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「【J-NSC】麻生太郎最高顧問 突撃インタビュー(2010.7.30)」より、後半部分の書き起こし。
http://www.youtube.com/watch?v=uOiHSAZNqoo
(15:00〜)
今の日本でいくつか間違っているところがあるんだと思うんですが、いちばん問題なのは、財政を再建することではありません。今日本でいちばん問題なのは、デフレーション。
戦後、第二次世界大戦が終わって、今日まで、デフレーションによる不況をやった国は、世界で一つもありません。みんなインフレーションで不況をやったことがある。デフレーションということはないんだから。
それを日本は、正確には1992年、もう少し詳しく言うと1997年からだと思いますが、これから今日まで、ずっと"de-flation"というものをやった。すなわち、需要が足りない。だから、国内の需要がない。需要がないってことは、お金を借りて設備投資をする人がいない。したがって、お金を借りに来る人がいない。だから、銀行にとってはお金の---預けられたお金の貸出先がない。これが日本における最大の問題です。
デフレーションが問題なんだから。しかも、資産---土地とか、建物---資産のデフレーション、これが最大の問題なの。
したがって、これをどう克服するか、それが日本の経済というものに対しては、最大の問題。財政再建というのはその後の話であって、したがって、お金を借りに来る人がいなければ、誰かが借りてくれなければ、デフレーションは止まりませんから。
そうすると、いま国民は貯金を崩さない、企業も設備投資をしない、モノは買わない・作らないということになると、これは、デフレーションはずーっと続くわけだから。そういうときに使ってくれるところは、政府しかないんです。
ところがよく解ってない人がいて、政府がお金を借りるのは、国が借金している、と言っている人がいる。
全然違います。国というものは、経済でいえば、政府という主体、個人という主体、銀行という主体、民間企業という主体、いろんな経済主体があります。その中で政府が借金しているんだから。簿記が解っている---帳簿を付ける---簿記が解っていれば、政府が借金しているということは、100万円借りてれば、100万円、必ずその反対側に貸している人がいる。貸方・借方ってのはそうやってバランスするわけですから---いわゆる帳簿です---簿記。貸方と借方は常にバランスする。政府が1000の借金が増えりゃ、貸している方に1000の債権が建つ。
政府が借金している。貸しているのは、個人であり、銀行であり、企業が、国債っていう名前で、銀行が買う、個人が買う。政府の債務を買ってるのは、債権ですから、したがって、国が将来に借金を残す---違います。国に残っているのは、政府の借金と、民間の債権と。
これが一緒になるって言ってるのは、明らかに間違っている。
一番いい例が、ギリシャ。ギリシャは、ギリシャの政府が発券する、ギリシャの国債を、ギリシャ国民は信用しないから買わない。3割しか買っていない。残り7割は国際市場で売る。"International"な"market"に売る。その"international"な"market"は、ギリシャの通貨ではなくて、ユーロ、もしくはドル、という国際通貨でやってますから、いざという時になったら、そのお金は、ユーロで、もしくはドルで返さなくちゃいけない。あたりまえでしょ?
かたわら、日本の方は、95%は日本人が日本円で買ってる。残り5%も、外国人が日本円---円建てで買ってる。したがって、満期になったら、日本の政府は、日本円なんだから、自分でお金を刷って返せばいいんですよ。ドルで返す必要はないんだから。円で返せばいい。
「そんなことやったらインフレになる」---いま、デフレなんだから。インフレの心配するよりも、まず、デフレの心配をしてもらわなきゃいけない。いま、デフレなんだから。
「そんなことやったら、日本の信用がなくなる」---もし、信用がなくなってると思えば、日本の国債の金利は上がらなくちゃおかしい。ギリシャの国債はおそらく13%くらいついていると思いますが、日本は10年物国債で1.1くらいだと思いますね。この20年間、一貫して下がってますから、日本の金利は。だから、そういう意味では、日本の国債というものは、国際的に見ても信用があるのであって、そういう政府が、いま国内には需要がないんだから、その需要を満たすためには、政府が余った---銀行に余った---借金の返済が多くて、預金が増えて、借りてくれる人がいないから、銀行に増えちゃってる返済されてるお金を、誰かが借りてくれない限りは、銀行は全然立ちゆかなくなる。
したがって、その余ってる金---何10兆、30兆くらい、借りて使う---40兆、借りて使う。何に使う?将来の、日本の国の生産性が高まるために、例えば、港湾の港がいまから水深がもっと深くならなきゃいかんとか、新幹線を全部、北海道から九州までつなげにゃいかんとか、電信柱を地下に埋設するとか、古くなったトンネルをきちんとするとか、やることはいっぱいありますよ。
いまは土地は安い、金利は安い、工事費は安い、工期は短い。やるなら今なんですよ。
そうやって、やります。そうやって景気がよくなったら、その段階で、法人税が入る、所得税が入る、いろんな形での税収が増えますから、それで借金を返していけばいい。
それでも足りない場合、景気がよくなって、税収が増えても足りない場合は、その時は、すいません、これだけ高齢化の比率が高くなってくれば、すいませんけれども、皆さんが今のような中福祉を望んでやるんだったら、中負担に応じてくださいと。したがって、福祉の目的を果たすために、消費税を何%上げてくださいという話をするのが順番。
したがって、根本は、日本の国全体に需要がないために、デフレーション・ギャップといわれるものが起きちゃってる。このデフレーションをどうするかというのが、いま最大の問題なの。
ぼくは、こういったことが意外と解っているのは、ぼくは、ネットの世界じゃ三橋貴明ってのがいちばん解ってんのかなと、ぼくにはそう見える。リチャード君とかいろんな人がいますけれども、こういったことが解っていない、インフレしか解っていないコメンテーターとか、インフレしか解っていない経済学者っていうのが解ったようなことを言うから、話が非常に混線しているけれども、日本というのは決しておかしな国ではないんであって、そういった意味では、国際的には評価も高いから金利も安い。国際的評価も、そういったものをやろうとしている意欲がいま見えないから。
だって、公共工事が、かっての14兆5千億から、いまは、7兆まで。半分以下だ。これを世界中から見たら、1980年とほぼ同じ額。となれば、そりゃ、他の国から見たら、「ああ。日本は将来経済成長する意欲が政府にないんだなあ」と思われるんですよ。だから、政府投資が増えないんだから。だから、そういった意味では、きちんとやるべきものに投資をしていく。政府がきちんと公共工事でやって、日本はさらに経済成長していく意欲があるんですということをきちんと示し、それに対応できる成長産業っていうものは、実は環境産業にしても、また、その他のコンテンツも含めて、色々なソフトについても、いくつもあります。
そういったものを、十分にやっていけば、この国の前途は極めて明るいのであって、私はそういった意味では、この国の将来っていうものに対しては、ものすごく、もっと自信を持たなくちゃいけないんですが、何となく、そういうことを解ってない人が、解ったような顔をして、先に悲観論を述べるのは、明らかに世論というものを、妙に悲観論に、自虐的に、悲観論に走らせている---困らせて、そっちの方向に向かわせているのは、ぼくはこの罪は大きいと思いますね。
もっと、若い人は、自分の国の将来ってものに、もっと自信を持って、自分の持ってる技術にもっと自信を持って、進んでいってもらう。事実そういったものは、挙げていけばいくらでも出てくると思いますから、そういったものに関して、もう少し明るい話も、是非、このJ-NSCを含めて、いろんなところで聞いているといいと、ぼくにはそう思えます。
期待してます。
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(投稿者より)
J-NSC(自民党ネットサポーターズクラブ)代表、新藤義孝衆議院議員による、麻生太郎氏へのインタビューの後半10分ぐらいを起こしてみました。麻生太郎氏がYouTubeを通じて、自民党支持の若いネットユーザーたちに呼びかける場面です。
私個人は、決して自民党支持ではありません。しかし、経済の現状に対する麻生氏の認識は正しく、説明も解りやすいと思います。
ただ、アンチ自民の方々から、「与党時代の反省がない」「相も変わらず『公共工事』か」という声は上がるかも知れません。
それでも、首相経験者でもある自民党の有力者から、「お金は刷って返せばいい」というコメントが聞かれたのは意外でした。成長路線を明確に打ち出すことで菅路線と対立軸を作ろう、という意図があったのもしれません。
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