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<ワシントン報告>米国の自信に陰り
2010年7月18日
普天間飛行場の辺野古移設を決めた5月末の日米共同声明の発表から1カ月半が過ぎた。自信満々、余裕綽々(しゃくしゃく)だった米政府の姿勢に最近、少し陰りがみられるようになっている。
声明発表当初、米側の反応は満足感にあふれていた。それはそうだろう。移設先は辺野古に戻り、その他の項目でも、米側に新たな義務を課すようなものはほとんどなかったのだから。沖縄の反対など、頭の隅に追いやられたようだった。「地元の理解もないのに、なぜ実現できると信じるのだろうか」。その自信の根拠が知りたく、この1点をあらゆる日米関係者に聞いた。
返ってきたのは楽観的で強気な答えだった。「負担軽減すれば(県民に)感謝されるし、いずれ民意も安定する」(国防総省高官)、「沖縄にはあらゆる意見がある。反対派は一つの側面にすぎない」(国務省高官」、「沖縄のことは日本政府の仕事。われわれとは関係ない」(別の同高官)。
ところが、そんな態度に変化が訪れている。日本政府が参院選での争点回避を理由に、協議延期を求めてきたからだ。ある関係者は「1カ月前は確かに楽観的だった。だが日本が選挙までの延期を求め、さらに岡田克也外相が8月末に決めるのは複数案でいいと言い出した。11月の知事選が近づけば、今度は『11月まで決めない』と言い出すだろう。もうどうなるか分からない」と焦りを隠さない。
現行案を強力に推進していた元高官の一人は、沖縄で日増しに強まる反発を懸念し「沖縄を過小評価すべきでない。これから困難な壁にぶち当たるから、政府はこの問題に敏感になるべきだ」と地元配慮を促す。
「米国の自信が揺らいできている」。そんな空気をワシントンで感じている。
◇ ◇
米政治の中枢ワシントンで基地の島・OKINAWAはどう位置付けられているのか。与那嶺路代本紙特派員が硬軟の話題で核心に迫ります。(随時掲載)
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