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2010年7月27日 日刊ゲンダイ掲載
再聴取したって何も出てこない
民主党の小沢一郎前幹事長の元秘書で衆院議員の石川知裕(37)が、東京地検特捜部の再聴取要請を拒否するようだ。
07年分の政治資金収支報告書をめぐって、東京第1検察審査会が15日に「不起訴不当」の議決を公表したことを受け、東京地検は小沢本人と3人の元秘書に対する再聴取を要請していた。石川だけでなく、元秘書の池田光智(32)と大久保隆規(49)も、再聴取には応じない方針。
小沢は27日、聴取に応じるか決めるという。
「検察は捜査を尽くしたが、何も出てこなかった。新事実があるわけでもないし、元秘書はすでに起訴されている。再聴取はどのみち形式的なものでしかない」(司法関係者)
それなのに、大マスコミは例によって「説明責任を果たせ」と騒ぎ立てる。今回の議決では、4月に「起訴相当」の議決をした第5検審が触れなかった水谷建設の裏金疑惑にまで踏み込んだから、なおさらだ。
「第1検審の議決趣旨には、水谷建設の幹部が赤坂の全日空ホテルで石川に渡した現金が、虚偽記載の動機になったとある。これは当初、検察が描いていた見立てそのものです。しかし、もともとが無理筋だったため、この線では何も出てこなかった。その上、水谷元会長が以前も検察にウソの証言をしていたことまで発覚。元秘書は完全否定しているのに、無理やりにでも自供を取れというに等しい議決内容です」(司法関係者=前出)
第1検審は、小沢や元秘書の証言は「いかにも不自然」で、「更なる追及」が必要だという。その一方で、水谷建設側の供述については、「信憑性はかなり高い」としている。これには石川もカンカンで、朝日新聞の取材に対して「(裏金を渡したという)社長なりを私の目の前に連れて来て下さいと言いたい」と、怒りをあらわにしていた。
そもそも検審は、被疑者がシロかクロかを裁く場所ではない。検察の捜査が妥当かどうかを判断するのが役割で、「不起訴不当」の議決が出たからといって、小沢が疑わしいという意味ではない。大マスコミはそれを分かっていて疑惑を煽っているとしたら、より悪質だ。
勢いづく野党も「国会の場で説明しろ」とか言って参院での小沢の証人喚問要求をチラつかせているが、説明責任というのなら、まずは疑惑の大前提となる水谷建設の幹部を国会に招致して、証人喚問をしたらどうか。
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