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鳩山─小沢体制が崩壊して菅政権が誕生しましたが、官僚はこ
の政権をどのように見ているのでしょうか。
官僚たちは、菅政権が「脱小沢」を宣言して政権をつくったこ
とを好感しています。彼らにとって一番怖いのは小沢一郎という
剛腕政治家だけなのです。
さらに、菅直人氏自身が合理性を重視する現実主義者であるこ
とから、官僚たちは政権をコントロールできるという自信を持っ
ているのです。権力中枢をコントロールできれば、民主党には自
民党と同様に官僚的体質の国会議員が多数いるので、権力を十分
奪取できる──すなわち、自民党時代と同様に実質的権力は官僚
が握れると考えているようです。彼らは民主党を第二の自民党に
しようとしているわけです。
2009年10月の頃、菅副総理(当時)は、官僚のことを次
のようにいって見下していたのです。
―――――――――――――――――――――――――――――
霞が関の官僚なんて成績が良かっただけの大馬鹿である
―――――――――――――――――――――――――――――
しかし、首相就任会見では「官僚は政策のプロフェッショナル
である」と180度変化してしまっています。どうしてこうなっ
てしまったのでしょうか。
菅首相が副総理兼国家戦略相のときの話です。予算編成権につ
いて当時の藤井財務相と大バトルを演じたのです。そのとき菅氏
は次のように主張したのです。
―――――――――――――――――――――――――――――
予算編成の基本方針は国家戦略室で決める
―――――――――――――――――――――――――――――
これに財務官僚は愕然としたのです。時の藤井財務相は「予算
編成権は財務省にある」と発言し抵抗したのですが、これは藤井
裕久財務相のウソであったのです。藤井財務相は財務省出身者で
あり、完全に財務省サイドの人間だったのです。小沢幹事長(当
時)はそのことがわかっているので、財務相就任に難色を示した
のです。憲法上、予算編成権は「内閣」にあり、財務省にあると
いうのは正しくないのです。しかし、財務省はわかっていてつね
に「財務省にある」と強弁していたのです。本当にそうだと思う
政治家も少なからずいたからです。
このままでは予算編成権を奪われかねないと危機感を募らせた
財務省は、菅副総理の秘書官として大矢俊雄参事官、国家戦略室
スタッフとして高田英樹主計官補佐を配置したのです。大矢俊雄
氏は主計局出身のベテランです。
大臣の秘書官を押さえておくと、菅副総理に会う人物を制限で
きるのです。つまり、会わせたくない人物と会わせないようにす
ることが可能になるのです。その効果は絶大であり、それ以後、
菅氏には情報が届かなくなり、国家戦略室は開店休業状態になっ
てしまったのです。
何人かの民主党議員が菅副総理に政策の提案をしようとして大
臣室に連絡を入れると、秘書官に「時間が取れない」と断られて
会えず、本人と直接電話がつながっても「その件は財務省と相談
してくれ」といわれる始末です。
それでも何とかして菅氏と連絡を取って会う場合でも、菅氏は
大臣室を使わず、議員会館の部屋で話すようになったのです。菅
氏にその理由を尋ねると、大臣室で会うと大臣としての立場で言
質を与えることになると役所からそういわれていることを明らか
にしたのです。議員会館の部屋での話なら、議員同士の意見交換
ということで問題はないというわけです。
しかし、せっかく大臣室がありながら、そこで自由に話せない
となると不便であり、その結果、菅氏に用事のある民主党議員と
のコミュニケーションは大幅に減少したのです。これは役人が大
臣への情報を遮断する常套手段であり、俗に「座敷牢」と呼ばれ
ている官僚手法なのです。これと同じことを鳩山首相もやられて
いるのです。
そして、2010年1月に菅氏が財務大臣に就任すると、財務
省は手ぐすねを引いて待ち構えていたのです。財務相は最初のう
ちは財務官僚を敬遠し、距離を置いたのです。そのため、財務官
僚も手を抜き、最小必要限度のレクしかしなかったのです。
そうしたレクの中で財務官僚は、大臣が基本的な経済用語であ
る「乗数効果」について勘違いしていることを知り、本来であれ
ば大臣に説明するところ、あえて黙っていたのです。
そしてあろうことか、それを質問者である自民党の林芳正議員
に「財務相は乗数効果を知らないので、論戦を吹っかけたら面白
いことになりますよ」と伝えたのです。
果せるかな、1月26日の参院予算委員会で、麻生内閣の経済
財政担当相を務めた林芳正議員が少数効果で論戦を挑むと、菅財
務相はトンチンカンな答弁を繰り返し、審議が4回も止まったの
です。これによって、「菅直人は経済がわからない」というレッ
テルを貼られてしまったのです。
菅氏は頭のいい政治家で知識には自信のある人です。それが政
治家の檜舞台ともいうべき国会で大恥をかいたのです。それ以来
はじめのうちは自らの言葉で語るべきだといっていた菅財務相の
答弁は官僚の答弁書の棒読みになり、それは首相になってからも
続いています。
それからもうひとつ菅氏は官僚──とくに財務官僚と手を握る
と政敵のスキャンダルから官邸や党内の動きまで詳細な情報が得
られることがわかり、次の首相を狙う菅氏としてはそれが絶対に
必要なことであると判断して官僚と手を握ることにしたのです。
おそらく財務相のとき、官邸や検察の動きにいたるまで、詳細な
情報が菅氏には入っていたと思われるのです。
その見返りとして菅氏が官僚に踏まされたのが「消費税増税」
なのです。これでは、国民を裏切って地位を買ったといわれても
仕方がないでしょう。官僚にとって菅氏を籠絡することはいとも
簡単だったのです。 ──[ジャーナリズム論/50]
≪画像および関連情報≫
●乗数効果で参院予算委員会の混乱/菅財務相答弁
―――――――――――――――――――――――――――
菅直人副総理・財務相が26日の参院予算委員会で答弁に詰
まり、審議を中断して官僚の助言を仰ぐ場面があった。「脱
官僚依存」の先頭に立つ菅氏だが、疎いとされる経済政策の
難しさを痛感させられた格好だ。「官依存」は自民党の林芳
正前経済財政担当相との質疑で起きた。菅氏は「1兆円の予
算で1兆円の効果しかないやり方をやってきた」と述べ、自
民党政権の投資は経済波及効果が低かったと批判した。
http://news020.blog13.fc2.com/blog-entry-211.html
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(南青山コメント)
なるほどという記事だが、1つ疑問がある。
菅に限らないのだが、よく大臣への秘書官などによる情報遮断の話題が出てくる。
本記事では
「大臣の秘書官を押さえておくと、菅副総理に会う人物を制限で
きるのです。つまり、会わせたくない人物と会わせないようにす
ることが可能になるのです。その効果は絶大であり、それ以後、
菅氏には情報が届かなくなり、国家戦略室は開店休業状態になっ
てしまったのです。」
とある。
しかし、野中の一軒家ではないのだから、ましてや携帯電話があるのだから、秘書官によるブロックがあるにしても、その程度の情報ならどこからでも入ってくるだろう。
周辺にはそうした情報に目配りする専門のアドバイザーはいるはずだ。
菅の場合なら、すぐに思い浮かぶのは高野孟か。(笑)
福山でも古川でも玄葉でも良い。
そうした連中が必要な情報を伝えるだろうし、多数の有能な秘書を抱えているのだろう。
ネットで紹介されるくらいだから、菅にせよ鳩山にせよ、そもそも「座敷牢」の存在くらいは熟知しているだろう。
それでも情報遮断があったとしたら、それは秘書官官僚の奸計ではなく(もちろんそれもあっただろうが)、菅なり鳩山なりの資質(自ら情報を遮断する)、ポテンシャルの問題と言うべきではないか。
結局、菅は野党の党首くらいならさまになるが(それでも保険料納付問題では官僚にしてやられたのだが)、官僚に手玉に取られる程度の人物であり、与党党首/日本国首相の器ではなかったということではないか。
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