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公示日の夜、NHKの7時のニュースでは、各党の党首が生中継でインタビューを受ける特別企画が放送される。昨夜(6/24)の中継の中で興味深かったのは、「参院選後に自民党と大連立を組むことがあるのか」という質問に対して、菅直人が明確な否定をせず、言葉を曖昧に濁したことだった。即答で否定すると誰もが思ったし、質問した武田真一もそれを想定した問い方だったが、含みを持たせる意外な応答に当惑を覚えている様子だった。
国民の誰もが感じる感じ方を武田真一はする。8年前、小泉訪朝で拉致被害者の「死亡」が外務省から伝えられた生放送でもそうだった。6月に日韓W杯が開催され、開催国の両国が仲良く決勝Tに進出した年だ。忘れられない。武田真一への国民の評価と信頼は、あの瞬間に決まった。選挙後に消費税大連立、さらに、その先に民自大連立がある。菅直人は、54議席を割ったら責任をとるかという質問に対して、引責辞任せず続投するとも明言した。
過去2回の民主党の選挙を思い出すと、3年前の参院選では小沢一郎が、昨年の総選挙では鳩山由紀夫が、それぞれ選挙に敗北すれば代表を辞任すると国民の前で公言し、退路を断って潔く選挙に出師していた。私なりの読み方だが、おそらく、選挙情勢が急に暗転して不安が生じているのだ。54議席を目標に立てたのは6/15だった。6/22の党首討論会でも、明確に数字を出したのは菅直人だけだった。ここまでは民主党に順風で、選挙戦が民主党に優勢に進行している状況が窺い知れた。
54議席を割れば、ねじれ回避のために連立組み替えが必至となる。それ以前に、消費税増税に反対している国民新党とはすでに離縁が決定的で、民主党が単独過半数を取れなかった場合、別の連立が組まれるのは今から誰の目にも見えている。菅直人は、この参院選で負けた場合でも、連立を瞬時に組み替え、即座に消費税で解散して総選挙を打つつもりだ。
連立の組み替えは、民主党の分裂の政変も折り込んでいる。昨日(6/24)の小沢一郎の「60議席を目指すべき」の発言は、勝敗ラインを高く上げ、未達の場合は選挙後に責任を問うぞという牽制の意味が含まれている。久しぶりに小沢一郎が人前に登場する絵を作ったが、この場面は、当然、事前にマスコミに連絡が入っている。小沢一郎が公示日に山梨に入って演説するから、カメラを担いでニュースを撮りに来いという通達をマスコミが受けている。
連絡したのは、小沢事務所だろうか、それとも民主党の選対だろうか。どちらにせよ、マスコミの前で小沢一郎が勝敗ラインを言い、消費税の公約について執行部批判を言うという事態は、小沢一郎の復権への始動を意味する。おそらく、消費税問題で支持率を落とし、選挙の雲行きが微妙になって慌てた菅直人が、民主党内には消費税反対の小沢派もいるという「事実上のプルーラリズム」を有権者に訴求する高等戦術に出たのだろう。
民主党には政策に幅があり、消費税反対の受け皿も党内にあることを演出し、有権者を安心させようと謀ったのではないか。狡猾な男だ。菅直人と小沢一郎の間で微妙な駆け引きが行われている。結論から言って、今度の選挙で民主党を勝利させてはいけない。必ず54議席割れの結果を出し、消費税増税に拒絶の民意を突きつけ、菅直人の責任問題に発展させなければならない。
消費税だけでなく、規制緩和や大資本減税など一連の新自由主義政策に、国民の一票でストップをかけなくてはならない。菅政権を退陣に追い込み、亀井政権の日本にしなくてはならない。ここで菅直人に勝利を与えると、消費税は有無を言わせず引き上げられ、小泉政権と同じように社会保障の切り下げが始まる。当時、竹中平蔵と官僚たちが描いていた「骨太」の構想と計画に戻る。
菅直人の言う「強い社会保障」とは、新自由主義者にとっての「持続可能な社会保障」であり、つまりは、財政を理由に際限なく保障の水準を引き下げるという意味だ。詭弁の名手の菅直人は、いま口先で言っている約束を必ず破る。1年前、消費税は4年間は上げないと言っていたのは、代表の鳩山由紀夫だけではなく、それ以上に代表代行の菅直人が熱弁した政権公約だった。自民党はすぐに消費税を上げようとするが、民主党はその前に官僚の無駄を削り、特別会計に切り込んで新政策のための財源を捻出すると言った。
それが政権交代の意味だと説いた。それが、マニフェストにも書いてない「消費税10%増税」を、党内論議も経ぬまま口頭で選挙公約にする男である。菅直人は信用できない。財務官僚の操り人形だ。選挙に勝ったら何でもやる。財政危機を理由に、どんな負担でも平気で国民に押しつける。マスコミに煽らせて、世論調査の「数字」を出してくる。止められるのは選挙の機会だけだ。
選挙の情勢分析と議席予測については、まだ各誌十分に出揃っていないが、民主党の優勢と見ているところと、逆に劣勢と見ているところと、二つに見方が分かれている。先週(6/17)夕刊フジが出した小林吉弥の予測では、民主は59議席で勝利とあるが、逆に、6/24に日刊ゲンダイが出した予想記事では、民主は51議席で敗北の結果になっていた。
傾向として看取できるのは、先週までの予想は民主党を優位と出し、今週からの予想はそれが劣勢に転じている点だ。サンデー毎日の今週号でも、民主党の苦戦が予想されている。6/17の「消費税10%増税」の唐突な公約発表が、凶と出て内閣支持率を下落させたが、やはりその影響が出ていると見てよいだろう。今後、数字がどう変化するか。マスコミは今週末も世論調査を行い、内閣支持率と政党支持率を週初に発表する。
週刊ポストと週刊現代の2誌の予想記事も同時に出る。おそらく新聞も、全国の選挙区の当落予想と政党別の議席予想を記事にするだろう。争点が設定され、選挙戦の構図が固まった以上、そこで投票行動の流れはできる。少し奇妙なのは、星浩や与良正男や岸井成格が出番を控えていることで、彼らが「流れ」を定義づけていない点である。その意味は、現時点で勝ち負けの行方を読み切れていないという裏になる。ある程度の心証がないと、彼らは選挙の情勢判断で確言をしない。マスコミ論者の言う内容が結果的に大間違いすれば、立場を失って次から顔を出せなくなるからである。だから、星浩と与良正男と岸井成格の分析や予想が異なるということはない。情報を交換し合い、彼らの見解は常に一致している。
民主と自民の二党が消費税増税を公約に掲げ、どちらが勝っても消費税が増税されるという選挙構図になり、われわれ国民の気分は暗く重い。だが、実際には全く絶望する必要はないのだ。灯台もと暗し。幸福の青い鳥はすぐ傍にいた。われわれは簡単に勝利できる。勝利は手の届くところにある。どうなれば勝利か言おう。民主と自民の両方を負けさせればいいのである。簡単だ。
民主の獲得議席を現有の54から減らし、自民の議席を現有の38議席から減らせばよい。現有議席を1議席でも減らすことができれば、その政党の選挙は敗北であり、民意は公約の求めを拒絶したことになる。このうち、自民党の38議席は、おそらく、何もしなくても自然に減る。自民党が40議席を超えて躍進するなどという予想を立てている者はいない。昨夜のNHKの谷垣禎三の表情も、何やら最初から選挙後の辞任覚悟の雰囲気でインタビューに臨んでいた。
気の毒なほど痛々しかった。普通に考えれば、民主党に逆風が吹き始めた環境は、自民党の勢力挽回の機会であり、強気に出ていいはずなのだが、谷垣禎三の態度は全く違っていた。つまり、選挙区の調査情報が入っているのだ。今回、自民党は初めて野党で国政選挙を戦う。いわゆる支援組織とか利益団体は民主党に切り崩されている。さらに、これまで票の配給を受けてきた創価学会の支援を失う。自民党の議席減は確実で、選挙後は直ちに谷垣禎三は辞任、次の総裁をめぐって内部で混乱し、また離党者を出すだろう。自民党は崩壊過程に入っていて、社会党と同じ党解体の運命を辿りつつある。だから、われわれは自民党の勝利に気を煩わせる必要はない。
自民党にとって、「消費税10%増」の戦略は、考え抜いたウィニング・ストラテジーの隘路だった。これによってマスコミを味方につけ、マスコミに民主党を叩かせて、支持率を回復し、選挙現場のデフォルトの劣勢を挽回しようと策したのだ。ところが、菅直人が公約を合致させるクリンチ作戦に出たため、折角の戦略が水泡に帰す結果となった。自民党の議席は増えない。
自民党の選挙は敗北と決まっている。だから、残る民主党の現有54議席を割らせれば、それでわれわれは勝利を手にするのである。国民新党・共産党・社民党に票を集め、3党の現有議席を1議席でも多くすればいい。これまで民主党に投票してきた者には社民党か国新党への投票を促し、自民党に投票してきた者には国新党への投票を呼びかけるのである。その3党への投票がどうしても不可と言う者は、公明党でもみんなの党でもいい。
具体的に言おう。例えば、自民党が減らす議席は、そのままみんなの党の議席になればいい。民主党が減らす議席が、国新・社民・共産の3党に上積みされればいい。この勝利の想定と展望は、決して無理な図式ではない。選挙区では民主党は優勢で、1人区で自民党を制して議席を増やすだろう。選挙区で増やした分を比例区で減らさせ、国新・社民・共産に上乗せするのである。すなわち、比例区で民主党の票を思いっきり減らせればいい。それがわれわれの選挙の方程式である。
民主党の比例区の現有議席は18議席。これを半減の10議席にまで追い込む。あと2週間のうちに内閣支持率が30%にまで落ちれば、政党支持率も半減するだろう。参院選は衆院選とは異なり、基本的に政権の変動はなく、有権者は投票で冒険ができる。民主の比例票を半減させることだ。
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