80. 2010年7月12日 05:56:38: ZsUNOgGnko 【主張】民主党敗北 国益第一へ軌道修正急げ 「ねじれ」選んだ民意は重い 2010.7.12 05:06 参院選は与党が過半数割れとなり、自民党が大きく復調したことで、これまでの民主党が主導する政治構造を一変させた。 民主党は従来のばらまき政策を基調とする国益を無視した一連の政策が国民の信を失ったことを深刻に受け止め、全面的な見直しを急ぐことが最大の責務である。 鳩山由紀夫、菅直人両首相による民主党主導政権の迷走と失政をこれ以上継続させまいと、有権者がブレーキをかけたのである。 日本が「まともな国」として21世紀を生き抜いていくことに、国民の多くが危機感を持ったことも指摘したい。 結果として参院で、野党が主導権を握る「ねじれ」が生じる。これにより、民主党が考えていた外国人参政権付与法案など「国家解体」といわれる問題法案の成立のハードルは高くなる。 国益や国民の利益を実現するために与野党が歩み寄り、政策調整することを強く求めたい。 民主党は目標の54議席を大きく割り込んだ。50議席にも届かない敗北の大きな要因は、菅首相の発言のぶれにある。首相が参院選直前に持ち出した「消費税10%」は、政権公約になかったものである。10%の根拠や消費税の使途について十分な説明を行わず、唐突感は最後まで消えなかった。 ◆口先の公約見抜かれた 結局、消費税の全体像と万難を排して増税を貫く覚悟のいずれも持ち合わせていないことが明らかになった。これは首相の失態といえる。 首相は12日未明、「目標にかなり届かなかった」と敗北を認めたものの、「改めてスタートラインに立った」と続投を表明した。この発言には耳を疑う。 首相の政治責任は明白だ。本来なら菅内閣は総辞職するか、衆院解散・総選挙を行って政権継続の是非を問わねばならない。3年前の参院選で民主党はそう主張していた。枝野幸男幹事長の進退問題で決着させるのは筋が違う。 「とことんクリーン」を目指すという民主党の公約が、口先だけであることも有権者に見抜かれていた。政治とカネの問題により国民の信を失わせた鳩山前首相と小沢一郎前幹事長について、菅首相は説明責任を果たすよう促すこともせず、職を辞したことで「一定のけじめはついた」と不問にしたからである。 日米同盟の空洞化が進んでいる。これを立て直す姿も明示されなかったのは極めて残念だ。 自民党は、舛添要一元厚生労働相や与謝野馨元財務相ら有力議員の相次ぐ離党で、谷垣禎一総裁の求心力低下が指摘されていた。 だが、選挙区の1人区で民主党に圧勝するなどして、改選第一党となった。若手などを発掘した努力が功を奏したといえる。 ◆自民は一層の努力を 自民党は首相が消費税増税を提起する前から、参院選公約の中で「当面10%」を打ち出していた。谷垣総裁を中心に「首相の頭の中には消費税の設計図がないから発言がぶれる」と厳しく批判し、消費税の使途や低所得者対策など首相発言の不明確さを突いた。 政権復帰に向けた自民党への積極的な支持が回復したとみるのは早計かもしれないが、二大政党の一翼を担い、民主党政権への批判の主たる受け皿になったことの意味は大きい。 みんなの党は初めて臨んだ参院選で、現有1議席を大きく伸ばした。現政権の天下り廃止の不十分さなど、民主党が掲げる政治主導が看板倒れになっていると厳しく批判してきたことなどが、有権者の理解を得たのだろう。 民主、自民両党のいずれにも一線を引く有権者からの支持を得て、第三極の立場を確立した。今後は政界再編にどう動いていくか注目したい。 そのほかの新党勢力の不振は、これと対照的だ。有権者の心をつかめなかったというしかない。 3年前の参院選で、衆参両院の「ねじれ」が生じたことを想起したい。「ねじれ国会」に苦しんだ福田康夫政権の下でも、薬害C型肝炎被害者を救済する特別措置法が議員立法として全会一致で成立し、その後の国と原告団の基本合意につながった例がある。 消費税増税を首相が自ら提唱したこと自体は、意味のあることだった。社会保障制度のあり方なども含め、与野党による協議会を具体化するなど、政策ごとの党派を超えた連携を実現していかねばならない。消費税増税を遠ざける結果にしてはなるまい。 http://sankei.jp.msn.com/politics/election/100712/elc1007120506052-n1.htm
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