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2010年07月21日
今夜は大雑把に日本の現在の政治環境と云うものを考えてみようと思う。素人の俯瞰図だから、所どころ歪んでいるかもしれない。(笑)
本来、政治を語る分類として有効な「政党」という括りが、現実には殆ど機能していないので民主だ自民の分類は意味がないだろう。思想と云う面を見ると共産党、公明党などは一定の方向性を持っているが、あくまで特定の政党と云う位置づけにならざるを得ない。つまり、政党による分類は意味をなさない。
日本の現在の政治的対立は、「どのような政治ファクターを基準に分類するか」で幾つかの分類の形が見えてくる。
先ずは「大きな政府・小さな政府」という分類だが、実は最近では小さな政府論は衰退している。米国オバマ政権でさえ、大きな政府を選択せざるを得ない状況。中国も英国もドイツもフランスの「大きな政府」に好みの別なくなっている。
つまり、世界的に「みんなの党」アジェンダは時代遅れなのである。(笑)小泉純一郎化している「菅・仙谷政権」も時代遅れなのである。世界的に市場原理主義経済は既に亡びているのに、国民は何を思って選んでいるのか、筆者には皆目見当もつかない。(笑)
「大きな政府」の機能を分散すると云う点に焦点が当たる場合もある。地方主権とか分権だ。理論的に悪い方向ではないが、国民により近い立場の地方に財源も権限も移譲する、 良いことだ。
しかし、落とし穴もある。委譲された受け皿の都道府県のあらゆる能力の優劣が問題として残る。どのようなブロックに区分けしようと、地方分権のリスクは残る。族議員が居なくなったと思ったら、地方勢力と云う族議員的圧力が政治を歪める可能性もある。
もっと判りやすい分類もある。「親米か隷米か」という分類である。我が国において「反米」という政治姿勢はグローバル経済の世界で孤立するので選択肢にはない。逆に「反中」も同様の理由であり得ないのである。
問題は戦後の米国との歴史的背景から脱皮するかしないか程度の差なのである。しかし、それが現実の政治では相当に大きな問題になる。鳩山・小沢ラインにしても「反米」では決してなかった。あきらかに彼等は「親米、日米同盟基軸」である。
ただ、本音のところで「米国、東アジア、ユーロ、ロシア」と等距離の外交姿勢を望んでいる部分はあっただろう。それを察知乃至は疑った米国の様々な勢力からバッシングを受けたのは事実である。
戦後から一貫して行われ続けている「米国による敗戦国支配」から脱却するかしないか、それを選ぶのは国民なのだが、それを考えない国民が多いのも事実である。
考えた上で、選択するぶんには問題はないのだが、見よう見真似で選択を誤ると「菅直人化」するのである。
筆者は米国による戦略的日本支配の構図があからさま過ぎる状況を憂いているのだが、それに気づく人々の数は2割程度なのだろうと危惧している。中には米国支配のもと、一蓮托生で崩壊しても構わないと云う人々が居ても良いと思うのだが、出来たら状況を理解した上で選択し、一蓮托生を選んで欲しいと望んでいる。*この米国による日本支配は項をあらためて語ってみたい。
もっと判りやすい対立軸もある。TVタックルではないが「親小沢・反小沢」である。(笑)たった一人の政治家を引っ張り出して対立軸にして、コラムに堂々と書けること自体、或る意味で奇妙な話だ。しかし、これは意外に判りやすい対立軸なのである。
筆者の知る限りの小沢一郎は「親米だが日本を普通の独立国にしたい」と言っている。つまり、「親米だが隷米はやめます」と言っている。
もう一つの対立軸として取り上げてもいい「脱官僚政治」「政治主導政治」も特長的だ。ただ、この脱官僚は菅・仙谷ラインも薄っすら標榜してしまう曖昧な線引きであり、彼らでさえ「政治主導」だと主張するのだから、対立軸としては不適当かもしれない。(笑)
小沢の場合、地方分権にも前向きだ。当然、セーフティーネットに力を入れる関係上、「大きな政府」とその権限機能分散・地方分権が含まれる。
おそらく、マスメディアのネガティブ報道に関わらず、民主党内の争いは「親小沢VS反小沢」に特化するだろう。余程悪辣な手でも講じない限り、代表選で「親小沢」が権力を奪取するのは間違いがない。
それが判っているだけに、マスメディアは必死の形相で「小沢ネガティブキャンペーン」を打つのだが、国民がそうだそうだと賛同しても外野の叫びであり、民主党内の選択、影響力は軽微だ。
となると、菅・仙谷ラインの出来ることは何だろう? 解散総選挙などと意味のない事を言っている人もいるが、今更まったく無意味だ。
民主党内で勢力を握り、参議院の勢力図を変えることが問題なのであって、衆議院の数は今問題の解決に役立たない。たしかに執行部としてカネを握っているし、公認権も握っているから親小沢に意地悪をする手もないではないが、枝野・安住・小宮山に己の議員人生を任せられる議員はいないだろう。反小沢も落選してくるリスクを負う程腹が据わった連中ではない。(笑)
筆者の予想は、以前のコラムでも書いたが「菅直人が小沢に土下座する」と云うものになるような気がしている。どのような土下座の条件を提示するかだが、菅直人には土下座に条件をつける権利はゼロだと主張する。
小沢一郎の政治的判断如何ですべてが決まるのだろうが、菅直人を除く全閣僚、執行部の解体だけで小沢政治が行えるのか、がカギになるだろう。多分、危なくて答えはNOだろう。
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