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れんだいこのカンテラ時評760 れんだいこ 2010/06/28 20:04
【消費税増税論議に大石を投じる】
第22回参院選前から、自民と民主の二大政党が口裏合わせたかのように消費税増税を持ち出し、顰蹙を買っている。ところが、一部では、財政破綻の折柄止むをえないとする見解がはびこりつつある。連中には、その結果の恐ろしさが見えていない。かって戦前に大東亜戦争へこぞって突入したように、消費税倍額増税へ足並みを揃えつつある。こういう折柄、絶対ダメとする観点を保持したい。その根拠の一つを確認しておく。誰からも指摘されていないようなので、れんだいこならではの指摘として聞き分けして欲しい。
先に、れんだいこは「カンテラ時評755 消費税値上げどころか今こそ廃止に立ち上がれ」で、中小零細企業が消費税納付で苦しめられている悲哀を指摘した。次のように訴えた。
「(消費税が廃止されれば)企業には、煩わしい消費税徴収、帳簿付け、納付の手間から解放される。良いことづくめである。今どれだけ中小零細企業が消費税で煩わされているか知られているだろうか。決算期に支払えず、確かサラ金並みかそれ以上の14.7%の高金利で追徴され塗炭の苦しみに遭わされている。税務署の胸先三寸で土俵を割る企業が目白押しとなっている。云うに恥ずかしいから云わないだけで実は深刻な社会問題化しつつある。国会議員は今のところ誰も採り上げていない、オカシナことだ」。
実際、中小零細企業の消費税の滞納額が急増していることが深刻な問題になりつつある。ここ数年の景気低迷を受け、現在6000億円あると云われている。実際にはもっとある可能性が強く数兆円規模に上っているのではなかろうか。不審があれば、国税庁がはっきりさせれば良い。しかし、社会問題になるのでできないのだろう。
こういうことになるのは、中小零細企業に消費税を別勘定仕分け、プールする管理能力が乏しく、売り上げ勘定と共に日計処理する結果、消費税ごと運転資金に流用され、決算期に払えないという事由が介在している。事業者の消費税納付は年4回(中小事業者は年2回)であるが、この間延びが却って後で苦しめることになる。これは消費税の制度的欠陥と捉えるべきではなかろうか。消費税の場合、これを改良する余地はなく、悪税として廃止するのが良いと思われる。その理由を記す。
消費税は、その徴収を事業者に委ねている。そもそもここに根本的な欠陥が認められる。これにより、徴収を義務づけられた側は、企業活動の何割かを消費税問題で悩まされることになる。この実態は渦中の身の者にしか分からず、サラリーマンでしかないマスコミ記者の理解の及ばないところであり、よって報道されることもない。たまに報道されるとすれば、消費税を払わない悪徳事業者が居る、懲らしめてやりなさい的な安上がりの正義でしかない。
事業者は、年に一度、決算書を策定し、これにより納税が義務付けられる。但し、従来式であれば利益に対する法人税納税である。戦後日本は、この道を上手く走って来た。考えても見よ、仮に利益がなく法人税が払われなくても、その間の社員給与の所得税、保険金その他その他を支払っているので、国家税収的には大いに寄与しているのではなかろうか。法人税が増えればなお有り難いと云うべきではなかろうか。
ところが、消費税導入により、利益に対してではなく売上そのものに対する納税を余儀なくされることになった。実はこれが痛い。原理的には消費税を事前徴収しているのであるから、それを支払うだけのことであり何の問題もないように思える。ところが実際は違う。既に述べたように、事業者のうち中小零細企業レベルでは、消費税を別勘定にしてプールしておくという能力を持たない。その日勘定を合わすことに精力を使っている。実際には、このことだけでも大変である。折に横領、持ち逃げなどもあり、これを防ぐだけでもかなりの労力を必要とする。そう何人も経理マンを抱える余裕はない。
そういうこともあって、消費税を別勘定にする余裕と云うか能力がない。しかし、これは云い訳である。そういうことは通用しないと云う正論がなされるであろう。その正論に対して反論しておくと、或る時点から消費税が導入され、それも売上3000万円以内は控除される云々と喧伝されたこともあって、分けのわからないままに、消費税徴収能力も納税方法も何らの訓練なきままにいきなり海に投げ出された格好となった。この間、海はシケて風雨が強くなっている。へとへとで岸辺に辿り着くと納税が待ち受けており、これを支払いかねる事態が発生した。
これに対して分割納税の道が講じられている。しかし、国税庁は甘くはない。国税の延滞利率は14.7%と定められており、公定歩合、貸出金利の変動に関わらず一定にされている。14.7%の延滞金利は4、5年で元金の倍額に値する金利を生む。つまりサラ金金利になっている。それにしても、この低金利時代の14.7%は異常である。
このワナに陥った法人は永遠に抜け出せれないことになる。なぜなら、分割納税が完済しないうちに新年度の決算がやって来て、新たな分割納税に切り替えねばならなくなるからである。こうして支払えども却って利息が増すと云う悪循環に陥る。これを解消せんとして銀行へ足を運ぶと、門前払いとなる。つまり、税金の滞納事業者には貸し出ししないという基準があるからである。これにより、行き詰った経営者は次第に高金利金融に手を出すことになる。その高金利金融会社のスポンサーが銀行である。これが裏の仕掛けである。
消費税が3%、5%の時なら、優良な中小零細企業はまだしも耐えられる。仮に10%にでもなろうものなら、現在の決算時納税額の倍になる。仮にこれまで100万円から200万円の支払いで良かった会社が倍額を用意せねばならないことになる。その延滞利息として14.7%攻勢が始まるとどういうことになる。空恐ろしい事態が待ち受けていることになる。これが中小零細企業の過半の経営実態である。と思うのだがどうなのだろう、誰か意見を聞かせてほしい。
れんだいこは、消費税なぞなくして、事業者が利益を上げ、法人税を納められるように環境整備して行き、法人税増収を目指すことこそ政治の役目の一つであると考えている。実際の政治はどうか。事業者の経営環境をどんどん悪くして、破産、倒産を余儀なくさせている。逆に優良企業の場合にはハゲタカファンドに掴まえられている。外資系の経営者が乗り込み天文学的高給を漁っている。日本の大手企業経営者の多くがこれを見習いつつある。こういう経営指導してきたのが自公、民主政治ではないのか。時に給付金をバラまくが焼け石に水で何の経済効果もない。却って財政悪化の要因となっている。消費税増税問題を云う時、この観点からの論議が必要である。目下の消費税論議は10%を受け入れさせる為の洗脳論議であり、何の意味もない。
考えても見よ。日本が世界が羨む戦後復興、高度経済成長を遂げていた時、国債も消費税もなかった。公共事業が旺盛であった。この善政を否定し、国債、消費税を導入した頃から、日本の経済成長が止まった。いつの間にか先進国中第1位の国債累積債務を抱えて、1番が自慢かのように錯覚している。政治力をこういう風に使う仕方の全てがオカシイのであり、今やレールを引き直す以外にないということを合点する必要があるのではなかろうか。これを回天と云う又は革命とも云う。これが云いたかった。以上、消費税増税論議の前に大石を投じてみた。誰か、菅のアカンタレに聞かせてほしい。
2010.6.28日 れんだいこ拝
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