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参議院選挙の結果が映し出した民意とは何か――政治は政局に流されずに日本の未来図を示す時――(小泉龍司衆議院議員)
http://www.asyura2.com/10/senkyo91/msg/211.html
投稿者 忍 日時 2010 年 7 月 23 日 13:34:18: wSkXaMWcMRZGI
 

1.
(1)参議院選挙における民主党及び自民党の得票総数は次のとおりである。

(選挙区) (比例区)
民主党 2275万6000票 1845万0140票
自民党 1949万6083票 1407万1671票

(2)民主党の得票数は選挙区でも比例区でも自民党を上回るのに、獲得議席数は逆に自民党が民主党を上回ったのはなぜであろうか。
 それは3つの事情が重なったからである。

(イ) 地方の小さい県は1人区になっており、経済基盤が相対的に弱い地方圏では、菅総理の「消費税発言」が有権者の投票行動により大きな影響を及ぼしたと考えられる。この1人区で自民党は多くの議席を得た。
(ロ) 中規模の県は2人区になっており、ここでは民主党は2人の候補者を出した。この2人の得票数の合計は自民党候補を上回ったが、当選者は民主党一人、自民党1人となった。(民主党の得票数の多さが議席数に反映されなかった。)
(ハ) 大都市圏は3人〜5人の複数区になっているが、人口の割に議席配分が少ないため、やはり民主党の得票数の多さが議席数に反映されにくかった。因みに、蓮舫議員は東京選挙区で170万票を獲得したが、一議席にしかならない。


 結局、人口の割に議席が多く配分されている1人区で、自民党が優位に立った状況を、上記に述べた事情により、他の選挙区や比例区でくつがえすことができなかったために、得票総数と獲得議席の「逆転」が起こることになったのである。


2.中長期的な趨勢を見る場合には、こうした選挙制度の「くせ」が作用した(衆議院については、また別の意味の選挙制度の「くせ」があるが)結果としての議席数だけではなく、生の得票数も見ておく必要がある。
 ここで指摘しておきたいのは次の点である。

(イ) 自民党の得票数が選挙区、比例区ともに2000万票を下回り、特に比例区の得票が過去最低水準の1400万票台に落ち込んだ(従って比例区の獲得議席も過去最低となった)ことには注目しておく必要がある。
比例区の票はみんなの党に流れたと考えられる。
(ロ) 他方、2000年以降の衆参の地方区、比例区を通じて(2005年の郵政選挙の時を除いて)2000万票以上を獲得してきた民主党は、今回選挙区ではこれを維持し、比例区では2000万票を下回る、という微妙な結果となった。
2000年代の10年間を通して2000万票をほぼ基礎票(衆議院の1小選挙区当り約6万6000票)として固めてきた民主党であるが、今回は選挙区ではそれを維持し、比例区ではみんなの党への流出を許したということである。


3.こうした形で、議席数や得票数については種々の分析は可能であるが、では全体として、有権者は今回の参議院選挙を通じてどういうメッセージを政治に送ったのであろうか。
 それは、「与野党でよく考え、話し合え」というメッセージである。
 結局、有権者は政権与党に完全な承認を与えず、また他方、前与党・自民党にも復活できる程の力を与えなかった。第3極は総じて不信であり、みんなの党も躍進はしたが、得票率が20%を超えた日本新党の時のような大ブームを引き起こしたわけではない。
 永田町の中の枠組みの中だけで見れば、どこかの政党が増えればどこかの政党が減るのだから、当然「勝った。負けた」になるし、当事者としての政党や政治家は完全にその感覚の中に埋没するが、一歩離れ、冷静に国民の視点から眺めれば、どう考えても誰(どの政党)も勝っていないことは明白である。


4.有権者は冷静である。
 なぜなら目の前でデフレが進み、生活保障(雇用や社会保障)が揺らぎ、少子化は止まらず、高齢化は進み、財政赤字は拡大する。
 永田町が「勝った。負けた」の政局騒ぎをやっている場合ではないと、多くの有権者は感じている。
 誰が政権を担うかに、有権者の本質的な関心はない。
 この苦境からどうやって脱出するのか、どこへ向かって脱出するのか、その具体的方策をこそ、国民は待っている。
 「よく考え、よく話し合え」――その確かなメッセージを受け止める理性と危機感が、政治の側にあるのか。
 全政治家の責任が問われている夏である。

小泉龍司衆議院議員
http://www.ryuji.org/
 

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コメント
 
01. 2010年7月23日 15:20:01: L0TE8cTeWY
最近目に付く論調に「民主党の方が自民党より得票数が多い」というものがあります。
親記事でもそこから出発していますが、これは候補者数の違いを考慮しなければデータを見誤ります。

>民主党 2275万6000票(選挙区) 1845万0140票(比例)
>自民党 1949万6083票(選挙区) 1407万1671票(比例)
たしかに民主党の方が得票数は多いのですが、候補者数は選挙区で民主61人、自民49人。比例では民主45人、自民35人です。
つまり候補者一人当たりでみると選挙区は民主党 37.3万票、自民党 39.8万票となります。
比例でも名簿記載者票は一人当たり民主8.9万票、自民9.8万票です。

つまり選挙区でも比例でも、候補者得票数で民主党は自民党に負けています。
自民より得票数が多いから民主党は負けていないといったような論調には疑問を覚えます。


02. 2010年7月23日 15:40:52: BDDFeQHT6I
都市部の意見ばかりが通るのでは無く、人口の少ない地方の意見も反映されるという点で今の参議院選挙の区割りにも意義がある。
現に消費税増税論は疲弊した地方の反対表明が結果を左右した、総得票数の多寡をいうのであれば、選挙区など不要で一律全国区でやったら良いだろう。
今回の参院選の結果を見れば都市部では消費税問題は大きなインパクトとならなかった様だが、疲弊した地方経済には重要問題なのだということが選挙結果で顕在化した点で政治の眼が疲弊した地方経済に向くことを期待している。

03. 2010年7月23日 16:48:19: 1rwxPgqQVs
ちょっと分析が単純ではないかな。公明党は約800万票、小沢票は約500万票もあり、今回は公明党は自民を勝たせながらも山梨の輿石氏も勝たせています。小沢票は二人区の小沢さん支持者には入れたが、一人区は民主には入れなかったし、比例もかなり、国民新党やみんなの党に流れたと思います。小沢票は現在はもっとある可能性が在ります。ということは、公明党と小沢さんが組んだら自民も民主も全ての当落はこの両者に握られるということです。もう手を握っている気がします。輿石さんの当選は小沢さんが公明党に頼んだ結果でしょう。次の衆議院選挙が楽しみです。

04. 2010年7月23日 17:36:31: ZsUNOgGnko
自民、参院議員会長人事でバトル 林氏後任案に異論噴出
2010.07.23

 自民党の参院議員会長人事をめぐり、党内バトルが勃発している。参院執行部は当初、8月で任期切れの尾辻秀久会長(69)の後任に政策通で知られる林芳正政審会長(49)を充てる方向だったが、党内から異論が噴出。過去に例がない複数候補による会長選挙を模索する動きも出るなど、混乱に拍車がかかりそうだ。

 尾辻氏ら執行部は当初、林氏を会長に抜てきして若返りをアピール。国対委員長の鈴木政二氏(62)が林氏を支える幹事長、鈴木氏の後任に脇雅史前国対筆頭副委員長(65)をあてようとした。

 しかし、この人事案にかみついたのが、ベテランの谷川秀善参院幹事長(76)。執行部から外される形となるからだ。すぐに懐柔策として谷川氏を参院副議長に推そうとの案が浮上したが、今度は衆院側が反発した。

 衆院国対幹部は「与党の参院過半数割れに追い込み、今こそ野党共闘で参院議長をとりにいかなきゃならないときに、自民党から副議長を言い出すようでは、党が持たない」と批判する。

 一方、世代交代を求める中堅・若手からは、今回の人事の決め方を「長老の意をくんだ幹部主導の密室談合」と酷評する声が。ある中堅議員は「鈴木氏が森喜朗元首相や引退した青木幹雄前参院議員会長と相談してやっている。林氏はかつがれているだけだ」として、党重鎮らの暗闘に憤る。

 参院議員会長は党所属の参院議員による投票で選出。参院実力者が無投票で選ばれるのが慣例だが、これに反発する中堅・若手は林氏も含めた複数候補が出馬する会長選の実施を求める。

 その急先鋒の山本一太参院議員(52)はブログで、「『長老の思惑』なんて関係ない。選挙をしないで執行部を決める『談合プロセス』に入った瞬間に、国民に最も評判の悪い古顔が暗躍する舞台が生まれる」と痛烈に批判する。

 そのうえで、「何とか選挙にしたい。参院自民党が長老支配と派閥政治の体質から抜け出すために」と訴える。

 尾辻氏は21日の総務会で「あくまでもオープンな形で決める。(森氏ら)『外野席』からの意見は全く心配いらない」と述べ、事態を収拾しようとしたが、「参院のドン」青木氏の政界引退が皮肉にも混乱を招いている格好だ。

 会長選は8月11日に実施する方向だ。参院自民党は現在84人。ここから参院会長選への立候補に必要な推薦人15人を確保するのは容易ではない。 「参院議員会長といっても、どうせ野党なんだから誰でもかまわない。それに複数候補の会長選はしこりを残すだけだ」(自民党関係者)。

 こんな冷淡な声もあるが、果して長老議員らによる「談合」成立で出来レースになるのか。それとも中堅・若手が独自候補を擁立するのか。

 会長選の行方は今後の参院自民の主導権争いも絡むだけに、日増しにヒートアップしている。
http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20100723/plt1007231633002-n2.htm


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