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「アジアプレス ジャーナリスト 石丸次郎氏」 ※写真「暗黒夜考」より転載
http://blog.goo.ne.jp/tarutaru22/e/2d9e01933c716f48d201dc36efad7669
暗黒夜考〜崩壊しつつある日本を考える〜
2010年07月23日
「週刊大阪日日新聞」が止まらない 〜「北朝鮮の真実」最新記事〜
先日のエントリー(http://blog.goo.ne.jp/tarutaru22/d/20100718)にて紹介した「週刊大阪日日新聞」の最新記事が公式HPにてUPされたので、以下に転載する。
(転載開始)
◆北朝鮮の真実
特別企画 「大手マスコミが伝えない真実」 第2弾
2010/7/17
官製報道ではなく、現場取材で分かった内部情報
北朝鮮現場取材の第一人者 アジアプレス ジャーナリスト 石丸次郎氏からの最新情報
関連記事1 北朝鮮の真実 日本人の認識は本当に正しいのか
http://www.pressnet.co.jp/osaka/kiji/100703_01.shtml
関連記事2 北朝鮮庶民のホンネは? 「拉致問題」「反日感情」…
http://www.pressnet.co.jp/osaka/kiji/100703_02.shtml
北朝鮮現場取材の第一人者、アジアプレスの石丸次郎氏からの情報により、市場経済が発達する北朝鮮では民衆の心が金正日から離れているという実態が明らかになった。今週号ではさらに詳しく、庶民の生活現場の最新情報をお届けする。
《食料不足ではなく、目の前の米を購入できないのが問題》
・韓流ドラマの影響で[ソウル言葉]が流行
平壌(ピョンヤン)の若者たちの間では現在、韓流ドラマの影響でソウル言葉が流行しているという。「オシャレで格好いい」というのが理由だそうだ。『アイリス』や『推奴(チュノ)』などの新作韓流ドラマのDVDセットが1200から2500ウォン(100から210円程度)で活発に取引されている。
こうしたドラマがどのように北朝鮮国内に流入しているのか。石丸氏によると、まず韓国でドラマが放送されると同時衛星放送で中国でも見ることができる。このため、テレビ放映の翌日に中国では、不法複製品のDVDとなり市場に流出。これを中国にいる朝鮮族(約200)の人たちが安く購入。簡単にコピーもできるため、それが流れて北朝鮮に流入するという。
石丸氏は「何者かが政治的に北朝鮮に流入させようとしているのではなく、民衆の『知りたい、見たい』という好奇心が市場を形成しているのが実像だ」と話している。
一方で、ドラマを再生する機器は、VCD(ビデオCD)というメディアが流入している。このVCDは中国や東南アジアで10年前に流したもので、新品のプレーヤーで当時1000から1500円。映像画質はVHSの3倍モード程度。それが中国で大量に余ったため、二束三文でどんどん輸出され、北朝鮮国内で500から1000円で販売されている。
だが、石丸氏の最新情報では、哨戒艦沈没事件以降、北朝鮮の公安機関が韓国の文化や情報の流入に神経をとがらせているという。市場で、韓国の商標が付いた物は無条件で押収され、摘発されている。
「北朝鮮では春窮期を迎え、現在も満足に食事を取れない住民が多い中、住民の生活改善に力を注ぐことをまったくせず、こうした取り締まりばかりに熱心な公安機関に住民たちは不満を募らせている」と話している。
・リーマンショックの影響・北朝鮮にも
配給制がほとんど機能しなくなったことで90年代後半に200万から300万人という大量の餓死者を出した北朝鮮。だが、当局の手を離れ市場経済が活発化し、現在ほとんど餓死者はいなくなった。だが、リーマンショック(2008年)以降の庶民の生活状況は以前に比べ相当悪いという。
現実に、米を食べていた者は、米とトウモロコシを5対5に混ぜ、もともと半々で食べていた者はトウモロコシだけに。トウモロコシだった者は一番安いジャガイモに。ジャガイモも食べられない者はめんを炊いてかゆ状に膨らまし食べている。それも維持できない場合は3食を2食にするなどし、質と量を落として何とかやっているという。
ただ、この状況は決して北朝鮮国内の食料が不足しているからではない。経済的な非合理性が原因だ。なぜなら、現実は市場に行けばモノや食料がある。だが、ほとんどの民衆が失業状態にあるため、目の前で売られている米を購入できないのが問題なのだ。
それはなぜか。確かに商売することで生活レベルは以前より向上した。だが、経済難に陥っている当局による統制でその商売も簡単にできる環境にはないからだ。
・商売が簡単にできる環境にない
まず、北朝鮮では成人は職場にいかなければならない。職場にしばり付けることも人民統制になるからだ。自立経済を目指す北朝鮮には、コップ、紙、菓子から車まで全部自力でつくるという建前があるので、あらゆる分野の工場が存在するが、現実には工場は稼動しておらず、出勤した労働者は工場内をふらふらしているだけ。無論、仕事がないので現金収入もない。
さらに軍隊も同様だ。まともに食べることができず栄養失調がまん延している。泥棒をするなど軍紀は乱れ士気は低い。除隊して実家に帰っても家族は腹をすかせている。高級官僚は背後にもうける仕組みをたくさん作っているから別だか、民衆は軍隊で働くより商売の方が食べていける現実を知っている。
「06年頃から商売も統制してすごく厳しくしたんですね。商売するようになって忠誠心も希薄になり体制の言うことを聞かなくなった。原因を市場の拡大にあると見た体制側は度々『商売をするな!』と止めさせるわけです」(石丸氏)。
ところが商売を止めさせたからといっても配給はできない。だから金正日政権は緩めて絞めての繰り返しを行っている。では、どのように商売を統制するのか。まず、個人が扱える商品の品目と量の制限だ。例えば、服やコップなど国営工場で生産する物は全面禁止となったり、靴は一人何足までとしたり。それをオーバーすると没収されたり罰金を科せられている。商行為ができる女性の年齢を40歳以上に限定したりもした。
自由に商売させたらどれだけ生活レベルが上がるか。国営の流通システムがかつては動いていたが、今では商品が来ないからウインドーにあるのは飾り。あっても売らないものしか置いていない。国民はせっけんも靴下も必要。90年代に闇市ができ、どんどん大きくなって国民の需要を満たすようになった。市場を潰すわけにいかなくなったのだ。
こうなると、権力者たちは市場からもうけようと公設市場を作った。庶民らは国からスペースを借りて商店主として商売を始める。一人一人がオーナーで、闇市場がどんどん大きくなり公設市場になった。
<石丸氏に一問一答>
Q.庶民は何を希求しているのか?
一言で言えば自由を求めている。商売ができる自由。しゃべる、動く、人と会う自由。自由があれば豊かになれるとみんな感じている。
金日成が94年に亡くなり名実共に金正日(キム・ジョンイル)体制が始まったが、「どんな16年だったか」を北の人々に尋ねると、金正日に批判的なことを言わない人でも「失敗した16年だ」と答える。毛沢東の死後、中国が改革開放に進んだように、金日成の死で北朝鮮も「改革開放」に向かうと多くの人が期待していたのに、「改革開放」どころか、現実は金日成時代よりはるかに悪くなってしまった。労働党や軍の幹部までが「失敗した16年」だとはっきり思っている。これは北朝鮮の人々のコンセンサスになっていると言っていい。
日本をはじめ西側先進国の「北朝鮮イメージ」には大いに誤解がある。人民は洗脳されたロボットではない。上から「やれ」と押し付けられても、表面的には反対しなくても、不条理なことには言うことを聞かなくなっている。今や動員経済では動かない。やっているフリをしているだけだから結局、何も動いていない。市場経済化が進み、北朝鮮の民衆は暮らしていくために、自分の頭で考え、自分で決めて行動するようになった。国家に依存せず、自立した経済活動で食べるようになって人の意識は大きく変わった。
Q.改革開放に向かうには外部からの力も必要か?
そう思う。特に中国は大きな役割を果たす可能性がある。今の北朝鮮経済は、体制維持の経費も十分に工面できないぼろぼろの状態。そこに発展する中国からあらゆる分野の物資が入ってきた。また、北朝鮮の資源や海産物などに対する旺盛な需要 …引き合いがあり、「改革開放」へのすさまじい圧力となった。この10年間で、実質的に北朝鮮は中国に対して経済開放を始めたも同然。扉がこじ開けられたわけです。このように外部からの力で、北朝鮮が後戻りできない「改革開放」の道に引っ張っていく必要があると思います。
Q.権力者が市場でもうけている?
市場に公的物資や海外からの支援食料を横流ししたりするなど、市場は権力者にとっては富を生み出す場所。そしてもうけたお金で自分の家を豪華に飾るために内装工事をしている。
工事をするのに1日いくらで作業員を闇で雇うわけですが、今は不景気で仕事も減っている。一方、計画経済に固執する国にはもとから金がない。それでも国家体制を維持するには最低のコストがかかる。軍隊や警察など統制組織の維持はもちろん必要だし、電気がなくては電話もつながらない。それで金正日が「背に腹は変えられない」と非合法の麻薬密売や武器輸出などの黒いビジネスに手を染めたりするわけです。
Q.学校教育は?
人民統制の一つの手段として幼いころから思想教育を徹底しています。金日成−金正日を絶対とし、米国と韓国を敵視する教育です。だが、ここにも配給制の崩壊の影響が出ています。先生に給料も配給もまともに支給されていないため、「暖房費として何千ウォン持ってこい」などさまざまな名目を付けて生徒に金品を要求する。それを先生同士で山分けしている。また先生も食べていけないからアルバイトとして、個人教師や塾もこっそりやっています。学校という人民統制システムも弱くなりました。
(転載終了)
北朝鮮の国民生活の実態が、我々がマスゴミ報道を通じて耳にするものとはまったく”別物”ということがよくわかる記事である。
時を同じくしてというか、タイミングよくというか、今、金賢姫元死刑囚が突然来日し、新聞・TV報道は「拉致問題一色」である。今回の来日が拉致問題の解決のためなどではなく、”政治利用”であることは明白であるが、話が長くなるので、同問題については近日中に改めてコメントすることとしたい。
要は、北朝鮮という国家は、アメリカにも、韓国にも、そして日本にも「仮想敵国」として祭り上げられ、「政治利用」されるだけの存在ということである。
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