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暗黒夜考〜崩壊しつつある日本を考える〜
2010年07月02日
『北朝鮮の真実 日本人の認識は本当に正しいのか』〜週刊大阪日日新聞 最新特集記事〜
「週刊大阪日日新聞」が地方ローカルのフリーペーパーながら、「官房機密費問題」に深く切れ込んだ特集記事を掲載したことは、6/18のエントリーにて取り上げさせていただいたが、同内容は、ネット言論の総本山である「阿修羅掲示板」でも大変な反響であった。
前号にて予告されていたように、今回は「北朝鮮の実態」について特集記事が掲載されているので、以下に転載する。
(転載開始)
◆北朝鮮の真実 日本人の認識は本当に正しいのか
デノミをいち早くスクープした男 アジアプレスジャーナリスト 石丸次郎氏にインタビュー
当局の手を放れ市場経済が活発化。国民の心はすでに金正日から離れている
※写真 暗黒夜考より
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▲北朝鮮ジャーナリストでアジアプレス大阪オフィス代表の石丸次郎さん
他の主要国に比べ、日本人は北朝鮮に対する悪印象が圧倒的に高い(英BBC調査)。拉致事件やミサイル発射、挑発的な管制報道など、あらゆる北朝鮮問題が要因だろう。だが、実のところわれわれは北朝鮮という国をどこまで知っているのだろうか。北朝鮮に独自の取材網を組織するアジアプレスの石丸次郎さんに、われわれの知らない「北朝鮮の真実」について聞いた。
―石丸さんから見て、日本人は北朝鮮という国を正しく認識していると思うか。
食糧事情はもちろん良くないが、食料がないわけではない。われわれ国際社会は誤解している面がある。実は北朝鮮の配給制はすでに崩壊しており、市場経済に飲み込まれている。加えて、金正日(キム・ジョンイル)への忠誠心もなくなり国民は体制のいうことを聞かなくなってきているのが実態だ。
―市場経済に飲み込まれている?
分かりやすく説明すると、北朝鮮はもともと配給制の国だから、国内で生産する農産物を国家が広く安く分配する方法をとっている。ところが、この配給制が赤字で回らなくなり崩壊してしまった。要するに配給にありつけない人が増えてきて、1994年ごろに約300万人の餓死者が出た。
「もう国家はあてにできない」と、人々が生きていくために始めたのが商売だった。農村や中国に越境して食糧を買ってくるわけです。
この市場がどんどん膨らんで活発化した。最初は原始的に自分の服を売って小麦粉を買う。この小麦粉を今度は食べるのではなく、パンに加工することで利ザヤを得ていった。この利益分でまた小麦粉を仕入れ、パンにして売るなどして市場経済が活性化していった。今では国民の約7割は配給がなくても商売で暮らしている。皮肉なもので市場経済の広がりによって餓死者はいなくなった。
―配給は完全になくなったということか。
もちろん、特別な人たちにはある。軍需産業や秘密警察など国家としていうことを聞かせなければならない人間には与えている。軍需工場などは特に統制が厳しいから、商売をする自由がなく、昔ながらの「はい、これが今月分のトウモロコシ。これで暮らしていけ」という生活が続いている。だから逆に配給されている人たちの方が貧しい。
一方で、配給に頼らず商売がうまくいった人は、いい服も着られるようになった。女性の場合は化粧もするようになる。こうしてさまざまな需要が生まれて商品が流れ込み、消費社会が発展していった。
―デノミの影響は(※詳細はメモ)。
国家権力による没収ですよ。金正日の評判はもともとよくなかったが、今度は国民の財布の中に手を突っ込んできたことで、民衆は本当に腹を立てている。
※memo
デノミ(デノミネーションの略)とは通貨単位の変更のこと。2009年11月末、北朝鮮当局は通貨ウォンを100分の1に切り下げる措置を国民に予告なく断行。止めどない物価の高騰と食糧不足の深刻化を招いた。
北朝鮮デノミ=「貨幣交換」の主な内容
●1世帯当たり旧貨幣10万ウォンを交換限度とする。
●10万ウォンを超えた金額は銀行に預ければ上限50万ウォンまでを新ウォンに交換する。
●銀行に預けた旧ウォンは10分の1で新ウォンに交換する。ただし、国家財政にゆとりが出るまで引き出すことはできない。
●1人当たり500ウォンの配慮金を分配する。
●国内外人を問わず外貨の使用を禁止する。
※参考文献/アジアプレス・インターナショナル出版部発行「リムジンガン第4号」
―それは初めて聞く話だ。日本ではそうした北朝鮮の実態が報道されているように思えないが。
日本の北朝鮮研究家は国際関係論と歴史の部分では実績があるが、それ以外では非常に停滞していると感じる。韓国海軍哨戒艦「天安(チョンアン)」沈没事件があったが、中国はどんな態度か、米国はどんな態度を取るだろうかなどの論評はできる。ところが、「北朝鮮がなぜ、こうした行為に及んだのか」「国内事情はどうなっているのか」などは日本の学者のほとんどは思考停止の状態で、的確なコメントをできる人が少ない。
北朝鮮への独自の情報ルートをほとんど持っていないことで、韓国の学者と大きな差がついてしまった。漁民、農民、工場労働者、公務員、労働党幹部などさまざまな分野の脱北者2万人が流入する韓国は、常に新しい情報を更新している。
例えば、北朝鮮での市場経済化の進行について、韓国ではここ数年、論調としては当たり前だった。09年あたりから次々に出てきた脱北者からの情報によって、北朝鮮が市場経済にどんどん飲み込まれているという現状が判明した。ところが、日本の学者は労働新聞の数値とかをもとに論評するから現状分析に大きな差が出ている。
※グラフ 暗黒夜考より
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体制批判、生活苦を口々に
―平壌に日本のメディアはいないのか。
現在は共同通信社が事務所を構えているが、現地人のスタッフがいて「平壌の写真を撮ってきて」と依頼して写真だけを配信するといった状態だ。報道に関しては北朝鮮当局の管制報道がもとになっている。
海外のメディアで常駐しているのは中国の新華社、ロシアのタス通信、キューバの報道機関とかごくわずか。公式取材で行って現地の案内で少し回るだけだ。
―平壌の現状、街の風景。
よく日本のテレビに映っている平壌市街は表の姿でショーウインドーみたいなもの。見えていないが、一歩裏通りに入れば、みんな路上で商売をしている。
―市民の情報源は。
北朝鮮は情報が発達していない国。だから彼らが情報を得るのはほとんどが口コミだ。配給制が崩壊し、95〜98年の4年間だけでもおそらく推定100万人の人が北朝鮮・中国間を行き来したと思う。彼らが「中国の改革開放はすごい」などと北朝鮮に戻ってしゃべることで、あっという間に情報が広がる。
昔は北の民衆は韓国の情報は知らなかった。私が取材を始めた93年当時は、北朝鮮から出てきた民衆が「韓国はソウル五輪(88年)を開催したが、国が豊かなのは本当か」と聞いてきた。「1週間に白米、肉を何回食べるのか」と真顔で尋ねるレベルだった。
今は韓国、中国は非常に豊かな国になっている。韓国は世界で十何位に入る豊かな国、中国人は出稼ぎに韓国に行って働いている、ということをみんな知っている。だからこそ、改革解放の道を希求している。極度の言論統制下ではあるが、市民の本音はそこにある。
―北朝鮮の戦闘能力は。
韓国哨戒艦沈没事件などで朝鮮半島が緊迫しているように感じるかもしれないが、今の北朝鮮に戦争なんてできないだろう。主因は石油がないからで、戦車や戦闘機すらまともに動かせない。確かに、大砲は休戦ラインでソウルに向けて発砲態勢にあり、バッーと攻めれば韓国側に多少の被害が出ると思う。だが、いざ戦争が始まって、どちらが勝つかの視点で考えると、韓国側が空爆で大砲を破壊し、そのまま平壌にまで空挺部隊を入れて北朝鮮の軍事力をそいでしまえば、あっという間に決着してしまうだろう。
さらに、現体制に批判的なのは庶民だけでないので、現実には戦争になった場合、銃口がどちらに向くか分からないという側面を私自身は感じている。
―拉致被害者について市民はどう考えているのか。
一般市民は拉致事件があったことすら知らず、ニュースを知って驚いているのが実態だ。「本当に日本人に悪いことした」といっている。「当局は北朝鮮国民に対してもひどいことをするから、日本人の拉致ぐらいするかもしれないな」ともいっていた。
―庶民は日本をどう見ているのか。
日本の植民地支配により当然、反日意識はある。ただ韓国よりも薄いようだ。理由は、国民の暮らしが20年近くボロボロだったからだ。肌感覚で日本の植民地時代よりも現在置かれている状況の方がひどいという。市民は「まだ植民地時代の方がよかった」「このまま中国の吉林省に併合された方がいい」など冗談交じりではあるが、現在の体制批判、苦しさを口にしている。
ただ、日本の植民地支配が終焉(えん)して65年がたつが、日本の植民地時代とは一体何だったのかということを朝鮮半島の人に対して一度も清算をしていない。一度きっちりと清算するべきだと僕は思う。韓国政府に対しては1975年の国交正常化の時に、約束事をしているが、北朝鮮には何もしていない。
ただ、現在の北朝鮮に賠償金を支払ったとしても金正日が手にするだけで、北朝鮮の庶民が救われるわけではない。逆に金正日の独裁を維持させてしまうことになる。だから、私はある程度の民主化、せめて中国並みに民主化されたら清算するべきだと思う。
北朝鮮の人たちの厳しい生活を強いられていることは想像できるが、ではどれだけ苦痛な生活なのかは分からない。金正日の独裁体制の下で苦しんでいる民衆が、日本の中からはなかなか見えない。拉致問題があるからといって一括りにしてはいけない。心通わせる庶民が日本にもいて北朝鮮にもいることを知ってほしい。日本人拉致被害者も北朝鮮庶民も被害者なのだから、金正日とは別に手を差し伸べるということがあってもいい。そのためにも北朝鮮の現状はどうなっているのかということが日々、情報として伝われなければならない。
【この特集の意図】
日本の北朝鮮報道は管制報道が主体だ。しかし、インタビューであるような内部事情を軸にして、北朝鮮の行動の意図を考えれば、政治的、経済的、対外的にどれだけ行き詰っているかが見えて来ないだろうか。
近年、北朝鮮に関してメディアが報道する量は格段に増えたが、石丸氏への取材を通じ、それは「画一的な北朝鮮像」を軸にしたうえでの報道であることに気づく結果となった。北朝鮮の本当の国内事情、人々がどう考えているかという観点がこの問題を考える上で、私自身欠落しており、思い込みもあった。
それほどに現場に足を踏み入れ、直接取材して得た石丸氏からの情報は生々しく、説得力を持っていた。
メディアの北朝鮮報道は確かに事実ではある。しかし、画一的であるがゆえに、一部の事実がすべてであるかのように錯覚してしまい、大きな誤解も生む。
今回の特集は、内部事情という側面から報道することで、北朝鮮問題の本質を見抜く一助になればと企画した。今後も石丸氏と連携して、最新の北朝鮮事情を発信していきたい。
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石丸次郎氏プロフィル
【いしまる・じろう】1962年、大阪出身。ソウル延世大学語学堂に2年半留学。在日韓国・朝鮮人問題などを取材。93年と94年7月、11月に中国の朝鮮国境1400キロを踏破。北朝鮮取材は国内に3回、朝中国境地帯にはおよそ50回。これまで北朝鮮難民とのインタビューは500人を超える。2002年から北朝鮮内部にジャーナリストを育成する活動を開始。04年から北朝鮮人による北朝鮮内部報告の発表を続けている。アジアプレス・インターナショナル大阪オフィス代表。【著書】は「北のサムライたち」(インフォバーン)「北朝鮮難民」(講談社現代新書)「北朝鮮から脱出した人々」(講談社α文庫)【おもなビデオ取材】「知られざる北朝鮮」(2005年TBS報道特集)「北から来た少女」(2005年NHK『ETV特集』)「北朝鮮難民の証言」(1997年NHK『ETV特集』)「北朝鮮人ジャーナリスト、リ・ジュン」(2006年日本テレビ)「The Chidren of the secret state」(英Chanel14)など。「北朝鮮難民問題に光を当てる一連の報道」で、第40回ギャラクシー賞・報道活動部門・優秀賞を受賞。
(転載終了)
石丸氏のコメント内容では、以下の2点が特に重要であろう。
@北朝鮮では市場経済化がかなり進行しており、裏通りでは路上販売が盛んに行なわれている。その結果、市場経済の広がりによって餓死者はいなくなった。
(韓国ではすでに常識になっている情報)
A今の北朝鮮は石油不足のため、戦車や戦闘機すらまともに動かせないのが実状であり、戦争など不可能である。
最後の「この特集の意図」部分で触れられているように、日本のマスゴミは「画一的な北朝鮮像」ばかりを報道し、日本国民に「北朝鮮」=「金正日の独裁国家」=「危険な隣国」という擦り込みを繰り返してばかりいる。
即ち、対米従属売国奴のマスゴミ連中は、”親分”アメリカ戦争屋の命(めい)により、戦争などできる国力のない北朝鮮を”危険な隣国”に仕立て上げ、米軍による”核の傘”の必要性を喧伝すると共に、「親アジア」の動きを牽制する目的で偏向報道を繰り返し、日本国民を洗脳しているのである。
しかし、実際、北朝鮮の国民は、市場経済の活発化により、既に自ら生計を立てるようになっており、配給もままならない当局の手を放れ、その心はすでに金正日から離れているのである。
我々が日々、マスゴミ報道で耳にする「独裁者=金正日」なる図式など既に崩壊しているのである。
多くの反論があるのを覚悟して敢えて言うが、いまや金正日はアメリカ戦争屋と”グル”になって”恐怖統治”をおこなう独裁者を演じている、ただの”ペテン師”に過ぎない。
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