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「小沢一派」の追い落としで、「勝ちどき」を上げるのは早い。「反小沢」の面々の力量が試されるのは、これからだ。菅直人が首班指名された六月四日夜。官房長官に内定していた仙谷由人は上機嫌だった。「組閣は一部だけやればいい。ほとんどが留任だ。本格的な人事は参院選が終わった後でいいんだ」菅新内閣の人事は、仙谷、そして幹事長に就任した枝野幸男ラインで決まったといっていい。彼らの共通認識はただ一つ、「反小沢」である。
一枚岩ではない「菅─仙谷」
仙谷は周辺にこういい放った。「小沢に近い議員から、『あまり反小沢の人事をやると、小沢さんが党を飛び出すかもしれない』といってきた。オレは、『ああそう』といって菅総理にも報告したが、総理も『それならそれでもいい』といってた。気にすることじゃない」仙谷による小沢一郎の完全なる排除と宣戦布告だった。鳩山由紀夫が去り、小沢が一線から退いたいま、民主党内で力を握る最右翼はやはり仙谷である。
前原誠司グループの顧問を務め、前原や枝野らのアドバイザー的存在の仙谷は、一貫して小沢の手法を批判。政治とカネについても、小沢に説明責任を求めてきた。「全共闘の戦士」(自民党・麻生太郎元総理)と揶揄されるのはこうした姿勢からだ。カネと人事は党内の求心力を高める。仙谷・枝野ラインは、これを掌握することに徹底した。党財務委員長には反小沢の小宮山洋子。枝野・小宮山ラインが党のカネを握った。
副幹事長に就いていた樋高剛、青木愛ら、小沢の側近をすべて解任し、小沢色を一掃した。しかし、考えてみれば、カネと人事に着目するところ等、実は、手法は小沢と同じだ。「仙谷さんは、民主党の中では比較的舞台回しができるほうだ。老獪だし政策通でもあるが、言い換えれば古い自民党にいるようなタイプだ(笑)排除の論理は党内に亀裂を生む。いまは調子に乗っているが、しっぺ返しを食うだろう」(自民党ベテラン議員)
実力者という点では、そんな仙谷を全面に出して政権運営する首相の菅も、またしたたかだ。「人事はすべて仙谷さんにいってくれ。任せてあるから」と、菅は側近の荒井聡国家戦略相だけにはこだわったが、後は全く人事に触れなかった。菅を古くから知る民主党ベテラン議員は、こう話す。
「仙谷さんをダミーにして、反小沢や難しい政策課題をやりくりしている。もし、何か問題が起きれば、『あれは仙谷官房長官がやっていること』と逃げればいい。リアリストで権力志向が強い菅さんは、一度総理の座を手に入れたら絶対に離さないだろう。場合によっては、自分は水面下で小沢さんと接触するかもしれない。仙谷さんをうまく使うしたたかさが見える」だが、仙谷も菅も鳩山・小沢と同世代。党内でいまは力を持ったとしても寿命は長くないかもしれない。
警戒される「原口」の動向
これに続くのは、枝野と前原。二人がライバルとして、どんな形でしのぎを削っていくかが焦点になる。ただそれぞれ弱点はある。「枝野さんは政策に明るいが、党務経験は乏しい。三百人を超える大所帯、しかも小沢グループや鳩山グループの力はまだ残っている。きれいごとだけをいってもまとめきれるはずはない。与えられた幹事長職をこなせるかどうかで、次のリーダーになれるかどうかが決まる」(前原グループ中堅議員)
一方の前原は、鳩山政権末期に、メディアの世論調査で総理にしたい政治家としてランクアップされるようになったが、党内人気はいま一つだ。「八ッ場ダム、JAL(日本航空)問題、高速道路の無料化。さらに米軍普天間飛行場問題では、彼は沖縄及び北方対策担当大臣。そのどれもについて、机上の政策論だけは滔々としゃべるのに、何の前進もない。評論家然としたところに人を強烈に引きつける魅力が欠けている」(枝野に近い議員)
菅や仙谷のラインから考えれば、次期実力者の枝野と前原。だがその片鱗はまだ見えない。反小沢七奉行とされた中の岡田克也、玄葉光一郎、樽床伸二。玄葉は、かつて選対委員長として支えた岡田を総理にすると公言してきたが、独自の勉強会を立ち上げる等、実質的な岡田支援部隊を構築しつつある。しかし、反小沢が勝どきを上げるのは早計だ。「消費税率10%」に言及した菅内閣の支持率が急降下した上、前線から一歩引いた小沢が、後継者の一人と考えているのが原口一博。
「勝負しなければならない時はくる」と語り、九月の代表選挙に意欲を見せている。「政権交代後も、自民党時代の官邸スタッフにもヒアリングをする等、水面下で幅広い人脈と下地をつくりつつある。侮れない。民主党の保守系の次期代表格になるかもしれない」と、前原グループ中堅議員は警戒する。
代表選の前後に「天王山」
そして、仙谷や枝野が、やはり最大の脅威を抱いているのが小沢本人だ。小沢が政治生命をかけた政権交代は、まだ道半ば。その先に見据えた二大政党制を根付かせるところが終点である。「小沢さんはこのままでは終わらない。九月に行われる代表選挙に向けて、二つのシナリオを考えているのではないか。一つは、後継の一人とされる原口を担いで戦う。
もう一つは、小沢自身が出馬すること。その時には、敗れれば飛び出して政界再編を仕掛ける。小沢グループの中でも五十人ぐらいはついていくだろうし、亀井静香(国民新党代表)、田中康夫(新党日本代表)、与謝野馨(たちあがれ日本共同代表)、さらには自民党と手を組むかもしれない。保守の旗を掲げた新党をつくり、社民主義的な民主党とほぼ同規模の二大政党をつくる。単なる党内政局から、再び永田町全体を巻き込んだ政局を仕掛けることも十分あり得る」(小沢側近)
また、志半ばで涙を呑んだ鳩山グループも約五十人の大所帯。命取りとなった米軍普天間飛行場問題等で、意を汲んでくれなかった担当大臣の岡田や前原に対して、嫌悪感を示していることや、「財務官僚ペースにはまった菅や仙谷を快く思うはずはない」(鳩山側近)こと等から、小沢と行動を共にする可能性はある。鳩山退陣劇で勝利した反小沢の実力者たちが、参院選後にやってくるであろう第二幕に勝てる保証はない。(文中敬称略)
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