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現在の政治状況を理解するには、少し根本的なことを理解する必要があります。それは「日本という国を実質上治めているのは誰か」という観点に立って考えてみることです。こういう考え方もあるというように読み取っていただきたいと思います。作家の佐藤優氏は、現在の日本は目に見えない「2つの政府」による権力闘争が行われているといっています。2つの政府とは次の通りです。
1.民主党政権による政府
2.霞が関官僚による政府
これら2つの政府には基本的な違いがあります。それは、「民主党政権による政府」は選挙によって国民から選ばれていることであり、「霞が関官僚による政府」は明治憲法体制から民主党政権の現在まで、連綿として継続しているということです。後者の霞が関官僚による政府とは何でしょうか。これについて立花隆氏は、次のように述べています。
明治期、大日本帝国憲法において、天皇と官僚は直接結びついていました。それに対して、憲法上、政治にはそれほど大きな役割が与えられていなかった。天皇にすべての主権があって、天皇に直結する官僚が国を動かすシステムだったんです。だから、政治家は自分たちが政治を動かしているという幻想を持っていますが、実際にはずーっと官僚が国家運営を切り回していた。これは日本の政治の基本構造で、戦後も実態としては変わっていない。立花隆/佐藤優著『ぼくらの頭脳の鍛え方必読の教養書棚冊』文春新書
つまり、明治憲法以来現在まで、日本という国は事実上官僚によって統治されてきたのです。あらゆる政治の制度がそのように設計されているからです。それなら、自民党時代はどうなっていたのでしょうか。佐藤優氏は次のようにいっています。自民党政権時代には名目的権力は政治家、実質的権力は官僚という棲み分けができていた。
しかし民主党連立政権は、本気で政治家が日本国家を支配することを考えている。この「暴挙」を、ありとあらゆる力を結集して阻止するというのが、官僚の「集合的無意識」だ。──副島高彦×佐藤優著/日本文芸社刊『小沢革命政権で日本を救え/国家の主人は官僚ではない』
明治憲法下には「官吏服務令」というものがあったのです。これは官吏の服務上の義務を規定していた法規のことで、明治20年(1887年)勅令39号で発布され、昭和23年(1948年)に国家公務員法の施行により廃止されています。 官吏服務令においては、官僚は国民ではなく、天皇に対して忠誠を誓う内容になっていたのです。
当時の官僚は表面的には「全体の奉仕者」の顔をして国民に接しているものの、腹の中では国民を無知蒙昧な有象無象の存在とし、官僚の「頭脳」に対して国民は「手足」と考えられていたのです。したがって、官僚は国家のために必要と考えるとき、国民を平気で切り捨てることに良心の痛みなどいっさい覚えないのです。
「官吏服務令」は1948年に廃止され、敗戦によって天皇は国政に対する機能を失いましたが、明治憲法以来続いてきた官吏服務令の精神や考え方は、現在の国家公務員法にちゃんと受け継がれているのです。そして、今や官僚は天皇なき抽象的日本国家に対して忠誠を誓って行動しているのです。
もちろん、大手メディアについても、事実上の国家の支配者である官僚組織に対して基本的に服従的姿勢を取り、それを遵守していれば自身は安泰という考え方で報道を行っているのです。これが記者クラブという世界中から嫌われるシステムを生み出したのです。つまり、官僚とメディアは一体なのです。
しかし、2009年の衆院選によって政権交代が起こり、鳩山政権が誕生したのです。この政権は、発足するや自民党時代とは異なり、本気で政治家が日本国家を支配する権限を官僚たちから奪い取る手を次々と打ち始めたのです。 鳩山政権は、まず、事務次官会議を廃止し、事務次官のポストもいずれ廃止すると宣言したのです。これは各省庁の司令塔を官僚から奪い取ることを意味しています。
そして事業仕分けによって、官僚をマスメディアの前でさらし者にし、これによって、国家を支配しているのが政治家であることを官僚に皮膚感覚で教え込んだのです。官僚たちにとってはこれは大問題であり、彼らは自然に「集合的無意識」による、その「暴挙」を阻止するための行動をはじめたのです。それはけっして計画的に行われたものではなく、それぞれの立場で鳩山政権を崩壊に導く手が打たれたのです。
小沢幹事長に関しては検察官僚が自らの職権を使って追い詰め鳩山首相に関しては外務官僚と防衛官僚が日米同盟を破壊するとして、普天間問題で封じ込める──記者クラブメディアはそれに呼応して嵐のような報道を巻き起こし、一年経たない間に鳩山─小沢体制を崩壊に追い込んだのです。彼らはまだ小沢氏の権力が温存されているので、決着していないと考えています。
この考え方は、副島隆彦氏と佐藤優氏の共著として6月20日に緊急出版された次の新刊書に展開されているものです。この後のEJはこの本をベースにして展開していくことにします。副島隆彦×佐藤優著/日本文芸社刊 『小沢革命政権で日本を救え/国家の主人は官僚ではない』 [ジャーナリズム論/49]
小沢一郎が「平成の悪党」になる日
「小沢一郎幹事長、あたなも辞めてください」という鳩山発言をめぐり、「あれは小沢一郎との刺し違い、道ずれだ」というメディア論について、副島隆彦氏はご自身が主宰する学問道場【言論系のネット革命】の6月4日付の記事で「鳩山・小沢体制を破壊しようとする日本のオール官僚たちのクーデターの悪だくみが実現しつつある」と指摘し、今は決戦主義をとらずに敵が敷いた包囲網の外側へ逃げることが重要だと説いている。
http://sumichi7878.cocolog-nifty.com/blog/2010/06/post-a780.html
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