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07/09/2010
日本の選挙管理は実はずさんで不公正?!
参議院議員選挙の期間中ということもあり、選挙違反の話題もちらほら聞こえてきます。
私が気になったのはこのニュースです。
投票干渉:美咲園施設長、容疑で逮捕 車で入所者送迎、候補名メモ渡す? /山梨
7月8日13時0分配信 毎日新聞
参院選の期日前投票で、知的障害者に特定の候補に投票するよう働きかけたとして、県警は6日までに笛吹市八代町北の知的障害者授産施設「美咲園」施設長、前島みき容疑者(49)を公選法違反(投票干渉)容疑で逮捕した。
県警は詳細を発表していないが、同園を運営する社会福祉法人「美咲会」理事長を務める自民党県議によると、前島容疑者が複数の入所者に候補者の名前を書いたメモを渡したことや、入所者を車で期日前投票所に送迎したことが投票干渉に問われたという。前島容疑者は県議の長女。
7日は午前10時過ぎから、県警の捜査車両が施設への出入りを繰り返し、職員は毎日新聞の取材に「すべてノーコメントです」と緊張した表情で話した。男性入所者の1人は「昨日、(前島容疑者が)逮捕されたと聞いた。突然のことだったので、びっくりした」と話していた。
県議は取材に対し「お騒がせして申し訳ない。詳しいことは分からないので、いずれきちんとご説明したい」と話した。
同園は82年5月に開所。桃畑の広がる丘陵地帯に約1ヘクタールの農場を併設した施設がある。現在は男女約90人が入所している。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100708-00000148-mailo-l19
このニュースを見て、やっとこの種の問題で、違反者が逮捕されたかという感想です。
かつてから、この種の選挙違反は、全国で、かなり行われている実態があると私は認識しており、なぜ公職選挙法違反での逮捕というニュースがないのか不思議に思っていました。
少なくとも、このニュースから、山梨県笛吹市の選挙管理委員会の方々は真面目に選挙管理業務をしているということが、解るかもしれませんね。
しかし、繰り返しになりますが、こういう投票干渉行為は全国で行われており、多くの市町村選挙管理委員会が黙認している実態があります。
なぜ、不公正な実態があるにもかかわらず、全国の市町村選挙管理委員会が黙認してしまっているのでしょうか。
市町村の規模にもよりますが、通常、選挙管理委員会の事務局は、2,3名の少ない職員しか配置されておらず、実際の選挙において、投票所で、選挙事務の監視を行うのは、市町村役場の職員です。
この職員は自分たちの通常業務の片手間で、選挙期間中、頼まれて派遣されるわけですから、ほとんどが、「めんどくさいことをやらせられる」というマインドで業務に従事しているわけです。
そういう人たちは、こういう選挙干渉行為があっても見過ごします。見ていないふりをするわけです。なぜならば、これを注意して、選挙管理委員会の本部に報告し、警察への告発を行えば、自分の通常担当する業務以外の業務が増えて、非常にめんどうだからです。
したがって、日本の多くの選挙管理事務は、実は公正に行われているようで、ずさんな実態があると私は感じています。
本来、こうしたことの無いように、公職選挙法37条、38条は、以下のように、選挙管理委員会が、投票管理者と投票立会人を選任する旨を定めています。
第37条 各選挙ごとに、投票管理者を置く。
2 投票管理者は、当該選挙の選挙権を有する者の中から市町村の選挙管理委員会の選任した者をもつて、これに充てる。
(略)
5 投票管理者は、投票に関する事務を担任する。
第38条 市町村の選挙管理委員会は、各選挙ごとに、各投票区における選挙人名簿に登録された者の中から、本人の承諾を得て、2人以上5人以下の投票立会人を選任し、その選挙の期日前3日までに、本人に通知しなければならない。
(略)
公職選挙法は、投票管理者と立会人は、一般の有権者から選ぶことにより公平性の確保を図ろうとしているわけです。
例えば、投票箱を開いたり、閉鎖する権限は、公職選挙法48条の2第2項、53条1項により、投票管理者にあります。
法は、その他投票所における判断権限を、投票管理者に対して付与しています。
具体的には、以下のような規定です。
(選挙人の確認及び投票の拒否)
第50条 投票管理者は、投票をしようとする選挙人が本人であるかどうかを確認することができないときは、その本人である旨を宣言させなければならない。その宣言をしない者は、投票をすることができない。
(投票所に出入し得る者)
第58条 選挙人、投票所の事務に従事する者、投票所を監視する職権を有する者又は当該警察官でなければ、投票所に入ることができない。ただし、選挙人の同伴する幼児その他の選挙人とともに投票所に入ることについてやむを得ない事情がある者として投票管理者が認めたものについては、この限りでない。
(投票所の秩序保持のための処分の請求)
第59条 投票管理者は、投票所の秩序を保持し、必要があると認めるときは、当該警察官の処分を請求することができる。
(投票所における秩序保持)
第60条 投票所において演説討論をし若しくはけん騒にわたり又は投票に関し協議若しくは勧誘をし、その他投票所の秩序をみだす者があるときは、投票管理者は、これを制止し、命に従わないときは投票所外に退出せしめることができる。
しかし、この仕組みは、公正公平の確保という点ではほとんど機能していません。
一般の有権者を投票管理者として、権限を与えるということは、逆の意味では、公職選挙法に関する知識が欠如している者に形式的に権限を付与しているということを意味します。
したがって、投票管理者に選ばれた一般有権者は、その責任の重大性と権限の大きさについて、知らないことが多いわけです。
もちろん、本来はきちんと選挙管理委員会がそれを説明し、理解させるようにしなければならないのですが、そうなると、引き受けてくれる人がいなくなってしまうわけです。
そこで、多くの市町村の選挙管理委員会は、「具体的には、市町村の職員の方で判断しますので、よろしくお願いします」と説明するに止めて、実際の判断を上記のような通常は他の業務に従事している職員に任せてしまっているのです。
私自身、投票に行った際に、たまたま、今回のニュースのような場面に遭遇したことが多々あります。ただでさえ団体で来るので、目立ちますし、自己の判断能力が著しく低下しているような方々の集団が、入口付近でメモを渡されている姿は、目につきます。
選挙管理業務の従事者もそれに気付いているのは明らかですが、見ないふりをしているのです。
今回のような、公職選挙法228条1項違反の投票干渉行為は、期日前投票で、投票所が混んでないような時間帯を狙って、行われることが多いようです。
私が目撃した露骨な事例は、メモを渡したうえで、それを理解できない高齢者の耳元で、名前や政党名をささやいているものでした。
投票管理者の方は見ているだけで何も注意しませんし(おそらくその任にあることを知らないで従事しているのだと思います。)、市町村役場の職員らしき人は、遠目で、苦笑いを浮かべているだけでした。
後日、私の知り合いの市町村職員等にこの話をしたところ、「そんなのは沢山ある。全国的に行われている。特に、選挙に熱心な特定の団体の人たちはいつもやっていることだよ。公職選挙法違反の逮捕権限は警察にあるから、わざわざ告発しないのだろう。」と言われました。
つまり、選挙管理委員会が違反者を見つけても、告発せずに、違反を看過していることがかなりあるわけです。
刑訴法239条2項は公務員の告発義務を定めていますから、本来、投票管理者、選挙事務従事者、投票立会人は、このような違反行為を見つけた場合、告発義務が生じるわけです。
全国で行われている実態があるにもかかわらず、このような形で告発される件数は非常に少なく、多くの方々はこうした実態が横行しているのを知らないのではないでしょうか。
ついつい、我々は、海外の選挙の不正報道や選挙において国際機関の監視がなされているというニュースが流れると、「途上国だからな」とか、「海外は日本よりずさんだからな」と思って、我々の日本の選挙管理事務が公正・公平になされているという前提で、見てしまいます。
しかし、公正・公平な選挙というのは、我が国、日本においても幻想にすぎず、かなりの選挙違反が黙認されているのかもしれません。
今回の選挙に行った際は、ぜひ、重大な権限を持っている投票管理者や、立会人についても注目してみてみてください。
彼らのほとんどが自分の職責を十分に理解していないことが多く、責めるのは酷なのですが、少なくとも、しっかり投票の監視をしているのか(寝ていないか等々)を投票の際に注目してみると良いでしょう。
ちなみに、投票管理者や立会人が毎回同じという投票所もあると思います。これは、元役場の職員だとか、地元の町内会の役員だとか、そういう方が依頼されて、小遣い稼ぎに毎回やっているパターンが多いようです。
このような実態を知れば知るほど、日本の選挙管理はずさんで、公正さなんて担保されていないと感じます。
選挙というのは民主主義の根幹です。
やはり、その選挙の監視がこのようなずさんな管理により行われているのは、非常に問題ですし、そのような選挙で選ばれる政治家の正当性には疑問符が付きます。
仮に、現在投票管理者に選任された方が、この記事を読まれましたら、しっかり不正を監視して、市町村職員に対し毅然と、違反報告をするように命じてほしいと思います。
必要であれば、刑訴法239条2項に基づき、告発義務があると言って、その職責を全うしていただきたいと思います。
───
さて、今日は、選挙制度、民主主義とは何かなどを考える上で参考になる本として、以下の本を紹介しておきます。
実務と研修のためのわかりやすい公職選挙法(第十四次改訂版) (単行本)
憲法への招待 (岩波新書) (新書) 渋谷 秀樹 (著)
日本の選挙―何を変えれば政治が変わるのか (中公新書) (新書) 加藤 秀治郎 (著)
憲法入門 (有斐閣双書) (単行本) 伊藤 正己 (著)
※詳細は、転載元ブログをご覧下さい。
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