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内閣支持率が急激に低落し、参院選での民主党の単独過半数はもちろん、国民新党を加えた与党による過半数にも黄信号が灯ったようである。その原因は、一昨日の本欄でも書いた通り、「国民の生活が第一」の理念が消えた上に、法人税減税の話からは新自由主義を感じ、消費税増税には官僚主導政治の影が見えることにある。このうち消費税と官僚主導政治に反発する有権者が、「みんなの党」支持に流れるようだ。
「みんなの党」は国家公務員10万人削減、公務員給与を2割、ボーナス3割カットなどをマニフェスト掲げている。代表の渡辺喜美氏は、「国会議員、国家公務員の削減」を掲げ、ムダの削減を叫び、有権者の心を掴んでいる。民主党枝野幹事長が、公務員制度改革については、民主党とみんなの党とは基本的な考えが一緒だと言って、秋波を送るのだから、民主党支持者は白けるし、浮動票は逃げるだろう。
民間企業が人員整理をする場合、先ずは子会社・関係会社への就職斡旋から始まり、最終的には、割り増し退職金付きの自発退職。つまり実質的に馘首(クビ)にする。
だが、公務員は法律で雇用が保障されており、雇用保険を掛けていない。つまりクビという概念は無い。従って、公務員の削減は口では簡単に言えるが、法律の整備が必要になる。みんなの党は野党だから無責任に10万人削減と、簡単に言えるだけだ。
処で渡辺氏は、削減する公務員の行き先をどう考えているのだろう。彼が安倍内閣で公務員制度改革担当大臣に就任した時、官民交流を謳っていた。民間と官庁との間にパイプを繋ぐことによる、官僚の民間企業への天下りの規制緩和である。公務員を定年前にクビには出来ない。と言って高給取りの窓際族を増やす訳にはいかない。そこで民間企業に押し込む。これが、彼が描く公務員10万人削減策なのだろう。
その民間の雇用問題について、マニフェストには何を謳っているか。格差を固定しない「頑張れば報われる」雇用・失業対策を実現すると書いてある。そして同一労働同一待遇(賃金等)や正規・非正規社員間の流動性を確保する。民主党政権の「派遣禁止法案」は、かえって働き方の自由を損ない、雇用を奪うものなので反対だと書いている。これは労働法を緩和し、正規社員のクビを切りやすくすると言うことだ。
この主張は、市場経済原理主義者の考えと同じである。日経新聞しか読んでいないサラリーマンはよく考えることだ。官民交流の名の下、国家公務員が天下りしてくる。
そして労働力の流動性を確保すると言って、正規社員から、名目は別として実質的に非正規社員に誘導。つまり国家公務員の人員削減により、民間企業の正規社員が心太(ところてん)式に押し出されて行く。そして、日比谷公園にテント村ができる。
少し極端に書いたが、国家公務員10万人削減問題を突き詰めて行くと、彼らに早期退職を迫らない限り、上のような図式しか成り立たない。もちろん、公益法人へ出向・天下りもあるが、それは実質的に税金からの給与である。公務員削減・人件費削減とは言い難い。処が、みんなの党のマニフェストに書かれているのは、国家公務員の人員削減と雇用問題だけではない。もっと大事なことがある。
それは、鳩山内閣で成立した「日本郵政株式売却凍結法」を廃案にするとマニフェストに掲げていることだ。昨年、「かんぽの宿」譲渡問題で明らかになったように、郵政民営化の狙いは、ハゲタカファンドに日本郵政が保有する資産や、郵貯・簡保にある国民の資産300兆円を渡すことであった。それを阻止したのがこの法律である。
国民の資産をハゲタカファンドに渡したら、国債も国内で消化できなくなる。
なお渡辺氏は、08年7月、リーマンショックの直前、アメリカの「連邦住宅抵当公庫」(ファニー・メイ)と「連邦住宅金融抵当公庫」(フレディ・マック)の救済に日本の外貨準備金1兆ドル(=100兆円)の融資を提案した過去を持つ。福田康夫首相が8月はじめに、突如退陣表明したのは、ブッシュ政権からのこの強い要請を拒否したためだとも言われている。なお、その真偽のほどは分からない。
だが、渡辺氏が融資を提案したことは紛れも無い事実。当時の新聞に、はっきり書かれている。今、みんなの党に投票を考えている人たちは、みんなの党のマニフェストを投票する前に読むことだ。筆者は、市場経済原理主義政党だと思うし、小泉・竹中路線の継承者だと見ている。
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