http://www.asyura2.com/10/senkyo90/msg/482.html
Tweet |
民主惨敗の要因は一言でいえば有権者の失望だ。旧弊が明らかな自民党政治に終止符を打って、ちょっとは将来に希望が持てる政権を期待したのも関わらず、普天間問題での対米従属回帰、そもそも何のために行政の無駄を省くのか分からない財務省主導の見掛け倒しで成果の上がらない事業仕分け、財政「健全化」一辺倒の消費税引き上げ論議、これだけそろえば負けて当然。民主党執行部が小沢氏を見殺しにし、排除しようとしたツケである。
民主の比例当選者16人中10人が連合候補だ。「底力」を発揮したのは組織力のある労組だけ。それでも得票数は激減した。複数選挙区で小沢氏が擁立した候補は当選こそ多くはなかったが、頗る善戦した。これが比例票の歩留まりに大きく影響したことは間違いない。労組候補でも下位で当選した自治労、日教組、JR総連(現・旧官公労ばかりだな)にはそのありがたみが骨身に沁みていることだろう。良かれ悪しかれ、小沢と労組が車の両輪となって政権の主導権を取り返さねばならない。
政局というより国会運営という面では実に微妙な議席配分となった。参院で法案を成立させるには過半数の121議席が必要だが、現有議席は民主106、国民新党3に与党系無所属2を咥えた111議席。あと10議席たりない。野党を見渡すとみんなの党11、共産6+社民4=10である。共産、社民と連携して明確に左旋回するのが、一番分かりやすく望ましいのだが、民主106がそれでまとまるとも思えない。みんな11と同じ穴の狢が民主にも少なからずいるが、江田幹事長が正しくも指摘しているように、民主とみんなの政策は本来根本的に異なるはず。みんなと連携するようでは政権の存在意義事態が完全に失われる。
そこで注目される(したくもないのはやまやまだが)のが公明の19である。公明党の山口代表は、NHKの開票番組において、民主敗北が明らかになっただんかいで菅発言を批判して次のようにのたまわった「増税の前に社会保障ビジョンを明確に示して、税金の使い道を明らかにすべきだ。そして抜本的税制改革においては消費税ばかりでなく、個人所得や法人税の負担のあり方も含めて全般的な見直しをして納税者の納得を得なければいけない」。正論ではないか。ただしこれは政府税調の税制改正大綱の受け売りである。受け売りだから一見まともに見える。要は公明は政権に擦り寄る姿勢をしめしているのだ。1人区で自民が勝てたのは学会票のおかげだ。これは滅び行く党に義理を果たしたのではない。政権与党に公明の存在感を見せ付けたのだ。みんなの党の台頭が面白くないのは共産ばかりでなく公明も同様なのである。しかし公明が議会運営でキャスティングボードを握ることは間違いなかろう。肝心なことは、公明に引き回されることなく、巧みに操れるような巧妙かつ豪腕の政治家が民主党にいるのか、ということ。そう、小沢氏以外にいないではないか。小沢のいない民主党なんて、レーニン、トロツキーのいないボルシェビキみたいなもんのなのだ。
危険な兆候はすでに出ている。なんで小さな政府が一枚看板のみんなの党が比例で800万票なのだ。これは事業仕分け一辺倒の連ホウ東京選挙区170万票とも連なって、デマゴーグに引き回されたファシズムにも繋がるやばい傾向である。民主党に残された時間は多くはないだろう。速やかに政財官旧既得権勢力への大綱軸を示し、対米従属の頚木から自立する道を示し、検察やマスメディアの権力犯罪と闘う姿勢をしめすことが生き残りへの一本道だ。まず「国民の生活が第一」の原点に帰り、衆院議決が優先する予算案で明確なビジョンを示さなければいけない。それができなければ、待っているのは政界再編という名の破滅的な反動勢力の復権でしかないだろう。
この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます(表示まで20秒程度時間がかかります。)
▲このページのTOPへ ★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK90掲示板
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。