http://www.asyura2.com/10/senkyo90/msg/897.html
Tweet |
株式日記と経済展望
http://www5.plala.or.jp/kabusiki/kabu220.htm
http://blog.goo.ne.jp/2005tora/
--------------------------------------------------------------------------------
自給率41%は予算確保の為の数字であり、国内の農業生産額は
八兆円。これは世界五位、先進国に限れば米国に次ぐ二位である。
2010年7月20日 火曜日
政府と農林水産省が農業政策の指標としている自給率が、
もし「インチキ」だったら (BSフジ・プライムニュースより)
『日本は世界5位の農業大国』の著者の試算によれば先進国中3位
の数字だそうだが、こちらはほとんど話題に上らない。
◆農業者戸別所得補償制度:県内申請は4万2876件 制度存続に疑問の声も /山形 7月17日 毎日新聞
http://mainichi.jp/area/yamagata/news/20100717ddlk06010013000c.html
農林水産省が16日発表した県内のコメの戸別所得補償制度の申請件数は4万2876件だった。制度は生産費用と販売額の差額として10アール当たり1万5000円を定額補償する。米価が下がれば利益も減ることから、下落分も補償する二階建て方式。減反が条件だ。
稲作農家の所得と米価の安定を狙い、民主党などの連立政権が導入した。農水省は米農家に占める戸別所得補償制度の申請農家の割合を示す狙いで、09年度の水稲共済加入農家数も参考に示したが、山形県の加入農家数は4万1074戸で、形の上では農家数を上回る申請があったことになってしまった。この点について同省農業生産支援課は「共済に加入していない小規模農家も申請したからではないか」としている。
一方、独自に販売ルートを持ち、米を売る自信のある農家は減反せず制度に参加しない道を選んだ。6・5ヘクタールの水田で栽培する鶴岡市大山の農業男性(60)は、これまでも減反に不参加。農協を通さず産直で販売してきた。「戸別所得補償制度は経営難と後継者不足に悩む農家を救う根本的な解決策になるとは思わない」と話す。
男性に気がかりなのは、米の卸売業者の買い取りの動きが例年に比べて鈍いことだ。在庫米がだぶつけば米価の下落は避けられず、米価が下がれば国の補償額はさらに膨らみ財政を圧迫する。所得補償にかかるお金は、農水省予算の約4分の1に当たる年間5600億円を占める。男性は「米価が上がるとは考えられない中、いつまでも国が補償できるだろうか」と、制度の存続を疑問視している。【長南里香】
◆民主党の農家戸別所得保障政策は必ず破綻する(山下一仁) 7月10日 余丁町散人(橋本尚幸)
http://www.yochomachi.com/2010/07/blog-post_10.html
学士会会報(NO883)に、農水省出身山下一仁の学士会館夕食会での講演録が掲載されている。ニッポンの農業政策の基本的な問題点がよく分かる内容であり普通の人もぜひ読んで置くべきだと思うが、民主党の農業政策は悪名高いあの自民党の農業政策より更にひどいという。これは知らなかった。その部分だけ要旨引用:
EUの農政改革では高い価格を下げて直接支払いで補填した。価格を下げるので貿易自由化にも対応できる。
これに対し、日本のいまの民主党の戸別所得保障政策は、減反に参加する人に限って戸別保障をするので、高い価格の米価を維持した上に、更に財政負担で実質的に高い農家手取りを保障しようとするもの。
農地を修業農家に貸していた農家も、手厚い保護を受けられるなら農地を取り返して自分で耕作した方が利益になり、現に「貸しはがし」という現象が起きている。
小規模農家が増え、農業の規模は縮小し、コストが増える。コストが上がると戸別所得保障が更に増えるのでたいへんな財政負担となって行く。
民主党の戸別所得保障政策では、戸別所得補償金はいくらでも出して行くと言うことになっているが、ドーハ・ラウンドでほぼ決まっている合意ではそういうことになっていない。出来ない。
つまりドーハ・ラウンドでは、減反を条件とした直接支払いについては、1995年から2000年の間に出してきた額の平均以上は出せないことになっている。コメについては650億円。
ところが民主党の戸別保障政策で計上しているのは3371億円。WTO交渉が妥結次第見直さざるを得なくなる。
財政面でも、国際的な約束の面でも、民主党の農業政策はサステイナブルではない。
民主党の農業政策とは、まさに小沢流の「農家を買収さえすれば選挙に勝てる」という哲学を具現化したものにほかならない。しかしそれに乗せられて民主党に投票した農家も、後で泣き面を見ることになる。愚民政策は国を滅ぼす。
◆日本は世界5位の農業大国―大嘘だらけの食料自給率 浅川芳裕:著
http://bookweb.kinokuniya.co.jp/htm/4062726386.html
◆「日本の農業は弱い」なんて誰が言った?『日本は世界5位の農業大国』 4月14日 日刊サイゾー
http://www.cyzo.com/2010/04/post_4310.html
「食料の6割を海外に依存する日本」「農業人口急減で農家は崩壊寸前」「食料自給率の向上は急務」などなど、ここ数年、日本農業の行く末を危ぶむ報道がかまびすしい。しかし、政府と農林水産省が農業政策の指標としている自給率が、もし「インチキ」だったら......。本書『日本は世界5位の農業大国』は、この自給率に潜むカラクリを暴くとともに、日本農業の潜在能力の高さを説いたものだ。
では、食料自給率のどこがインチキなのか。国が国策として向上をうたう自給率には「カロリーベース」と「生産額ベース」の2種類があるという。僕らがふだん見聞きするのはもっぱらカロリーベース自給率で、最新値(2008年)は41%だ。一方の生産額ベースではどうかというと、07年で66%。著者の試算によれば先進国中3位の数字だそうだが、こちらはほとんど話題に上らない。なぜ、わざわざ自給率を低く発表し、国民の不安を煽るのか。
〈自給率政策によって、あたかも農水省が国民を「食わせてやっている」かのようなイメージが実現できるからだ。その結果、統制経済的で発展途上国型の供給者論理を正当化し、農水省予算の維持、拡大を図っている〉
たとえば、鳩山内閣が自給率向上政策の目玉とし掲げている「戸別所得補填制度」。これは「コメや小麦、大豆など自給率向上に寄与し、販売価格が生産費を下回る農作物を作っている農家に、その差額を補填する」制度だが、ここでいう「差額」とは赤字額のことで、「補填」に使われるのは約1兆円の税金だ。要するに同制度は、農家に黒字を出す努力を放棄させ、赤字を推奨する「農業の衰退化政策」にほかならず、税金のバラマキですらない。農家は弱くなればなるほど政治の力を必要とし、政府と農水省の影響力は担保される。
しかし、これは著者に言わせれば、「自給率」という呪縛が解けたとき、政治・行政主導によらない、自律した農業が実現するということでもある。そして、自給率に縛られているいまなお〈国内の農業生産額はおよそ八兆円。これは世界五位、先進国に限れば米国に次ぐ二位である〉。さらに、農業人口の減少が叫ばれているにもかかわらず、生産量は着実に増加しているという。つまり農業者一人当たりの生産性が飛躍的に向上したわけだ。
といった具合に、本書は農政を批判するだけに止まらず、ポジティブな視座も与えてくれる。日本の農業や食料安全保障を考えるうえで、目からウロコの一冊になるだろう。
「戸別所得補填制度」は農家に黒字を出す努力を放棄させ、赤字を推奨する
「農業の衰退化政策」にほかならない。小規模兼業農家が増えていく。
「戸別所得補填制度」は民主党のバラマキ政策である。
政治・行政主導によらない、自律した農業が実現できる。
(私のコメント)
日本の中央官庁は危機感を煽る事が大好きであり、政治家や国民を騙して予算を獲得していく。財務省の官僚も日本がギリシャのように財政破綻するといって消費税増税を企むのも同じような構造からだ。マスコミもまた官僚たちの言い分をそのまま報道するものが多い。マスコミのしてみれば危機感を煽った方が視聴率が稼げると言う事なのでしょう。
農家への戸別所得保証制度も「株式日記」でも何度か触れましたが、当初のプランとはかけ離れたものになりそうだ。本来ならば減反政策を廃止して専業農家に所得を保証しようという政策なのですが、実際に行なわれるのは減反に協力する農家への補助金のバラマキだ。従来とは違うのは農協を通さずに直接農家に給付するという事ですが、今まで米作りを止めていたところも補助金目当てに再開する所が増えたようだ。
これは民主党が農家を票田とみなして行なう政策ですが、今回の参院選挙では一人区のような農業県で民主党は惨敗している。戸別所得補償制度は従来の減反政策からの転換かと思わせたのですがカネの配り方を変えただけの減反政策だ。これでは農家からの支持も失ってしまうだろう。だから一人区でも惨敗したのだ。
昨日のたけしのTVタックルでも農業問題をやっていましたが、民主党の議員も農水官僚の出した数字を鵜呑みにして食料自給率を誤解している。確かに食料安全保障政策は分かりますが41%と言う数字がどのようにはじき出されているものかも知らないようだ。カロリーベースと言う所がインチキ臭いのですが、これは日本の農水省だけが出している数字であり、生産額ベースで計算すれば世界第五位の農業大国であるそうです。
◆減反政策をやめ、コメを増産し、コメを輸出すれば、食料安全保障に必要な農地を確保できるだけでなく、国際的な食料安全保障にも貢献できる。 2009年2月24日 株式日記
http://blog.goo.ne.jp/2005tora/e/3370d7eec2a8359226325ed80e23a71b
酪農や野菜は8割が専業農家で作っているのに、米だけは専業農家が4割にしかならない。6割が兼業農家なのですが、米は手間がかからず土日の作業だけでも米作が出来る。だから会社勤めをしながらの兼業農家でも成り立つのでしょう。米の生産高は50万円とか100万円程度しかならず、これで農家とは言えないだろう。
減反政策は6割を占める兼業農家のための政策であり、専業農家にとっては足枷となってしまっている。減反政策は米の生産調整をして米を高く売る制度ですが、兼業農家保護政策なのだ。決して米作農家の保護政策ではない。日本では兼業農家ほど恵まれた世帯はないだろう。兼業農家で一家心中をした人はおらず、農地という名の低課税不動産を持った土地所有者なのだ。
◆自民党も民主党も米作兼業農家を票田としてしか考えていない。減反政策を廃止して60キロ1万円の米ならば輸出できるようになる。 2009年5月4日 株式日記
http://blog.goo.ne.jp/2005tora/e/8efdcbf0b98ae93491fd85dac478ce60
民主党の農家への所得補償方式について賛成だと株式日記に書いた事がありましたが、参院選で大勝したとたんに当初の法案から大きく後退してしまった。選択的減反政策では米作の構造改革は進まず、コストの高い米作が続けられる事になる。そんな事が続けば補助金のバラマキは続けられることになる。農家の票田を金で買っているのだ。民主党の所得補償方式も農家の票を買うための手段だったのだ。
地方経済の活性化は農業の活性化にあるのですが、現在の農政では耕作放棄地を増やすばかりだ。減反政策の堅持は兼業農家には都合がいいのでしょうが専業農家を立ち枯れさせてしまう。農作物は相場の変動が激しいからアメリカの農家のような情報管理まで必要ですが日本の農家はパソコンさえ満足に扱えない。国際相場を見ながら来年は何をつくろうかなどという農家は日本にはない。
(私のコメント)
政治家は選挙のことしか考えないから農業のことよりも金をばら撒いて票を得ることしか考えない。農水官僚も農水予算を獲得する事しか考えない。予算を獲得して天下り先にばら撒いて肝心の農家には補助金は行かない。小沢一郎はそこを付いて直接農家に金をばら撒く事で去年の衆院選挙で民主党が大勝したのですが、無責任なばら撒き政策であることを見抜かれてしまったようだ。
◆民主党の「戸別所得補償制度」は実質的に食管制度の復活になる。減反政策もそのままで小規模兼業農家への補助金で票を獲得した。 2009年10月23日 株式日記
http://blog.goo.ne.jp/2005tora/e/06a94e4e3c837ac1f309cfa2a7fb6203
昨日のクローズアップ現代で民主党の赤松農林大臣が出ていて農家の戸別所得補償政策についてやっていましたが、私が考えていたものとはだいぶ異なる政策のようだ。赤松大臣の話では減反政策も続けて生産費と市場価格との差を国が補填すると言う事ですが、わかり易く言えば以前行なっていた食管制度を復活させるようなものだ。
民主党の戦略としては農家の支持を集めるには戸別所得補償制度のような政策が必要だった。自民党の農業政策は農協や農業団体にお金を出して農家には直接カネは回ってこなかったが、民主党の戸別所得補償制度は直接農家に補償金を渡す制度だから農家の支持を集めた。公共事業でも予算が回るのは建設会社ばかりで地方住民には回ってこなかったのと同じだ。
アメリカでもヨーロッパでも農業の大規模化が進んだのは戦後であり、大型耕作機械が普及した事で農業の大規模化が進んだ。しかし日本では田畑が小規模なまま機械化だけが進んだ。だから1年に二週間しか耕作機械は使われずに後は倉庫に眠っている。数百万円もする耕作機械を二週間しか使わないのでは米作りのコストダウンは進む訳が無い。
フランスでは30年余りで農家の戸数は三分の一に減りましたが、日本も高齢化が進んで農家の戸数が減ってくる状況になっている。だから大規模化と専業化を進めるには絶好のチャンスなのですが、民主党の戸別所得補償制度は小規模兼業農家を増やす結果になるだろう。経費の他に労働費まで認められて他の産業並みに費用を上げていけば米作りほど割りのいい仕事は無いからだ。その前に日本の財政はパンクするだろう。
(私のコメント)
日本で適切な農業政策が行なわれれば、現在でも世界第五位の農業大国なのだから、自動車や家電産業並みの農業大国になる事が出来るだろう。近代国家でなければ近代農業が育たないのは自明の事だ。経済大国=農業大国の図式が成り立つのですが、農林官僚たちは日本の農業を遅れたものと捉えている。
ネックになっているのは6割を占める兼業農家ですが、民主党が行なう戸別所得補償制度は早くも農民から不信感をもたれてしまっている。赤松農林大臣は二世議員であり口蹄疫問題でも外遊を優先させて口蹄疫を拡散させてしまった。二世議員は東京生まれの東京育ちが多くてボンボン議員で農業や酪農の事は良く知らない。だから農林官僚の数字に騙されてしまうのだ。
BSフジのプライムニュースで浅川氏が説明していた所では、食品の半分近くが食べられずに廃棄されている分も含まれているし、食べない油などの分も含まれていて、実質のカロリーベースでは53%になるそうです。自給率の数字自体2003年のものでありオランダなどの最近の数字は日本より自給率が悪くなるらしい。官僚は都合の悪い数字を隠してしまう。
この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます(表示まで20秒程度時間がかかります。)
▲このページのTOPへ ★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK90掲示板
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。