細川政権の二の舞になるのでは？と思いながら、政権交代以降の展開を注視して来ましたが、少なくとも表面的には全く同じ、内側からは”金銭スキャンダル”で責められ、外側からは「朝鮮半島危機」で追い詰められる、相似形の軌跡になって仕舞いました。　私は既に、昨年８月の段階で、「もし『半島危機』が起こったらそれは国内政局絡み」と、指摘しております。
http://www.asyura2.com/09/idletalk37/msg/158.html

もしも「韓国哨戒艇沈没事件」が、この先、あやふやな結末なり展開になって行くのなら、今回の「事件」は、やはり（前回同様）、対米自立を志向する鳩山政権の追い落としを主要な目的として仕掛けられたものと、理解すべきでしょう。　　４月になり、状況が変わったことを社民党幹部が証言しておりますが、恐らくはこの時期、外務省や防衛省に巣くう買弁官僚供から、「事件」が１６年前同様の「半島危機」に成って行くとの見通しが伝えられたものと思われます。　同じ時期、「普天間」を巡って、韓国政府から鳩山政権へ繰り返し懸念が表明されたのも同じ動機に基いてると見れば、この異例な「懸念」の意味する処が解るでしょう。　韓国側からすると、鳩山政権が登場して来なかったら「事件」は起こらなかった、と思ってるでしょうからね。　他方、日本にとって不幸だったのは、李明博政権が、韓国版小泉政権と言える程、アメリカべったりの政権だったことです。　盧武鉉政権下で悪化した対米関係の修復を謳い文句に、従来以上に入れ込んだ、その事が却って、今回の様に、アメリカに足元を見られる結果を招いたとも言えるのです。　だから、逆に言えばもし盧武鉉政権が続いていたら「事件」は起こってなかったでしょう。　今韓国では、南北関係が１６年前に戻ったと言われておりますが、それはアメリカ側の狙いが何処に在ったのかを示すものなのです。

鳩山政権が「東アジア共同体」を掲げて登場して来た時、アメリカにとって、「民族主義」に留まった韓国盧武鉉政権よりも遥かに危険なものとして、自らの地政学的な戦略（極東安保）体制への重大な挑戦と映ったことでしょう。　
従って、今回の「事件」は、経済関係を中心に益々中国との関係を深めようとする日本と韓国に、「東アジア共同体」（日中韓）か？「極東安保」（日米韓）か？の選択を迫るものとして位置付けられてる、と見るべきなのです。

その意味で、北朝鮮の後見側に居るロシアに検証を許したのは、「事故の役割」（アメリカの目論見）を果たしたとして、事実上、韓国側から幕引きを求めるものでしょう。　勿論この先管政権がどのように対するのか？にも係ってきますが、国連「安保理」や６月中にも行われる予定の「朝鮮半島有事を想定した米韓合同軍事演習」（在日米軍部隊も参加する）がどのような展開に成って行くのか？日本の状況次第で如何様にも成り得ると心得ておくべきです。

またこれからも、折に触れて、「在日米軍」の問題が起きる毎に、この「北朝鮮カード」は切られることになるでしょうが、もし民主党にアドバイスするとしたら、この先何が起ころうとも、「やれるものならやってみろ」と居直ること、慌てず騒がず、受け流すことです。

何故なら、前回、細川政権時の「恫喝」、−当時大統領だった金泳三氏は、その「回想」で、韓国の意向を無視して、勝手に北爆しようとしたと憤慨しておりますが、この時感じた韓国支配層や国民の米軍への不安・恐怖・反発が「半島ナショナリズム」を刺激し、その３年後、「南北融和」＝「太陽政策」（という名の、それまで隠されて来た南北協調関係を明るみに出していく）を掲げる金大中大統領を誕生させたのです。　

今回もまた、前回同様、日本の態度次第で、米軍が「半島危機」をエスカレートさせて行くことも考えられますが、同時に、そのことが却って「半島ナショナリズム」を激発させることにもなりかねない。　米軍にとって悪夢の選択！在韓米軍の撤退→在日米軍への波及ー「半島ナショナリズム」と「琉球ナショナリズム」がリンケージした時を考えてみよ！ーとさえなりかねないのです。　今回の韓国で行われた統一地方選の選挙結果にその兆候が現れていると見れば、寧ろ追い詰められてるのは実は米軍と、基本的には考えておいた方がいいのです。

それにしてもー

このように、細川政権とソックリになって仕舞いましたが、では前回の繰り返しか？というと、やはり、歴史は動いてるというか、明確な違いも又在ります。

決定的に違うのは何か？　ーそれは官僚の姿勢です。　官僚の態度が細川政権時とは決定的に異なっている。
それが何故なのか？ーその意味するものは何なのか？　その辺の所を考察しておりますので、興味のある人は覘いてみて下さい。
またこれを読めば、小沢一郎の持ってる歴史的意味も理解出来るでしょう。

http://www.asyura2.com/09/dispute30/msg/256.html
http://www.asyura2.com/09/dispute30/msg/257.html
http://www.asyura2.com/09/dispute30/msg/259.html
http://www.asyura2.com/09/dispute30/msg/261.html
http://www.asyura2.com/09/dispute30/msg/262.html
　

コメント
01. 2010年6月29日 20:23:06: 1zIJ9IqnwE >「東アジア共同体」（日中韓）か？「極東安保」（日米韓）か？ 国益を真剣に考えると、日豪印じゃないのか？ 中も米も信頼できる相手なのか？ 日豪が手をつなぐことで得られるメリットと考えたとき、捕鯨の問題は 取るに足らないはずなのだが。
02. 2010年6月29日 20:36:13: 6DJHOq1hr5 >国益を真剣に考えると、日豪印じゃないのか？ 日豪印は副次的ですね。　何故なら、主要矛盾はアメリカ＝「地政学」に在るのだから。 >中も米も信頼できる相手なのか？ 世界史的立場から、米は有り得ません。　 >日豪が手をつなぐことで得られるメリットと考えたとき、捕鯨の問題は 取るに足らないはずなのだが グローバリズムの最も恐ろしいのは、その「文化一元主義」です。 それを表してる問題が「捕鯨」なのです。 http://www.asyura2.com/09/dispute30/msg/188.html
03. 2010年6月29日 21:04:17: pp0EWQcIBU どちらの組合せも、EUにロシアかアメリカを入れるようなものだな。
04. 2010年6月29日 21:08:04: 6DJHOq1hr5 >どちらの組合せも、EUにロシアかアメリカを入れるようなものだな 元々ＥＵ自体対米戦略で創られたものだからな。　しかも、その中核に居るドイツは裏ではロシアと繋がっているのは公然の秘密。 つまり、ＥＵにとってのロシアは、日本にとっての中国ということさ。
05. 2010年6月29日 22:06:48: QIxHTyiC1g 02さま >グローバリズムの最も恐ろしいのは、その「文化一元主義」です。 おっしゃるとおりだと思います。
06. 2010年6月30日 11:35:26: EMzXytPluA アメリカが本気になってことを起こす気であったなら、韓国にあのような見え見えの証拠なるものを公表させるはずがなかったと思いますが。
07. 2010年6月30日 11:56:47: YMtmkbAcWw >アメリカが本気になってことを起こす気であったなら、韓国にあのような見え見えの証拠なるものを公表させるはずがなかったと思いますが 全く同じ論理が９.１１にも言えますなぁ、ｗ

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