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参院選の結果が出て1週間が過ぎた。参院で過半数を割った民主党を率いる菅首相だが、その進退は極まっている。前門には参院選の責任追及が、後門にはねじれ国会が待ち受けている。同じ負けたにしても、昨年の衆院選と同じ「国民の生活が第一」の旗を掲げて負けたのならば、民主党全員の共同責任。処が、その旗を降ろした上に、消費税増税の話を持ち出してずっこけたのだから、求心力が働くとは思えない。
処で、菅首相や執行部のこの1週間の動きや発言に、首をかしげることが多すぎる。
第一が千葉法務大臣の留任。大臣の選挙での敗因は、国民が望んだ「取調べの全面可 視化」を後退させたこと。また、留任させた理由が、大臣を解任するとドミノ式に党 執行部から菅首相に、参院選敗北の責任を追及されるのをおそれた、と新聞に書かれ ている。これが事実だとすると、政権党の責任の取り方が分かっていない。
次に分からないのが、国家戦略局構想の断念。官民の人材を集め、長期的な国家戦略 を立案実行する、政治主導の中枢組織になるはずだった。その断念の理由が、大臣を 置くと、官房長官や財務相との役割分担が上手く行かないと言うのだ。政治主導を放 棄し、官僚機構の維持を優先させると言うのだから、国民に対する背信行為。政策論 議は好きだが、政治信念が揺らぐ旧民主党系議員の姿だ。偽メール事件を思い出す。
そして、最も分からないのが、首相が記者団に「小沢さんにもお目にかかりたい」と 話したことだ。会って、自らの消費税発言などで厳しい選挙になったことについて報 告し、小沢氏の意見を聞きたいと云う。本当にそう思うなら、記者団に話すことでは ない。黙って密かに会えばいい。それより、「国民との約束を守れ」と言われたこと を無視したことを、有権者や落選した仲間に謝る方が先だろう。なぜ、そう言うか。
民主党政権は「国民の生活が第一」と言い、国民の側に立って、「明治以来100年余続いた官僚主導体制を改革する」と言って登場した。処が、菅首相が掲げたのは、消費税を上げ「強い経済」にして、「強い財政」を成し遂げたら「強い社会保障」をすると言うもので、官僚の側に立って国民に負担を求める政策であった。これを修正しない限り、小沢氏の信念はぶれていないのだから、会っても意味がない。
14日の毎日夕刊に、民主党高嶋良充参院幹事長が「小沢さんがやりたいことは政治改革、行政改革、地方分権の三つ。行政改革が道半ばなのに、なぜ消費税なんだと思っている。地方分権も進んでいない。菅さんは官僚の手のひらに乗せられている人だからだめなんだと思っているでしょう」と語っている。政治家小沢一郎は、野党時代から全くぶれていない。そこが与党になって変節した旧民主党系の議員と違う処だ。
前述の千葉法相などは、野党時代の旧民主党が「自由闊達な議論の場」であったことを理想化して、小沢氏が自由闊達を壊したと暗に非難したそうだ。だが、毎日新聞の金子秀敏専門編集委員は、「菅首相も枝野幹事長もさきがけ出身だ。さきがけは自民党と親和性があり、自民党と長い確執を続けた小沢氏とは体質が違う」と言う。つまり民主党で、自民党的体質から一番遠い位置に立つのが、小沢氏だと言うのだ。
また、ジャーナリストの田中良紹氏が、下記URLのコラムの最後に、「民主党がコペルニクス的転換をして国民の前に現れたのが3年前の選挙である。民主党が変わったから国民は民主党を支持して政権を取らせた。ところが民主党はそれ以前の民主党(旧民主党)を民主主義的だ、と思い、それが国民に支持されると思い込んでいる。悩ましいことが起きるのはそこに原因がある」と書いている。今の状況がそうだ。
つまり、旧民主党系議員には思い違いがあると指摘している。その思い違いが起こす発言・行動から、今の民主党が「第二の自民党」に見える。第二自民党の中枢を占める役員の多くが、旧民主党系議員である。「国民の生活が第一」を忘れた民主党議員は自民党でもみんなの党にでも移って貰いたい。3年前の参院選挙と昨年の衆院選挙で当選した民主党新人議員は、「第二の自民党」を目指した訳ではないはずだ。
3年前、自民党が参院選で敗れた直後、安倍首相は続投を表明した。当時、自民党は衆院で三分の二の議席を持っていたが、それでも3ヶ月に政権を放り出した。菅首相と執行部は、生き残りを懸け、水面下でいろいろと工作をしているのだろう。だが、海千山千の自民党など野党との交渉が簡単に行くとは思えない。真の政治力が試されているのだが、そこで政治理念を捨てるなら、その行き先は見えている。
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