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(画像)植草一秀の『知られざる真実』より
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2010年8月 1日 (日)
正統性ない菅直人政権の続投
菅直人政権は必ず行き詰まる。最大の理由は菅直人首相が人間力を欠いていることにある。
小渕恵三元首相は「富国有徳」の言葉を掲げた。
菅直人首相には首相としての専門能力以前に人間としての信頼感がない。そのうえ、首相としての専門能力も欠いている。
徳のない政治を持続させれば、小泉政権下の日本に舞い戻る。
かつて、霞が関に対抗する理念と情熱を菅直人氏が維持し続けてきたなら、首相に就任して、大きな仕事をすることができただろう。しかし、いつの頃からか、菅直人氏にとって、目的と手段が入れ替わってしまったのだろう。
民主党の混乱は、6.2クーデターに端を発している。6.2クーデターとは、民主党中心勢力から小沢一郎氏グループを排除した政変を意味する。
自由党と民主党の合併の経緯を踏まえれば、小政党であった自由党代表の小沢一郎氏が民主党代表に就任してから、民主党が大躍進したことは、元民主党議員からすれば快いことではないのかも知れない。
しかし、民主党は鳩山由紀夫氏、菅直人氏、岡田克也氏、前原誠司氏が代表を務めた結果、2006年には解党の危機に直面した。この危機に火中の栗を拾ったのが小沢一郎氏である。2006年から2009年までの3年間に、民主党は解党の危機から政権交代実現にまで、党勢を大躍進させた。小沢一郎氏の力量を否定することは誰にもできない。
日本の既得権益勢力=米官業政電の悪徳ペンタゴンは、小沢一郎氏を最強の危険人物と認定した。その結果、2006年以降、悪徳ペンタゴンは小沢一郎氏攻撃を執拗に繰り返して現在に至っているのだ。
民主党内部には、悪徳ペンタゴンと繋がる勢力が存在していた。これが七奉行を中心とする勢力である。
偽黄門=渡部恒三氏を後見人とする仙谷由人氏、岡田克也氏、野田佳彦氏、前原誠司氏、枝野幸男氏、玄葉光一郎氏、の七名がその中核をなす。
樽床伸二氏は七奉行から脱退した。
菅直人氏は首相の椅子を掴むため、小沢一郎氏に恭順の意を示してきた。本年元旦の小沢邸での新年会にも出席し、臣下の礼を取った。
ところが、6.2クーデターに際して、民主党内悪徳ペンタゴン派と結託し、民主党を乗っ取ってしまった。小沢一郎氏に対しては、「しばらく静かにしていた方がいい」との暴言を浴びせた。
まさに、目的のためには手段を選ばない品性の下劣さを如何なく発揮した。
共闘一致体制で臨まねばならなかった「決戦の総選挙」に向けて、菅直人氏は民主党を分裂させる暴挙を演じた。その結果として、民主党の参院選大敗がもたらされた。
参院選の勝敗を分ける最大の決戦場が29の1人区である。この1人区で8勝21敗の大敗北を喫した主因が、菅直人氏の言動にあった。
菅直人氏は民主党を分裂させるとともに、党内でまったく論議していない消費税大増税公約をマニフェスト発表会見で政権公約として掲げたのである。
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巻頭特集は「自壊する菅政権」である。
村上正邦・筆坂秀世「覇道に堕ちた菅首相」
森田実「菅と自民は「増税翼賛会」だ」
平野貞夫「小沢の沈黙が意味するもの」
植草一秀「対米隷属の菅政権を打倒せよ」
の各論文が所収されている。
また、
鈴木宗男「菅首相は民主主義の基本に立ち返れ」
も収められている。
菅政権は悪徳ペンタゴンに属する政権であり、昨年9月に樹立された主権者国民政権を継承するものでない。悪徳ペンタゴン広報部隊のマスゴミは菅直人政権の延命を画策する。
菅直人氏が議員定数削減に動き始めたが、最終的な狙いは「対米隷属二大政党制確立」にある。
対米隷属勢力が民主党を乗っ取り、ここに同じく対米隷属勢力の「みんなの党」が合流する。これと、従来の悪徳ペンタゴン勢力である自民党を中心とする勢力が二大政党の一翼を担う。この二大勢力が結託して、@対米隷属、A官僚主導、B大資本と癒着する政治、が維持されることになる。
議員定数削減は、対米隷属に反対する小政党を壊滅させる点に最大の狙いがある。議員定数削減は、比例区の定数削減に進めば、明らかに小政党抹殺の意図が鮮明になる。
菅直人氏は主権者国民から不信任を突き付けられ、民主党議員からも不信任を突き付けられており、延命する基本条件を欠いている。
民主党にとって何よりも重要なことは、正統制のある最良の人物を代表選に擁立することである。悪徳ペンタゴンに乗っ取られた民主党を主権者国民の手元に引き戻さねばならない。
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