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「検察は訴因を操作している(EJ休日特集号/003)
本号はEJの「休日特集号」です。EJ第2857号において
「ジャーナリズム論」は7月9日をもって終了することをお伝え
し、20日からは新しいテーマについて書くことをお約束しまし
た。しかし、「ジャーナリズム論」は7月23日まで継続するこ
とにします。
というのは、民主党の小沢一郎前幹事長の資金管理団体「陸山
会」をめぐる政治資金規正法違反事件で、東京第1検察審査会は
15日、平成19年分の政治資金収支報告書への虚偽記載容疑に
関し、不起訴処分になった小沢氏について「不起訴不当」と議決
したと公表したのですが、その報道において、あまりにもメディ
アが事実と違うことを伝えているので、それを正しておきたいと
考えたからです。
第1検察審査会の今回の「不起訴不当」は、第5検察審査会が
出した「起訴相当」に比べると、一段と軽い議決なのです。なぜ
かというと、この「不起訴不当」は検察に再捜査を求める点では
第5検察審査会の「起訴相当」と同じですが、再捜査の結果、検
察が再び「不起訴」を出すと、それで終了なのです。検察は間違
いなく「不起訴」を出すはずです。
「なぜ、そんなことがわかる?」といわれるかもしれませんが
検察がここで起訴処分にすると、第5検察審査会に対して出した
「不起訴」と整合性がとれなくなってしまうのです。
もともと小沢一郎氏を一番起訴したかったのは検察なのです。
そのため、かなり前から小沢氏を捜査してきており、最後の詰め
として現職の国会議員──石川知裕氏を逮捕までして、必死に捜
査したのですが、起訴できなかったのです。それを素人同然のグ
ループが短期間調べて「不起訴不当」を出してきても、検察とし
ては起訴できるはずがないからです。
普通の感覚を持つ新聞社であれば、そういう事情に基づいて第
1検察審査会の「不起訴不当」は「軽い」扱いにするはずです。
しかし、産経新聞は、この事件を一面トップで大きく扱い、2つ
の「主張」(社説)の上の段に「検察は『追及不足』を晴らせ」
というタイトルの記事を書き、第3面にも第5面にも関連記事を
掲載し、第25面には紙面の半分以上も割いて、「国民目線“ク
ロ”判断」のタイトルでこの問題を扱ったのです。これはあまり
にも異常なことであると思います。
産経新聞は、かつて小沢氏を「小沢容疑者」と書いてトップが
民主党に詫びを入れた勇み足もあり、小沢氏に対していささか感
情的です。これほどはひどくなくても他のメディアも似たり寄っ
たりの報道であり、小沢氏の印象が限りなく“クロ”になってい
ます。これには「どうしても小沢を潰してやる!」という強い意
思を感じます。
われわれのアタマの中には、知らず知らずのうちに次の2つの
前提が刷り込まれており、それによって物事を判断しています。
―――――――――――――――――――――――――――――
1.検察は社会の悪に立ち向かい、正義を実現する集団であり
そのやることにいささかも間違いはない。
2.新聞は不偏不党の精神に基づき、地道な取材を積み重ねて
事実に基づき、正しい記事を書いている。
―――――――――――――――――――――――――――――
この前提で考えると、小沢一郎という政治家は「カネに汚い政
治屋」になってしまうのですが、小沢氏について書かれている多
くの本を読む限りにおいて、彼はそういう政治家とは正反対の人
物であることがわかります。
しかし、今回の小沢捜査をめぐる検察のやり方を見ていると、
残念ながら、上記1の前提が崩れざるを得ないのです。それは次
の2つの本に読むことによって一段と強くなると思います。なぜ
最近冤罪事件が多いのか、その原因がわかります。
―――――――――――――――――――――――――――――
◎江副浩正著/中央公論社
『リクルート事件・江副浩正の真実』
◎佐藤栄佐久著/平凡社
『知事抹殺/つくられた福島汚職事件』
―――――――――――――――――――――――――――――
リクルート事件については、EJでご紹介したように、検察の
取り調べには多くの疑問があります。福島汚職事件も現在進行中
の裁判ですが、裁判が進行するにつれて、こちらも限りなく冤罪
に近くなっています。
これらは両方とも被疑者の書いた本ですが、事実に基づいてき
わめてていねいに記述されており、冤罪はこのようにして作られ
るのかということがよくわかるのです。
前提2についても、ここまで書いてきたように日本のメディア
には多くの問題があります。とても不偏不党の精神に基づいて公
正に記事を書いているとは思えないのです。
それは官邸機密費がマスコミに渡っているのではないかという
疑惑に対してメディアはいっさい報道しないことによって、明ら
かです。メディアは自分たちに都合の悪いことはいっさい報道し
ないのである、と。
小沢事件は何かが仕組まれています。5月に第5検察審査会の
出した「起訴相当」と7月に第1検察審査会の出した「不起訴不
当」──まるで別々の公訴事件のようです。事情の知らない人は
「小沢というのはいろいろ悪いことをやっている」と思ってしま
うでしょう。
しかし、これは同じ事件なのです。なぜ、一本化して審理しな
いのか。そんなことをしているのに、検察と裁判所は、大久保秘
書を西松建設・ダミー献金公判の訴因を変更し、それとは別の事
件である今回の事件と一緒にして審理しようとしているのです。
まったく矛盾しています。それは訴因変更しないと、大久保被告
は無罪になるからです。検察は村木事件でも佐藤栄佐久事件でも
同じことをしています。これはとても公正な裁判とはいえないで
しょう。このことはメディアでは報道されないので、一般には知
られていませんが、検察も自分たちに都合のよいように裁判を動
かしています。 ──[休日特集『ジャーナリズム論』/03]
≪関連情報≫
●検察審査会とは何か
―――――――――――――――――――――――――――
検察審査会とは、検察官が独占する起訴の権限(公訴権)の
行使に民意を反映させ、また不当な不起訴処分を抑制するた
めに、地方裁判所またはその支部の所在地に設置される、無
作為に選出された国民(公職選挙法上における有権者)11
人によって構成される機関。 ──ウィキペディア
―――――――――――――――――――――――――――」
http://electronic-journal.seesaa.net/article/156767158.html
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