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2010年6月28日 (月) 05:40
消費税増税参院選の意味を伝える輪を広げよう
参院選が7月11日の投票日に向けて、いよいよ佳境に入る。
菅直人首相は、マニフェスト発表の場で消費税率10%への引き上げを示唆した。
玄葉光一郎特命相兼政調会長は、
「マニフェスト発表の場で自身の言葉で言ったのだから、当然、公約になる」
と明言した。(http://uekusak.cocolog-nifty.com/blog/2010/06/10-42b1.html)
つまり、消費税率引き上げを菅直人首相は政権の公約として掲げ、この参院選に挑んだのである。
自らの信念と思想、哲学に基づいて消費税大増税=法人税減税を公約に掲げたのなら、逃げたり隠れたりせずに、堂々と公約を明示して参院選を戦うべきである。
ただ、大きな問題がいくつもある。
民主党は昨年8月30日の総選挙で、鳩山由紀夫前代表が、衆議院の任期中は消費税増税を行わないことを明言した。これが主権者国民との約束=契約である。
菅直人首相は消費税増税を公約に掲げたと民主党政調会長が明言しているが、党内でどのような論議をし、いつ、その公約を決定したのかを有権者に明らかにする責任がある。
菅首相も党運営について、代表による独裁的な意思決定などが望ましくないと主張してきた人物の一人であると思われる。
党政調会長はマニフェスト発表の場で明言したことだから、当然、公約であると明言しているが、党としての公約を決定するには、党内のしかるべき手続きが必要なはずである。
まして、昨年8月30日の総選挙で主権者国民に約束したことと、正反対の内容を含むのであれば、その決定には慎重の上にも慎重を期すことが求められるはずだ。
繰り返し、税目別税収推移を示すグラフを掲示する。
グラフ
http://uekusak.cocolog-nifty.com/photos/uncategorized/2010/06/23/photo.gif
植草一秀の『知られざる真実』より
1990年度から2009年度にかけて、経済規模を示すGDPは451.7兆円から476.0兆円へ小幅増加したが、税収は60.1兆円から36.9兆円に減少した。そのなかでの法人税と消費税推移は、
法人税 18.4兆円 → 5.2兆円
消費税 4.6兆円 → 9.4兆円
となった。
法人税が1990年度と比較して約4分の1に激減したのに対して、消費税は2倍強に増加した。
このなかで、菅首相は4分の1に減少した法人税を減税する一方で、低所得者ほど負担感が重くなる消費税について、10兆円もの大増税を実施する方針を示しているのだ。
数年来、法人税減税を主張する勢力が存在するが、法人税減税の主張に説得力はない。
政府税制調査会は、2007年11月に発表した、
『抜本的な税制改革に向けた基本的考え方』に、(http://www.cao.go.jp/zeicho/tosin/pdf/191120a.pdf)
「課税ベースも合わせた実質的な企業の税負担、さらに社会保険料を含む企業の負担の国際比較を行った試算において、我が国の企業負担は現状では国際的に見て必ずしも高い水準にはないという結果も得た」
と明記している(17−18ページ)。
つまり、「日本の法人税負担は国際比較でみて高くない」というのが、日本政府の公式見解なのである。
それにもかかわらず、法人税減税を実施して消費税を大増税しようとするのは、政権が大資本と癒着していると同時に、情報工作を担当するマスメディアに対する支配権を有する大資本を消費税増税賛成派に引き込むためであると考えられる。
官僚の天下り根絶などの官僚利権への切り込みはまったく行われていない。
一般庶民から搾れるだけ搾る消費税大増税を実現してしまえば、官僚利権にメスを入れることなど必要なくなる。
早期の消費税大増税は官僚にとっても望ましい決定なのだ。
米国は米国の言いなりになる政治屋、官僚、大資本を操り、その手先であるマスメディアをもコントロールして、日本支配を維持しようとしている。
日本の主権者国民は、在日米軍基地にNOの意思表示を鮮明に示し始めている。もしも、日本に米官業ではなく主権者国民の意思を尊重する主権者国民政権が樹立されたら、米国はこれまでのような日本支配、日本収奪を行えなくなる。
だから、米国は米国言いなりの、対米隷属の日本政治構造を死守しようとしている。菅直人氏は首相に就任するために、米国に魂を売ってしまったのだと思われる。
日本の財政は危機的な状況に陥ったが、最大の理由はサブプライム危機に連動する不況で、大型景気対策を打ち、税収が激減したからである。これで、25兆円の財政赤字があっという間に53.5兆円に膨張したのだ。
したがって、財政収支を改善するには、まず、日本経済を回復させることが最優先されなければならないのだ。
ところが、財務省は異なる発想をする。財政収支が劇的に悪化したことを悪用するのだ。財政危機を煽り、増税やむなしの空気を作り出すのだ。
増税を実現するには二つのハードルを越えなければならない。ひとつは、政治家に増税路線を言わせることだ。もう一つは、増税を提唱した勢力が選挙で過半数を確保することだ。
この二つの条件がそろうことはめったにない。しかし、二つの条件がそろったら、財務省は必ず増税を実施する。日本経済がどうなろうと、死者が何万人出ようと関係ない。財務省はひたすら増税に向って突き進む。だから、今回の参院選を決して甘く考えるべきでない。
消費税大増税派が過半数議席を確保すれば、次の国政選挙の前に必ず消費税造営が実行される。最も可能性が高いのは2012年度後半の実施である。
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増税は国民のために実施するのではない。官僚の利益のために行うのだ。
税金をふんだんに使って、利権三昧の生活を堪能するためである。
米国と大資本とメディアと政治屋と結託して利権三昧の生活を送ることが、官僚にとってのこの世の喜びである。これが官僚の基本行動様式だ。
菅政権は、誠に残念なことに、米官業のトライアングルと手を結んでしまったのだと考えられる。
主権者国民政権ではなくなってしまった。
だから、主権者国民はこの菅政権を短命に終わらせなければならないのだ。
世界経済が2011年に向けて再びトンネルに向おうとするときに、10兆円大増税など言語道断である。
しかし、武士に二言はない。菅首相はマニフェスト発表会見で10%消費税を明言したのだから、是非、この10%消費税を堂々と掲げて参院選を戦うべきである。
主権者国民が賢明であるなら、その結果として、菅政権は短命に終わることになるだろう。
「信なくば立たず」
である。
小沢一郎氏は政権交代実現の最大の功労者である。小沢一郎氏に近い国会議員が150名も存在するが、この国会議員はすべて、主権者である国民の負託を受けた重い存在である。
民主党の名にふさわしく、民主主義の根本原則に則った行動が取られなければならない。
小沢一郎氏は政治的謀略によって激しい攻撃を受け続けてきたが、問題とされたことがらをすべて精査するなら、小沢氏に対する攻撃はすべてが、根拠なき誹謗中傷の域を出ない。
法治国家の根本原則に、
@法の下の平等
A罪刑法定主義
B基本的人権の尊重
C無罪推定の原則
D公務員の守秘義務規定
などがある。
小沢氏に対する誹謗中傷は、すべてが、この根本原則に照らして不正であり不当なものである。
そのような不正で不当な攻撃を小沢氏が受けたなら、政治的同志として、共に闘うのが正しい姿勢ではないのか。
政治謀略やその謀略と連携したマスゴミの攻撃に乗じて、小沢氏を攻撃して、それを党内政治力学に利用するのは最低の行為である。
仁義礼智信を失えば、拠って立つところは悪しかなくなる。
悪は最後には必ず亡びるものである。
官僚利権も断たず、景気回復も実現しないなかで、庶民大増税に突き進むことは、完全な大間違いである。
とはいえ、マニフェスト発表会見で10%消費税を明言したのだから、菅首相は正々堂々と、この看板を掲げて参院選を闘い抜くべきである。
世論調査の数字に反応して、主権者国民に提示した公約を出したり引っ込めたりするなら、初めからそのようなものを提示するべきでない。
主権者国民にとって重要なことは、参院選後の政局である。
残念ながら、主権者国民政権は6.2クーデターで、対米隷属派に乗っ取られてしまった。信も義も仁も礼もない。この大義なきクーデターには智も備わっていないことを知らしめなければならない。
参院選後、あるいは、9月の民主党代表選後に主権者国民政権を再樹立しなければならない。
今回の参院選を消費税大増税選挙と位置付け、消費税大増税派を粉砕しなければならない。そして、主権者国民政権を樹立するのだ。
法人税減税=消費税大増税路線の矛盾を一人でも多くの国民に口コミで伝えてゆかねばならない。
ネット読者が10万人でも、それぞれが10人に伝達し、伝達した10人にさらに10人に伝達することを確実に託してゆけば、3回の伝達で1億人に伝達することも可能になる。
口コミ伝達の輪を拡大し、伝達能力を強化することで、ネット発信情報も大きな威力を発揮し得ると考える。
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