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平成22年6月21日発売
新聞・テレビでは絶対わからない「空きカン内閣」の真実D
なんと「マニフェストやめます」閣議決定まで!
空きカン内閣≠ノ官僚が詰めた「消費税10%」の毒入りジュース
菅首相といえば、短気を表わす「イラ菅」や、責任をとらない「ズル菅」などの異名で知られる。しかし、霞が関官僚の間では、最近、「空き菅」なるあだ名が広まりつつある。そのココロは、「中身は空っぽだが、蹴飛ばすと大きな音を立てて遠くまで飛ぶ」(財務官僚)というのだ。首相はじめ新内閣の閣僚たちが声高に叫ぶ「消費税増税」の主張を聞くと、悲しいかな、この政権が官僚たちの拡声器≠ノ堕した様が浮かび上がる。
*
菅内閣が発足した6月8日夜の初閣議の冒頭、霞が関を沸かせる重要な決定がなされた。
〈政務3役と官僚は、それぞれの役割と責任の下、相互に緊密な情報共有、意思疎通を図り、一体となって、真の政治主導による政策運営に取り組む〉
──そう書かれた『内閣の基本方針』に全閣僚が署名したのだ。文案は首相の意を受けた仙谷由人・官房長官、財務省OBの古川元久・官房副長官らが内閣官房の官僚たちとまとめ上げたもので、大臣ら政務3役と官僚の「一体化」という菅官政権≠フ樹立宣言だった。
政権交代直後の昨年9月、鳩山内閣が、〈わが国は、官僚依存の政治システムからの脱却を目指す〉(内閣の基本方針)と謳いあげた民主党政権の大方針を、わずか8か月で180度転換し、官僚に全面降伏したのである。
それからの菅首相はまさに官僚の操り人形だ。
副総理時代の昨年10月には、「霞が関なんて成績が良かっただけで大馬鹿だ」と虚勢を張っていたのに、首相就任会見では一転して「官僚は政策のプロフェッショナル」とおべんちゃらを使い、そのうえ、所信表明演説で「消費税を含む税制の抜本的な改革」を表明して、財務官僚はじめオール霞が関の悲願だった消費税引き上げにはっきり舵を切った。
役人は現金だ。
「新たな消費税率は10%。引き上げ分の5%のうち1%は地方財源にすることで財務省とは話がついている」(総務官僚)「わが省はODA予算から在外公館の経費まで削られてきた。これで一息つけるはずだ」(外務官僚)
──と、早くも「財源山分け」に虎視眈々となっているのである。
財務省は菅内閣に増税を強行させるためにさらなるムチをあてた。民主党のマニフェストを人質≠ノ取ったのである。
民主党が昨年の総選挙で国民に約束した「子ども手当」の満額支給(1人1か月2万6000円)や高速道路の無料化、農家の戸別所得補償などの公約実現には年間約17兆円の財源が必要になる。しかし、財務省は菅内閣がまとめる「財政運営戦略(案)」に、今後3年間、予算の上限を71兆円(国債費を含めず)に抑制し、(歳出増または歳入減を伴う施策を新たに導入・拡充する際は、それに見合う安定財源を確保する)という方針を盛り込ませた。
つまり、6月にスタートした子ども手当の半額支給などすでに始まったものを除いて、今後は「安定財源=消費税増税」をやるまでは、残りのマニフェストを一つも実行できないように縛りをかけたのである。
民主党はマニフェストを修正して「子ども手当」の満額支給を事実上断念し、その代わりに差額を幼稚園や託児所への助成など「現物給付」にする方針だが、それさえ、増税するまでできなくなる。
「これはマニフェストは実行しないという宣言です。党内に一切説明はなかった。ここまで官僚の言いなりになるとは」方針を知らされた民主党の衆院常任委員長の一人はそう吐き捨てた。
「座敷牢」と「恥かかせ」
菅首相はなぜ就任早々、自ら官僚の走狗になったのか。裏には、財務官僚の執拗な「籠絡作戦」があった。
手始めは《座敷牢作戦》だった。副総理兼国家戦略相時代の菅氏は、「予算編成の基本方針は国家戦略室で決める」と主張し、「予算編成権は財務省にある」とウソをついて抵抗する当時の藤井裕久・財務相とバトルを演じた。
憲法上、予算編成権は「内閣」にあると規定されている。
このままでは予算編成権を奪われかねないと危機感を募らせた財務省は、菅副総理の秘書官として主計局出身の大矢俊雄・参事官、国家戦略室スタッフに高田英樹・主計官補佐を送り込んで両脇を固めさせた。それ以後、菅氏に情報が届かなくなり、戦略室は開店休業状態に陥った。
民主党議員が役所に都合の悪い政策を献策しようと大臣室に連絡を入れると、役人に「時間が取れない」と断わられ、本人に電話がつながっても、「その件は財務省と相談してくれ」と菅氏から思いもかけない言葉が出るようになった。
「菅さんになんとかアポを取って会うときも、大臣室は使えず、議員会館の部屋でした。役所側は菅さんが大臣の立場で言質を与えないよう、一議員としての意見交換であることを面会する場所で区別するという役人流のやりかたを強要し
た」(菅氏に近い民主党議員の一人)
これが大臣への情報を遮断する《座敷牢》と呼ばれる官僚手法である。
そして今年1月に菅氏が財務大臣として財務省に乗り込むと、官僚は罠を仕掛けて待ち受けた。《恥かかせ作戦》である。
1月26日の参院予算委員会で、麻生内閣の経済財政担当相を務めた林芳正議員が新米の菅財務相に論戦を挑んだ。
その中で菅氏は基本的な経済用語である「乗数効果(※)」の意味が理解できず、トンチンカンな答弁を繰り返して審議が4回もストップした。「菅には経済がわからない」と永田町、霞が関に笑われた「乗数効果事件」である。
これには裏があった。本来、大臣答弁は役人が事前に質問者から質問内容を聞き取りして作成する。
内閣府の中堅官僚が舞台裏を語る。
「財務官僚は事前の大臣レクなどで菅氏が乗数効果について勘違いしていることを知っていた。それを本人に忠告しないで、逆に か菅は乗数効果を知らない。論戦を吹っかけたら勝てますよ″という情報を林さんなど財務省にパイプが太い自民党の政治家に伝えた。大臣に恥をかかせるために財務省が仕掛けた罠だった」
プライドが高い菅氏にとって、この恥かき事件が官僚の軍門に下る決定打になった。元経産官僚で官僚の政治家操縦の実態を描いた『官僚のレトリック』(新潮社刊)の著書がある原英史・政策研究大学院大学客員准教授が指摘する。
「プライドが高く、知識に自信がある政治家ほど官僚は操りやすい。菅総理にとって乗数効果質問がトラウマになっていることは、その後の国会答弁が官僚の答弁書の棒読みになり、すっかり覇気がなくなったことでわかります。
※乗数効果/経済学の用語で、政府支出や投資によって有効需要を増加させた時に、その増加額より大きく国民所得が拡大する現象のこと。
しかし、菅首相が霞が関と手を組んだのは、足を引っ張られるのが怖いからだけではない。有力な政治家が官僚を味方につけると、政敵のスキャンダルから官邸や党内の動き、どの議員がどんな陳情を取り次いだかなど、どんどん情報が入ってくる。次の首相をうかがっていた現実主義者の菅さんは、そこまで計算して副総理の頃に霞が関と組んだのではないか」
その見返りに菅氏が官僚に踏まされたのが、前章で指摘した「消費税増税」の踏み絵だったというわけだ。国民のカネで地位を買ったと批判されても仕方ない。
(※写真あり)
増税内閣の面々(写真左上より時計回りに、野田氏、岡田氏、前原氏、玄葉氏)
内閣は完全な「増税シフト」
菅内閣の顔ぶれからも逆コース≠ェわかる。
菅氏は前任の鳩山氏同様、もともと増税論者ではなかった。しかし、新内閣は完全な財務省寄りの増税派シフトとなっている。
増税派の筆頭が国家戦略相から内閣ナンバー2に昇格した仙谷官房長官と岡田克也・外相。2人は04年参院選で岡田代表──仙谷政調会長ラインで消費税の引き上げを民主党の公約に掲げた根っからの増税派だ。
次に大抜擢組が2人。新財務柏の野田佳彦氏は、鳩山内閣の財務副大臣時代、「4年間は消費税を上げない」という首相方針に逆らって、いち早く「消費税論議を始めるべき」と打ち上げ、財務省の覚えがめでたい霞が関のポチ≠セ。さらに公務員改革相兼民主党政調会長を兼務する重要ポストに就いたのが玄葉光一郎氏。玄葉氏は首相交代直前の5月末、民主党議員180人を集め、消費税率引き上げで財政再建を目指す勉強会「国家財政を考える会」を旗揚げし、党内世論を「増税容認」へと大きく傾けたとされる。財務省の増税路線に貢献した議員が論功行賞≠ナ入閣したという、何ともわかりやすい薄っぺらな人事である。
そしていまや、「増税すれば景気は良くなる」という論理で強い経済、強い財政論を宣伝する菅内閣と、霞が関、新聞・テレビの大マスコミが一体となって、「消費税引き上げ」の国策大キャンペーンを展開している。大マスコミが霞が閑の代弁者であることは、ここで改めて説明するには及ばないだろう。
田中秀臣(ひでとみ)・上武大学教授は、この内閣の危うさをズバリと指摘する。
「増税で景気回復するなどウソです。菅内閣が消費税の税率を上げて搾り取ろうとしているカネは、もともと国民が自由に使えるはずのお金。それを政府が取り上げて、国民のかわりに役所が適切に℃gってやろうという話。しかし、これまで官僚が税金を国民のために有効に使っていなかったから蓮肪行政刷新相たちは事業仕分けをしてるんでしょう。増税でさらに官僚に金をやっても、ちゃんと使えるはずがないことは子供でもわかる。
しかも、増税で搾り取られた国民は一層財布の紐を締める。消費意欲は減退し、経済縮小に向かう。世界のどの国も、本気で景気国復したいなら、増税なんて政策は取りません。菅内閣の増税論は、官僚が縮小する経済の中でも自分たちだけは自由に使える金を確保したいということです」
まさに中身のない空きカン≠ノ官僚が詰めたのは、国民と国家を亡ぼす毒入りジュースである。
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