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2010年7月15日 掲載
「答える立場にない」だって
●2人で日本をメタメタにしたクセに
「金融界の寵児(ちょうじ)」ともてはやされた男の末路は何とも惨めだった――。金融庁の検査を妨害したとして、14日、警視庁に銀行法違反容疑で逮捕された日本振興銀行前会長の木村剛容疑者(48)。かつて「金融分野では誰にも負けまい」と豪語していたが、すっかりメッキが剥(は)げた。こんな男が一時でも金融行政の中心にいたなんてゾッとするが、「ブレーン」に据えたのは、竹中平蔵元金融・経済財政担当相(59)である。
「元日銀マンで、一介のコンサルタントに過ぎなかった木村は02年、当時の竹中大臣から『金融再生プログラム』(竹中プラン)を策定する『竹中チーム』のメンバーに起用されたことで一気に注目を集めました。金融庁顧問という肩書を得て、銀行に対して不良債権処理の厳格化を迫った。竹中はこれを全面的にバックアップ。“二人三脚”で金融再編の荒業に突き進んでいきました」(経済ジャーナリスト)
竹中・木村コンビは、経済が下降している中で不良債権処理を強引に進めた。その結果、債権を安く買い叩いて暴利をむさぼるハゲタカ外資がはびこるようになり、中小企業はメタメタ、失業者が急増する最悪の展開になったのは周知の通りだ。エコノミストの紺谷典子氏はこう断罪する。
「木村前会長は当時、峠を越えていた銀行の不良債権処理を必要以上に迫り、日本の金融不安を煽りました。このために一体、どれだけの企業が貸し剥がしにあって倒産し、失業者が増える事態に陥ったのか。リーマン・ショックの影響が世界でも少ないといわれる日本がいまだに低迷しているのも、当時のデタラメを引きずっているからです。振興銀行の問題は氷山の一角であり、そんな銀行の開設を認可した金融庁や木村前会長と一体だった竹中氏の責任は大きいでしょう」
いったい、竹中は“盟友”の逮捕についてどう考えているのか。誰もが気になるところだが、日刊ゲンダイ本紙の質問には事務所が「コメントする立場ではございません」と答えるのみ。本人は雲隠れしたままだ。自分が政府の中枢に起用した男が捕まったというのにシラを切る――。
ホントに無責任な男だ。
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