http://www.asyura2.com/10/senkyo89/msg/297.html
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株式日記と経済展望
http://www5.plala.or.jp/kabusiki/kabu218.htm
http://blog.goo.ne.jp/2005tora/
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いずれまた「秋葉原」のような事件が起きるだろうと警告しましたが、
民主党政権になっても「同一価値労働同一賃金」は実現していない。
2010年6月26日 土曜日
◆マツダ工場11人殺傷の容疑者 秋葉原通り魔事件との共通点 6月23日 J-CASTニュース
http://www.j-cast.com/2010/06/23069448.html
11人もの無差別殺傷事件を起こしたマツダの元期間社員は、同社の関連企業などを転々としていたと報じられている。同社への恨みを供述しているというが、この間に何があったのか。
「秋葉原と同じことをしてやろうと思った」。広島県警に殺人未遂の疑いで逮捕された引寺利明容疑者(42)は、2010年6月22日朝に起こした悲惨な事件について、こう供述したという。
「退職を求めていたとは聞いていない」
秋葉原通り魔事件と共通しているのは、引寺容疑者も自動車関連工場に非正規社員として勤めていたことだ。そして両者とも、孤独で、何かに深い恨みを抱いていた。
マツダ側の説明によると、引寺容疑者は3月25日、広島県の本社宇品工場で直接雇用の期間社員として半年契約で採用された。研修を経て、4月1日からバンパー製造部門で働いていたが、同14日に「一身上の都合」で突然退職した。この間、有給休暇を2日取っており、実働はわずか8日間だった。
引寺容疑者は、「工場を解雇された」と供述しているというが、同社は、「トラブルはなかった」としており、主張が食い違っている。
期間社員として働くまで、引寺容疑者は、同社の関連企業などを転々としていたらしい。新聞各紙によると、広島市内の工業高校を卒業後は、マツダ関連の部品メーカーに入社。約6年半勤めて、1992年に依願退職した。その後は、同社関連の部品メーカーを含めて、派遣社員として複数の会社を転々としていた。08年5月には自己破産したことも分かっている。
マツダ工場で期間社員として働いた後は、ゴム製品の加工メーカーで派遣社員として働くなどしていたという。
こうした経歴の中で、マツダへの恨みが募ったことはないのか。
同社の広報部では、「他社でのことは、個人情報にも関わりますので、お答えすることではないと考えています。また、こちらから退職を求めていたということも、一切聞いていません」と言う。2日も有休を取ったことについても、引寺容疑者の希望だったとしている。(後略)
◆マツダ工場内暴走事件の衝撃 6月23日 JanJan
http://www.janjanblog.com/archives/6848
もちろん、今の日本には以下のような状況がある。
当事者は当事者で、生きるのに精一杯で、他人を省みる余裕がない場合も多い。
一方、当事者以外は、「俺には関係ない」「自己責任だろ」などと切り捨てて済ませがちである。そして、個人が暴発するまで、問題が放置される。そんな状態が続いてきたことが大問題である。
残念ながら、我が民主党でも、いわゆる「自己責任論」にとらわれた議員なりスタッフなりが少なくないのです。党を内側から見ていてそれは痛感する。「なぜ、民主党が総選挙で勝ったか」、理解していない方も多いのではないか?
労働運動にも問題はあった。2008年末の派遣切り騒動の後、共産党がマツダ正門前でビラを配っていたら、「組合役員が、ビラを受け取った人(派遣切りに遭った派遣社員)を追いかけて、ビラをひったくった」のです。別にわたしは共産党を支持するわけではないのですが(参院選では与野党として激しくぶつかり合います)ビラをひったくるなんて、厳密に刑法を適用したら犯罪になります。
派遣社員追いかけ、労組がビラを奪う マツダ正門前の寒々しい光景
http://www.news.janjan.jp/living/0812/0812073041/1.php
■「過去の成功体験」が変化を妨げる
さらに、連合の一般組合員にも、いざ非正規社員の話となれば、冷淡な方が少なくないのが現実ではないか?実は組合幹部(いわゆるダラ幹と揶揄されている)だけの問題ではない、と思います。
例えば、地方で、仕事がなくなり、仕方なく東京や名古屋、広島にやってきて、いわゆる(違法派遣を含めた)ブラックな職場で働かざるを得なくなった人も多い。しかし、そういう事情を知らない人は、「甘えている」「そんなところで働かなければ良いのでは?」などという認識になるのでしょう。
もちろん、年配の正社員や公務員でも、子どもが非常勤職員や派遣しか就職口がなかったことなどを機会に問題意識を持っていただいている方もおられます。
「自分は多少恵まれているからいいや」では済ませてはいけないのですが、現実にはそうなりがちである。
もう、「官僚や議員が企業を保護する。そして企業が世帯主を保護する。しわよせは、下請け企業に。」という、モデルは、成り立たない。高度成長期からバブルまでの遺物です。大手企業は、古いモデルを護持するためにも、しわ寄せを、下請け企業から派遣労働者へと広げていったのです。
もちろん、政権が代わり、雇用保険適用拡大、高校授業料無償化など、前向きな変化は見られる。
民主党を支持する労働組合でも変化は起きています。広島電鉄では非正規社員と正社員の均等待遇に踏み出し、「広電方式」として市長にも紹介されるなど、名高い。県庁でも、非常勤労組ができた。「事件現場」となってしまったマツダでも7月から契約社員を労組に組織しようと方針転換したばかりである。(実際には、共産党や独立系ユニオンなどの浸透を恐れた面が多分にあるでしょうが。)
でも、結局、残念ながらまだまだです。日本が20年の遅れを取り戻すのには時間が掛かる、と思います。
■「何のための政権交代か?」といわれないために
なお、自民党時代には、下手に「同一価値労働同一賃金」などをいえば「正社員の待遇を非正社員に合わされるだけでは?」という疑心暗鬼は、組合側にもあったでしょう。
しかし、政権交代が起きた今、そんな屁理屈を振り回している場合ではない。 同一価値労働同一賃金(むしろ、派遣などは不安定な分、手取り時給は二倍くらいでいい。)を行う。お金持ちに甘く、課税ベースも小さくなった所得税を見直す。
そのかわり、正社員も、教育や医療、住宅などの負担は減る。そういう社会に転換させねばならない。
秋葉原やマツダで事件があったからどうこうではない。日本はこの20年間、やるべきことをサボっていた。それをきちんと処理すべきである、と感じます。
正直、経営者も政治家も、労働組合も、「冷戦+高度成長」という組み合わせの時代感覚から抜け出していないのが実態でしょう。なまじそれで「うまくいっていたように見えた」から、なかなか、変えられないのかも知れない。
だから、経営者は、21世紀になっても、いつまでもアメリカへの輸出に依存する仕組みを、労働者を使い捨てにして維持しようとした。
大きな労働組合も、2008年末の段階では「派遣切りにあった人を追いかけて共産党のビラを奪う(反共)」方に力を入れてしまっていた実態はあった。
繰り返します。政治や社会を通じ、体系だって問題を解決できるようにしないといけません。「個人の暴発」に慌てて対応するということを繰り返していては、日本国の恥です。
(私のコメント)
秋葉原の目差別殺人事件が起きてからちょうど二年になりますが、その間に麻生自民党政権から民主党に政権が交代しました。この事件がきっかけとなって政権交代が起きたわけではありませんが、新自由主義経済政策を続ければ何処かに歪みが出てきます。「株式日記」でも、このままではいずれまた同じような事件が起きるだろうと警告しました。
しかしながら民主党に政権が交代しても派遣労働を規制する法律を作る動きがあるようですが、「同一価値労働同一賃金」への見直しには一向に動く気配は無い。民主党政権は労働組合には優しくても、必ずしも非正規労働者には優しくない。民主党は正規の労働者の組合に支持された政党であり、非正規の労働者には組合のような組織が無いからだ。
マツダの工場でおきた今回の事件の実行犯も派遣を首になったのではなく期間工であった。つまり派遣労働から期間工に切り替えは確実に進んでいたのですが今回のような事件が起きた。つまり正規社員と非正規社員の差別的待遇は何一つ改善がされていないと言うことだ。いずれ期間が来れば期間工は契約が切れて首になる。
今回の事件の実行犯もマツダ関係の下請工場などを転々としてきたようですが、若い頃には出来た様な作業も40歳代になれば作業に付いて行けなくなるでしょう。しかし非正規社員は使い捨てにされるから歳をとれば仕事口も見つからなくなる。非正規社員は正規社員の半分ぐらいしか給料をもらえないから貯蓄も出来ない。
問題は派遣労働という制度が悪いのではなく「同一価値労働同一賃金」がなかなか実施できない所に問題があると「株式日記」では指摘してきましたが、政治家の皆さんは額に汗して働いた事がない人が多いから非正規労働の実態がなかなか理解できないのだろう。民主党議員でも非正規労働者だったことを売りものにして当選した議員がいましたが今はどうしているのだろう。
民主党政権は正社員と公務員の労働組合が大きな支持母体だから、非正規社員たちの声が届きにくい。むしろ「同一価値労働同一賃金」を主張すれば正規社員が非正規社員レベルに落とされるという事が懸念されるから問題が解決しない。企業側は正社員を減らして期間工などの非正規社員にどんどんシフトして来ている。そうすれば人件費は半分で済むからだ。
中国や韓国のように待遇改善をめぐってストライキなどを起こせばいいのですが、正規社員の労働組合はむしろ経営側についてしまって非正規社員の差別的低賃金に乗っかってしまっている。公務員にしても非正規の公務員が増えて来ていますが正規の公務員が700万から800万円の高給取りなのに非正規は時間給で1000円にもならない。
◆民主党、「最低賃金を時給1000円(全国平均)にします」…マニフェストに数値目標明記へ 2009年7月11日 朝日新聞
http://newtou.info/entry/1594/
民主党は10日、総選挙のマニフェスト(政権公約)に、最低賃金を全国平均で時給千円とする数値目標を明記する方針を決めた。低賃金労働の改善に向けた象徴的な政策と位置づける。ただ、党内には経済情勢の悪化で慎重論も強いため、中小企業への補助も併記することになった。
最低賃金の大幅引き上げは07年参院選の公約に盛り込まれたが、中小企業を中心に経営者側に反対が強かった。党内からも「千円に引き上げたら、解雇の口実にされかねない」として、明記を見送るべきだとの声が出ていた。
だが、見送った場合は低所得に苦しむ若者から「後退」とみられかねないと判断。時期を明示せず将来目標とし、正社員と非正社員の均等待遇や派遣労働見直しなどとあわせ、改善に取り組む姿勢をアピールしたい考えだ。
08年度の最低賃金は全国平均で時給703円。北海道、東京、京都などで生活保護水準を下回る「逆転現象」が問題化している。連合は今年度は全国平均で15円程度の増額を求め、長期的には900円超を目指す。ただ91年度以降は30円以上増えたことがなく、「千円」達成のハードルは高そうだ。
(私のコメント)
このようにマニフェストを見れば票が欲しい為のリップサービスに過ぎなかったのでしょうが、マツダの工場で起きた事は民主党政権への失望の現われなのかもしれない。逆に民主党政権は消費税増税を打ち出してきましたが、時間給1000円や非正規社員の待遇改善は先送りにされてしまった。要するに有権者は騙されたのだ。
日本では賃上げデモやストライキは起きなくなった。起こせば工場をたたんで中国に移転するという脅しが効いているからでしょうが、経営者たちは1億円以上の報酬を貰うようになりソニーやニッサンなどの外人社長は数億円の報酬を貰っている。新自由主義経済が進めば有能な人材を確保するという名目で高額な報酬が支払われる。
要するに非正規社員は無能な何処にでもいる人材であり何時でも切り捨てられる存在だ。そのような人材が追い詰められれば秋葉原のような幣別殺人事件を起こすだろうし、民主党政権に失望して今回の事件も起きたのだろう。菅政権は新自由主義経済で増税一直線だ。ネトウヨたちは外国人参政権ばかり一生懸命だが、それよりも消費税増税と非正規社員の待遇改善先送りこそ民主党への一番の攻撃材料だ。
正社員や公務員の給与をカットして非正規社員に回すべきだ!
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