http://www.asyura2.com/10/senkyo90/msg/521.html
Tweet |
本日の朝日新聞に載っている党派別得票率から各党のデータを引用します。 前回は、民主、自民ともに、選挙区・比例区の得票率にあまり差がない。ところが、今回は、比例区の選挙区との差が民主はー7.4、自民はー9.3となり、大幅に両党とも比例での得票が少ない。一つにはタレント候補に対する見方が変わってきたことがあるはずだ。実質的な政策力のようなものを望む層が増えつつあるのかもしれない。もう一つ大きな要素は、新しくできた政党へ民主・自民の両党から比例票がかなり回ったはずだと言うことだ。多分、その大部分はみんなの党へ行ったはずだ。事実、みんなの党の比例区での政党名得票は個人名得票の10倍以上になり、比例票の9割以上を政党名での得票から得たことになる。 *6月8日の記事「近づく戦争・テロ社会、これらの動きを止めるべきでは?」から一連番号を付しています。<<45>>
参議院選挙得票率の分析
2010年:選挙区 比例区 2007年:選挙区 比例区
民主党 38.97 31.56 40.45 39.48
自民党 33.38 24.07 31.35 28.08
公明党 3.88 13.07 5.96 13.18
共産党 7.29 6.10 8.70 7.48
国民 0.29 1.71 1.87 2.15
社民 1.03 3.84 2.28 4.47
諸派 0.55 1.55 0.80 2.15
改革 1.07 2.01
たちあがれ 0.56 2.11
みんな 10.24 13.59
幸福 0.50 0.39
国民新党の選挙区での得票が前回の6分の1になっているがこれは立候補そのものが少なかったためであるはず。
公明党の比例区での得票率が高いのは自民党との選挙協力が続いているからかもしれない。しかし、それにしては、選挙区での自民党の得票率が前回よりも2%以上上がっているのに、公明党の比例区は0.11%減らしている。まあ、選挙区は2.08%も減らしているので、選挙区は自民党、比例区は公明党という選択をした人がやはりかなり多かったと言う意味なのだろう。
共産党・社民党ともに前回より得票率が下がっている。面白いのは、共産党は選挙区での得票率が比例区のそれより高いのに、社民党は逆である点だ。選挙戦術として、誰を選挙区に出して誰を比例区へ出すかが大きな要素であるはずで、共産党は選挙区へ有力候補を出し、社民党は比例区へ有力候補を出していたと言うことだ。このことは、比例区での政党名得票と個人名得票の割合を見ても分かる。共産党は政党名得票のほうが個人名得票の10倍以上あるが、社民党は3倍に行かない。いかに社民党が比例区での福島党首への票に寄りかかっていたかを示している。共産党は新聞あかはたがあり、党のイメージも比較的はっきりしているから、候補者個人として票を集めるよりも政党として票を集めることが向いているのだろう。もちろん、共産党の県議や市議がかなり多くいて、彼らが実質的な組織を作っているのに対し、社民党がそういった組織をあまり持っていないと言う面もある。今後、社民党は党のイメージをどう打ち出すかが問題になるのだろう。なお、社民党の比例区で保坂展人氏は7万票あまりの得票で落選されているが、前回衆議院選挙では選挙区(東京8区:杉並区)から出て11万7千票も獲得されている。共産党の最下位当選の方が、4万4千票あまりだったので、とても残念なことだった。
みんなの党の得票率の高さは際立っている。選挙区での得票率が10%以上あり、選挙区での候補者の少なさを考えると、どの候補もかなり支持されていたと言うことだ。例えば静岡選挙区では、自民党55万票、民主党2人で69万票、みんなの党36万票だ。民主党が仮に二人立てずに一人だったら、民主党の票がみんなの党へ回って自民党の票に迫っていたはずだ。ただ、基本的に都市型政党だから、これ以上発展の余地がないと言うことも言えるのかもしれない。ちなみに、四国九州沖縄の合計12選挙区でみんなの党は2人しか候補を立てていない。
国民新党は比例区での得票が政党名より個人名での票が多かったただ一つの政党だ。政党名が48万票、個人名が52万票で、3万票以上個人名が多い。それでも、国民新党の得票一位であった長谷川憲正氏は40万票以上の得票をしていながら当選できなかった。共産党の最下位当選者の得票が4万4千票ほどだったのだから、参議院としての選挙システムの矛盾点の一つだろう。
今回選挙の一つの特徴は新党が乱立した割には、新党での当選者があまり出なかったことだろう。
今後、国会議員の定数削減が進められれば、確実に政党数は減少する。今回参議院選挙で選挙区での得票率を伸ばしたただ一つの政党は自民党だ。一時言われていた自民党の退潮は歯止めがかかったと言えるのかもしれない。政党としての特色を出すことは、あまり政党数が多くなると難しくなるはずだ。だから、個性の強い政治家が一人または二人で小政党を引っ張ると言う体制が続くのかもしれない。しかし、どちらにしても、みんなの党以外の第3党は淘汰されていくように見える。ただ、今後5年から10年で日本の将来はかなり決まってしまうはずだから、今回の選挙結果が与える影響は大きいはず。
この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます(表示まで20秒程度時間がかかります。)
▲このページのTOPへ ★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK90掲示板
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。