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2010年06月23日
事業仕分けに見る、「変える」を徹底する難しさ
事業仕分けの熱狂の後、あなたは我に返り、こう尋ねます。「それで予算は結局いくら削減されたの?」
ちなみに、2009年の事業仕分けの成果は約7000億円と言われていますが、真偽のほどは分かりません。なぜなら、事業仕分けの判定の結果は強制ではないからです。そのため、2009年は3兆円の削減を目指していて、「7000億円では少ない」と言われていましたが、最終的な予算の削減額はもっと少なくなっているかもしれないですし、あるいはゼロ、もしくは逆に増えているかもしれません。これは、この4〜5月に行われた事業仕分けでも、現在行われている行政事業レビューでも共通の課題です。
こうした事業仕分けや行政事業レビューの最大の課題は、事業の“廃止”“見直し”“予算縮減”など、どれだけ厳しい判定を行おうと、その判定結果の見直しは、これまでそうした事業を担っていた実務方に任せきりになっていることです。
「ムダを省く」ということは、今までやっていたムダな作業や事業を止める、作業や事業のやり方を変える、作業や事業をよりふさわしい主体に任せる、事業主体の選定に競争を導入するなど、いずれもこれまでの行動を何らかの形で変えることです。行動が変わらなければ、ムダはなくならず、コストや経費は変わりません。どんなに仕分け人が的確で鋭い指摘をしようが、それを受けた結果として組織としての行動が変わらなければ何も変わりません。
●指示を出しただけで行動は変わらない
しかし、これまで実務を担っていた人間に、指示を出しただけで、本当に行動は変わるのでしょうか?
担当者もバカではありません。事業仕分けの場合、官僚や役人たちはむしろ非常に優秀な人間であり、その問題の専門家でもあります。仕分け人がちょっと資料を見て指摘できるようなムダは、言われなくても分かっていることばかりでしょう。それでは、なぜそうしたムダがなくならないか?
それはある意味、確信犯的に行われているからです。予算やコスト、経費に厳しいと言われている民間企業であっても、「取引先や提供しているモノ・サービスの質を変えると、現場や利用者から文句が来る」「これまで何度も顔を合わせていた取引先を切らなければいけない」「この作業や事業をやめれば、自分の仕事がなくなってしまう」「個人的に取引先によくしてもらっている」といった内に秘めた理由で、表立った抵抗はしませんが、行動を変えることに対して意識的、無意識的なサボタージュがなされています。
予算を確保してしまえば、コストや経費を削減することに、個々人はモチベーション、インセンティブがありません。オーナー経営者を除いて、組織の金は他人の金であり、1円を稼ぐことの難しさ、大変さを知っているのは、何度もお客さんに断られる営業を経験している人間くらい。組織の中は、ムダが心地良い人々でいっぱいです。これまでの行動を変えようとすると、これらの人間がすべて抵抗勢力に回るのです。地から自動的にお金を吸い上げられる、足りなくなれば簡単に借金ができる仕組みの行政では、こうした傾向はなおさら強まります。
そうした組織の力学を理解せずに、「仕分け結果を何が何でも守るべきだということではない。国民のさまざまな声は、次期予算編成に当然反映されるべきだ」(出所:6月15日 時事通信。探査機「はやぶさ」の帰還を受けた蓮舫行政刷担当相の発言。昨年11月の事業仕分けでは、後継機開発など衛星関連予算を削減と判定していますが、「はやぶさ」の成功でこの仕分け結果の見直しを許容したものと思われます)などという甘い態度を見せれば、一気に抵抗勢力につけ込まれます。
●本当に変わるまで個々人の行動を徹底することが必要
ムダの排除、コスト削減、経費削減に対しては、組織のあらゆる人間が抵抗します。こうした中で、それらを進めていくには、一度「変える」と決定したことについて、本当にそれが変えられるまで個々人の行動を徹底することが必要です。
それには、その仕事の担当を替え、その時にムダを省くこと、コスト削減や経費削減がその人間の使命であることを明確にした上で任に就けるなどの荒療治が必要です。しかも、それを担当する人間は、組織の中のすべての人間を敵に回す覚悟と、さまざまな抵抗、サボタージュを打ち破る圧倒的なノウハウがないと、ムダもコストも経費も省けないのです。
例えば、4〜5月に行なわれた仕分けの対象となった事業は230以上ありました。ここで、さまざまな行動の提言がなされたわけですが、1つ1つの指摘に対して、1つ1つの変更に対して、今回申し上げたような攻防が繰り広げられるわけです。
果たして、事業仕分け、あるいはその提言の中に、それらがすべて実施されるのを徹底される仕掛けは含まれているのでしょうか? 1つ1つの提言について、単なる指摘に留まらず、それを実行する、実施に責任を持つ、実施されるような仕組みを作る、そこまでを行って初めて、我々のような問題解決に携わる者は、役割を果たしたと言えます。(中ノ森清訓)
書かれているとおり柵的なことも多いのでしょうから、長い目で見ていかないと...
初年度ですから、こんなにいろいろなことをしていた、それが晒されただけでも・・・
総選挙が行われるまでに何とか形になっていれば・・・
特別会計を含めて、全ての事業仕分けがされれば・・・
それを見た後、その対処について各政党の公約で、選挙を行えば・・・
兎に角、どれほど今まで野放しになっていたか分かりかけただけでも、小泉竹中改革よりは数段まし
後は、民間企業の実態調査でしょう
本当に持続的な成長を望むなら、日本国民を大切にしていかないと・・・
私利私欲で政治家をしている人を何とかしないと本当にだめになってしまうでしょう
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