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一律1割削減などの概算要求基準をめぐり、与党内からの批判が収まらない。
元気な日本復活特別枠も、2兆円から1兆円プラスアルファとなり、予算の大胆な組み替えは難航の兆しを見せている。
26日、菅首相は宇宙飛行士の野口聡一さんの訪問を受け、うれしそうに子どものころの夢を語った。
野口聡一さんは「本日、わたしのフライト中に撮影した富士山の絵を」と話した。
菅首相は「きれいですね。わたしも小さいころは、ロケットを作るか乗るかになりたいと思っていたですけどね」と語った。
そんな理系出身の菅首相のもとを訪れた野口さんには、こんな大人の事情があった。
野口聡一さんは「(宇宙関連の)予算が減っているところなので、よろしくお願いしますというような話はありましたけども」、「(それに対して、総理は?)そうですね、具体的な話はなかったですけども、財政厳しい折、がんばりますというような話をされていましたね」と話した。
歯切れの悪い理系首相、それもそのはずで、菅内閣には71兆円という重力が重くのしかかっていた。
政府は26日、閣僚委員会を開き、2011年度予算の概算要求基準の原案を了承した。
成長分野に重点配分する元気な日本復活特別枠の規模について、党側が要望していた2兆円の明記を見送り、1兆円を相当程度超えるという表現で折り合った。
民主党の玄葉政調会長は、「1兆円を相当程度上回る額と。わたしとしては、最終的に予算編成の過程の中で、2兆円を確保できるというふうに思っています」と述べた。
仙谷官房長官は、「特別枠の配分については、政策コンテストを、国民に開かれた形の公開手法で実施すると」と語った。
一方、ある民主党幹部からは、「要するに数字が一人歩きするのが怖かったんだろう。事業仕分けで3兆円とか目標額を言って、全然届かなかった。そういうふうにはなりたくないのだろう」といった声が漏れ聞こえた。
野党・自民党の片山 さつき参院議員は、「こういうふわっとした概算要求基準というのは、見たことないんですよね。やっぱり、おくわしくない方には、政治主導は無理。無理というのをね、実感いたしました」と述べた。
特別枠の財源には、各省庁に一律1割削減という厳しい削減圧力がかかることになった。
民主党関係者は「今の政権は、財務省の言いなりだ」と語った。
一律1割削減について、財務省主導と批判を繰り返してきた前原国交相は、「考え方は変わっておりません」と述べた。
政府は、27日にも概算要求基準を閣議決定する方針だが、難航も予想される。
菅首相は「あす、閣僚懇の中でいろいろ議論が出て、そういう中で大いに議論したいと思っています」と述べた。
菅首相は、予算編成でブラックホールにのみ込まれることなく、政治主導を貫けるのか。
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