25. 2010年7月28日 01:16:57: ZsUNOgGnko 辻元氏離党、支援者「ついに来たか」 地元大阪に波紋 2010年7月28日0時28分 社民党の辻元清美衆院議員(50)=大阪10区選出=の離党表明に、辻元氏を知る人や地元関係者の間に波紋が広がった。国土交通副大臣の経験を踏まえ、「現実との格闘から逃げずに仕事を進めたい」と語った辻元氏。今後は無所属で活動すると表明したが、選挙区事情も含め、民主党との関係に視線が集まる。 ■元私設秘書「実は現実主義の人、驚きない」 「初当選から15年。『社民党の辻元』として応援頂いた方に、おわびを申し上げなければなりません」 辻元氏の会見は、硬い表情での「おわび」から始まった。「昨夜は一睡もできなかった」と明かした後、離党を決意した経緯や思いを記した紙を取り出し、落ち着いた口調で読み上げた。党幹部に離党の意向を伝える前、沖縄を訪れ、基地問題の運動の関係者に直接思いを伝えたことを紹介し、「沖縄に関してはいささかも考えは変わっていない」とも強調した。 初当選した1996年の衆院選を前に、立候補を口説かれた土井たか子氏に話が及ぶと、「私の政治の母。お目にかかると決断が鈍ると思い、事前にご相談できなかった」とわずかに声を詰まらせた。 だが、会見で辻元氏は離党の意志の固さを繰り返した。「党の方には大変申し訳ないと思うが、党のための政治より国民のための政治。(離党)届を出した決意は固く、踏み切ったわけです」 社民党が連立を離脱し、国土交通副大臣を辞職した後、苦労しながら物事を実現させたい自身は「与党体質」、政権批判を強めた福島瑞穂党首は「野党体質」だという指摘を受け、納得したという。会見ではその言葉を引き、「私は大阪の商売人の娘。泥も呑(の)むけど、政策を実行できるようちょっとでも進もうという体質」と述べた。 辻元氏の地元、大阪10区は高槻市と三島郡島本町からなる。支援してきた野々上愛・高槻市議(32)=無所属=は離党届の提出に「ついに来たかと思った。(05年の)国政復帰以来、小さな党の中での役割分担に悩んでいた様子だった」。 辻元氏の元私設秘書(44)は「批判の急先鋒(きゅうせんぽう)のように受け止められているが、実は現実主義の人で驚きはない」と冷静に受け止めた。菅直人首相や枝野幸男・民主党幹事長らと勉強会で同席することが多く、辻元氏は「このメンバーなら市民に近い政権ができる」と話していたという。元秘書は「彼らと距離を置く状況に耐えられなかったのではないか」と推測した。 ただ、疑問を抱く関係者もいる。辻元氏の秘書給与詐取問題が起きて以来、距離を置く島本町議の一人は「地元にきちんと説明したのか。社民党が泥船になった状態で離れるのも理解しがたい。政権の外では政策を実現できないと言うなら、無所属になって何をどう解決するのか聞きたい」と話した。同町の元支援者の女性(55)も「小さな政党には小さな政党の役割がある。残念」と話した。 ■民主府連は「しばらく静観」 昨夏の衆院選で、民主党は社民党公認の辻元氏を推薦、ともに政権交代を訴えた。辻元氏は27日の会見で「(連立離脱した社民党にいると)今度は選挙で互いに攻撃しあうこともある。いろんな方に立候補する自由があり、苦悩していた」と述べ、民主党が対立候補を立てることへの不安があったことを示唆した。 ただ、今後は無所属で活動すると表明した辻元氏に対して、民主党の大阪府連幹部は「しばらくは静観だ」と慎重な姿勢を崩さない。 来春の統一地方選時に行われる大阪府議選で、辻元氏の地元の高槻市・三島郡選挙区(定数5)では、民主党は社民党の現職府議と戦うことが予想される。「衆院選で民主党が辻元さんの対立候補を立てるかどうかは、地元議員の意向が影響する。府議選の辻元さんの対応で変わってくる」(府連幹部)という。 かつて辻元事務所のスタッフだった川口洋一・高槻市議(35)=社民=は「社民党に残っても次の衆院選は厳しいし、無所属でも旧社会党時代からの古い支持者が離れ、厳しいだろう」と話す。川口氏自身も統一選での市議選を控え、辻元氏の「離党」に言葉を失ったという。「選挙で頼り切っていた面もあった。従来のような支援を受けるのは難しくなるだろう」 一方、2005年と09年の衆院選大阪10区で、辻元氏と議席を争った自民党の松浪健太・衆院議員は「権力を批判することで名をはせてきた方だけに、離党の理由がわかりにくい」と指摘した。 http://www.asahi.com/politics/update/0727/OSK201007270194.html |