中の明白さ、EUが終わり
略奪する富は日本にあり

10. 2010年8月04日 19:08:37: 2Ae70yZBLY
森永卓郎、口先だけの評論家。気楽で良いよね。
そこまで立派なことを言うならなぜ自分でやらない?

言うだけならぶたの遠吠えだろ?
ぶひぶひか?


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