http://www.asyura2.com/10/senkyo90/msg/657.html
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(回答先: 小沢おびき出し→検察審議会「不起訴不当」:日本は“有事”(デフコン2)状態にあるようだ: ジャパン・ハンドラーズと 投稿者 black9 日時 2010 年 7 月 15 日 22:40:36)
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20100715-OYT1T00931.htm
小沢氏「不起訴不当」検察審の判断部分全文
小沢一郎・前民主党幹事長に対する東京第1検察審査会の議決要旨の判断部分全文は次の通り(敬称略)。
【証拠関係の検討】
(1)Aの供述について
収支報告書への具体的な記載については、担当秘書であったC、Bらが行っており、これに関する被疑者(小沢前幹事長)の関与及び認識の有無・程度も自分には分からない旨供述しているが、陸山会の会計責任者という立場でありながら、その虚偽記載等の事実が発覚した場合に、最悪の場合、代表者の政治生命が絶たれることもあり得ることも併せ考慮すると、秘書らが勝手に処理したというようなことは考えられないことから、その点についてのAの供述は信用できない。
(2)Cの供述について
Cは、陸山会の04年分の収支報告書の不記載等の理由、同収支報告書の不記載等について被疑者に報告して了承を得た旨述べており、この供述の信用性は相当高いものと思われる。
検察官は、党の代表選挙の時期が本件土地の資産計上等を1年繰り延べた理由にはならないなどとして、動機に関するCの供述の信用性に疑念を呈するが、4億円の原資を隠さなければならないと考えたCが、事実関係が表に出ることを少しでも遅くしようと考えるのは不自然ではなく、特に信用性が損なわれるとは思えない。
また、検察官は、Cが被疑者に対し、どのような場面で了承を得たのか具体的な供述はなく、それに対する被疑者の応答も「おう、分かった」などというものであるから、被疑者がどこまでCの説明を理解していたのかも定かではないと述べて、共謀の状況に関するCの供述の信用性に疑念を呈するが、被疑者とCの上下関係を考えれば、Cとしては、被疑者が理解していることを確かめながら報告をして了承を求めるはずであり、被疑者の返答もそのことを前提にしたものと考えることができる。
(3)Bの供述について
Bは、本件被疑事実である07年分の収支報告書について、「先生に返済しました4億円については収支報告書には載せませんので」と報告したところ、被疑者が「そうか、分かった」と答えて了解したことを供述している。Bの立場も、前述したCの立場と全く同じであり、被疑者が理解していることを確かめながら報告をして了承を求めているはずである。
(4)被疑者が収支報告書提出前に、C及びBから、その原案を示され、説明を受けていたという事実について
被疑者は否定するが、C及びBは、収支報告書提出前に被疑者に原案を示して説明した旨供述している。「小沢先生の決裁を得た」という以上、被疑者がある程度は内容を理解していることが前提であると考えられるし、被疑者との間の上下関係を考えると、もし理解も得ないまま「決裁を得た」などと言えば、後日被疑者から叱責(しっせき)を受ける可能性があるので、Bらがある程度詳しく内容を説明していることが十分推認できる。
(5)銀行からの4億円の借り入れに際し、被疑者が融資申込書や約束手形に自署している事実について
検察官も指摘するとおり、年約450万円という金利負担を伴う経済的に合理性のないこの借り入れの目的は、Cが供述するように原資隠蔽(いんぺい)以外にあり得ないことは、通常人であれば誰しも考えることである。
加えて、4億円もの大きな金額の借り入れに際して、手形に自ら署名していることについて、何の説明も受けることなく求められるままに書類に署名した、というのも、いかにも不自然である。検察官は、この事情が収支報告書への不記載とどこまで結びつくかについて疑義があるとしているが、今回のケースでは、被疑者が提供している資金について、その原資を隠蔽するという動機があったことは、Cの供述から明らかであり、そのような理由であえて経済的合理性を欠く行為を行っている点において、被疑者も同じ動機を共有したという根拠にはなりうる。
(6)被疑者事務所にD社から資金提供があったという事実について
D社関係者は、D社から被疑者事務所に資金提供をした旨供述するところ、その供述は具体的であり、その本人のみしか知り得ない事情も含まれていて、その信ぴょう性はかなり高いものであると言える。
この資金提供の事実の存否は、一見すると本件の虚偽記載等とは直接結びつくものではないが、4億円の原資を隠蔽する必要性があったことの根拠に十分なりうるものであり、被疑者がCらとの間で動機を共有していることの裏付けになる事情である。
(7)07年2月の記者会見等について
被疑者は、07年2月20日、本件土地購入に関し記者会見を開いて釈明したこと、また、同年5月に自ら現金で4億円の返済を受けていることが認められる。
被疑者が4億円という大金を直接受領しておきながら、その処理手続き等に何らの関心も持たないということは通常は考えられないことである。被疑者が現金4億円の返済を受けたという07年5月といえば、「事務所費」についてマスコミが取り上げて、釈明の記者会見が行われたり、週刊誌の取材があった時期のすぐ後である。このようなタイミングで、問題となった「事務所費」とほぼ近い4億円の現金の処理について、被疑者が無関心でいられるとは考えられない。
これらの事情は、被疑者が政治資金収支報告書の記載内容について重大な関心を抱かざるをえないことを示しており、その後に作成提出された07年分の収支報告書については、「秘書に任せていた」というそれまでの弁解が一層不自然なものとなることは明らかである。
【結論】
(1)以上のとおり、検察官が嫌疑不十分の理由としてあげる事項については、被疑者との上下関係からみて秘書が独断でなしうるとは考えられない事柄であったり、被疑者の置かれた客観的状況と整合しない無関心を示す事柄であると言わざるをえない。このまま不問に付してしまえば、「秘書に任せていた」と言えば済んでしまうのか、という不満が残り、司法手続きに対する信頼を損なうことにもなりかねない。
(2)当検察審査会としては、検察官の本件不起訴処分は、上記のような見地から再検討されるべきであると考える。その際、特に次の各点について再捜査を求める。
ア 本件の動機に重大なかかわりがあると思われるD社からの資金提供について、これを否認するCに対する取り調べを含む、更なる追及をすること。
イ A、C、B、そして被疑者について、自分の行動を記録しているはずの手帳やメモ等の提出を求めて、それに基づいて事実関係の裏付けをとること。
ウ 被疑者に対する取り調べは、回数もわずか3回であり、調書の内容も「秘書がそんなことを言っているとは信じられない」で終始している感があるなど、追及不足という印象を免れないので、改めて、詳細な取り調べを行うこと。
(3)これらの再検討、再捜査を経ない限り、検察官の不起訴処分を支持することは到底不可能であり、本件不起訴を不当と考える次第である。
【最後に】
当検察審査会が、本件一連の審査を行ってつくづく感じたことは、政治資金規正法は政治家にとって都合のよい、いわゆる抜け道が多くあるということであった。同法第1条に規定される目的によれば、同法は、「政治活動が国民の不断の監視と批判の下に行われる」ために、係る政治資金の収支の公開等の規正等の措置を講じて、政治活動の公明と公正を確保し、民主政治の健全な発達に寄与することにあるとされているが、それには、政治家自身が、「公開された内容を知らなかった」などと言って責任を免れることを許さない制度を構築すべきである。それを達成するために、例えば、収支報告書を提出する際、宣誓書には、代表者の署名・押印を必要的記載事項とするなどの規定に改正できないかということである。そうすれば、本件のような会計責任者、同補助者と代表者との共謀の有無について問題となるような事案は少なくなるはずである。
本件の再検討・再捜査が行われて公開の場で事実関係が論じられること自体が、同法をより実効的なものに発展させていく一助になると確信する。
◇
議決中のAは小沢氏の元公設第1秘書で陸山会元会計責任者・大久保隆規被告、Bは同会元事務担当者の池田光智被告、Cは同会元事務担当者で衆院議員の石川知裕被告、D社は水谷建設
(2010年7月15日21時23分 読売新聞)
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