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先日NHKの「クローズアップ現代」で、退職した日本の技術者が中国や韓国で技術の指導することにより新たな人生を歩んでいるとの放送があった。高度の技術の流出を嘆く内容であったが、自分の能力が請われているのなら、たとえ自国に弓を引く結果になろうとも「行ってはいけない」とは誰も言えまい。まして自国の中で「老朽部品」としか見てくれない状況であっては。
日本で再就職を探しても、50歳を超えればほとんど絶望的だ。団塊の世代の大量退職者が溢れる現在では、ほとんど「ゴミ」扱いだ。さればとて家でゴロゴロしていれば正に「粗大ゴミ」と言われるし。サークルやボランティアに喜びを見出せる人はまだ幸せだ。「3月31日で終わりだよ」と言われても、その日を境に40年間の経験が消えてしまうわけでもない。そんな時に「我が国に来ませんか?」と言われたら。
なにも東欧や南アメリカに行くわけじゃなし、すぐ隣の国だ。顔つきも同じなのだから。日本で激しい指導なんかしたらすぐに辞めて行ってしまうがこの国では必死だ、としたら「悪くないな」と考えないだろうか。
再就職でネックになるのは「高給」を望むからだ。そしてそれを望むのは「高い役職についていた人」なのだ。「高度の技術だけを持った人」は取締役なんか縁がないし、だいたい退職時には子供は社会人になっているから「高給」に執着しないだろう。それよりも自分の技術が「まだ死んでいない」のを確かめたいと思うのではないか。
後発の国が技術を身につけ安く高品質な製品で先発を追い抜く、イギリスやアメリカでもあったことだ。大騒ぎしたとて資本主義経済では淘汰は必然だ。経済力がはるかに低くとも穏やかにやっている国はいくらでもある。鐘や太鼓で「大変だ大変だ」と騒ぐより、20位の国力でも安定した国家でいることを模索したほうが良いのではないか。
目を吊り上げて世界第二位を死守しても、国民が疲弊しては元も子もあるまい。誰のために金を稼ぎまくるのか? 外国人の投資家のためか? 資本の自由化により外国資本が流入しやすくなり、資金が増え企業規模が大きくなった。しかし外国人投資家はそこの国民のことなどは考えない。投資に見合うリターンそれだけだ。あなたがアメリカやヨーロッパや中国の株を買っても同じ事を考えるだろう。
投資は「援助募金」とは違うから、国民の半分が栄養失調になっても関係ない。そしてちょっとケチが付けば一斉に売り払い、どこかに行ってしまう。会社がどうなろうと国がどうなろうと、そんな倫理は持ち合わせていない。それに比べれば商売敵の隣国で技術を伝授することが、技能の再生を実践することが、そんなにがっかりするような事とは思えないのだが。国内にいれば省みられることがない死亡宣告付きの技術者でしかないのだから。
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