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http://sankei.jp.msn.com/culture/books/100606/bks1006060812008-n1.htm
■利権の温床「恥ずべき行為」
公務員の「天下り」は道義的、公正さに欠ける行為と認識されながらも、その全貌(ぜんぼう)は明らかにされてこなかった。著者はこの実態にメスを入れ、天下りを官民癒着や利権の温床となるばかりか、政策を歪(ゆが)め、組織のモラルを低下させ税金の無駄遣いを生む行為であると断罪する。
衆議院事務局が昨年公表した「国家公務員の再就職状況に関する予備的調査」と名付けられた報告書は衝撃的内容だ。再就職とはつまり「天下り」を示す。本著では後半、約260ページを割いて中央省庁が抱える特殊法人、特定営利企業などの天下り全リストを掲載。その数は4500件を数え、天下った人数は2万5千人に及び、うち1万600人が法人、企業の取締役クラスに納まっている実態を白日の下にさらす。
そもそも「天下り」の定義とは何か。著者は「出身省庁と関係の深い団体や民間企業に再就職すること」では甘いとし、「官僚機構による、組織的かつ保身的な斡旋や呼び寄せ行為」だと言い切る。
4500件の天下り先を見て、あぜんとする。天下りの受け皿用に作られたのではと疑問を覚える団体名が並び、出身省庁との癒着以外ありえないような民間企業の役員に天下っている例が列挙される。これらはあくまで中央省庁に限ったリストで、現実にはここにさらに地方自治体が抱える天下り先も加わるのだ。
その顕著な一例として記者が奈良支局時代に取材した奈良県の実態を紹介したい。
平成4年、天理市の市長と助役が市有地を企業に不正に転売、いわゆる土地転がしの疑いで県警に逮捕される。が、嫌疑不十分で不起訴処分となる。この疑惑に市民が立ち上がり、民事訴訟を起こす。最高裁は市長、助役の職権濫用(らんよう)による土地転がしと判断、両者に約12億円の支払いを求める判決を下したのだ。
この時、捜査を指揮した県警の刑事部長は事件直後、驚くべきことに同市の収入役に天下ったのだ。
「天下りは恥ずべき行為」。国民全体がこう認識しない限り“悪しき慣習”が無くなる日は来ないだろう。(PHP研究所・1890円)
評・戸津井康之(文化部)
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