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kyoルームより
http://ameblo.jp/aratakyo/day-20100715.html
2010年07月15日(木)
竹中金融庁が生んだ木村日本振興銀行
竹中平蔵との「劇薬コンビ」と呼ばれた不良債権処理のプロ、木村剛。
その逮捕容疑が正当かどうかはともかく、彼がつくった日本振興銀行は、そのなりたちから胡散臭さがつきまとっていた。
まずは、時系列で、設立までの過程を追ってみたい。
すべての始まりは2003年2月12日、東京青年会議所の例会で、パネリストとして招かれた木村剛が「20億円集めればすぐにでも銀行をつくれる」と発言したことだ。
その前年の2002年9月30日、金融担当大臣に就任した竹中平蔵は、金融再生プログラムをとりまとめる「竹中チーム」の切り札として、木村をチームの中核に起用していた。
出席者の一人、卸金融のノンバンク「オレガ」の落合伸治や、東京JC理事長だった平将明(現自民党衆院議員)らが、たちまち銀行設立に乗り気になった。
落合は20億円を用意、平将明はJC会員約90人から1億円を集め、03年4月10日、銀行設立の準備会社「中小新興企業融資企画株式会社」が設置された。
問題の契約が交わされたのは5月1日のことだ。
木村が社長をつとめる金融サービスの総合コンサルティング会社KFi(旧KPMGフィナンシャル)と、中小新興企業融資企画株式会社とのコンサルティング契約である。
「銀行業の営業の免許の取得申請を行うに際して必要なサービス、アドバイザリーサービスを提供する」という内容。
「金融庁との交渉戦略」という表記もある。報酬は1億円。
木村はこの年の8月20日まで、金融庁の顧問だった。銀行設立申請を受けて、審査する金融庁側の人間だ。
審査する側の人間が、審査される側のコンサルを1億円で引き受けたことになる。
木村は8月20日、日本振興銀行の予備免許申請と同時に金融庁顧問を辞任した。
それまで金融庁への事前相談は一切ない。過去に類例のないケースだった。ただこれも、自作自演の出来レースと考えれば合点がいく。
日本振興銀行は翌04年4月15日に本免許を取得、4月21日、開業した。これまでの間、竹中氏はずっと金融担当相のポストにいた。当然のことながら、木村氏の一連の動きを知らなかったはずはない。
その後、木村はKFiの社長をやめ、日本振興銀行の社長に就任。KFiに3億9千万円を金利3%で融資した。
日本振興銀行は、ミドルリスクローン、すなわち8%〜15%の利息で融資し利益を出すというスキームの金融機関だ。それを社長関連の会社には3%で貸し付けた。
さらに、2005年には、木村の妻が社長をつとめるウッドビレッジという会社に金利3%で1億7875万円を融資した。この会社は1600万円の年商しかなく、木村氏所有の日本振興銀行株5500株が担保として差し入れられている。
そもそも日本振興銀行は原則1億円を融資の上限としていたはずだ。しかも売上にそぐわない融資額。この、本来ありえない融資が、木村のもとで実行された。
この問題を、再三にわたって、国会で追及したのが馬淵澄夫(現国交副大臣)だ。
06年02月14日、衆院予算委員会。 以上のような問題に関連し馬淵は、当時の金融担当相、与謝野馨に金融行政のあり方をただしたあと、総務大臣になっていた竹中平蔵に問いかけた。
「竹中総務大臣が銀行設立当時、担当大臣でおられた。・・・04年の7月8日に新橋の駅頭での演説で、竹中さんはこういうふうにおっしゃった。私が立候補を決めたときに、私の気持ちを一番理解してくださったのは木村さんであり、一緒に仕事をしている担当副大臣の伊藤達也さんだったと思います、三人でスクラムを組んでやっていきたいと。これを国民はどう思うでしょうか」
演説の録音をもとに馬淵氏は発言している。日本振興銀行開業直後の演説時点で、竹中氏は木村氏を信頼しきっていたことをうかがわせる。
馬淵の質問に対する竹中の答弁はこうだった。
「あのときはたしか伊藤さんと木村さんと私と三人で対談のようなことをやったんだと思います。スクラムを組んでと、三人でやっていましたのでそのように申し上げたのだと思います。いずれにしましても金融行政、信頼が基礎であると思います。その信頼に向けてこれまでも金融庁は汗を流してきたと思いますし、今後とも、また現在もそのような形でしっかりと金融庁は対応しているというふうに私は思っております」
日本振興銀行は高利回りをうたい、預金量は増えたが、営業力不足で肝心の中小企業向け融資はさっぱり。赤字が続き、商工ローン大手「SFCG」などからの債権買い取りビジネスに飛びついたため、深みにはまった。
国家権力を味方につけた金融のプロ中のプロが、若手経済人たちとともに設立した銀行でさえ、私物化のような取引や、悪魔的なビジネスに手を染めるようなことが起きる。
新銀行東京も似たようなものだが、いくら無担保でも8%〜15%もの利息をとられる融資には、よほど資金に困っている企業しか飛びつかないだろう。
もともとのスキームに問題があると考えられなかったとしたら、エリートたちの机上の空論の産物が、日本振興銀行だったことになる。
新 恭 (ツイッターアカウント:aratakyo)
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