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2010/6/25
「普天間飛行場移設問題に係る日米共同発表に関する再質問主意書」ムネオ日記から
2010年6月23日(水) 鈴 木 宗 男
6月23日(水)
昨日返ってきた「2010年5月28日の日米安全保障協議委員会における普天間飛行場移設問題に係る日米共同発表に関する再質問主意書」の答弁書の内容について触れておきたい。
これは、普天間飛行場移設問題について日米が合意した内容に関し、日米安全保障協議委員会が5月28日に発表した共同声明について質問したものである。
この共同声明は英語で成文が作られており、その仮訳として和訳文がある。その仮訳に問題があると私は思う。
共同声明の英文には、
Both sides confirmed the intention to locate, configure, and construct the replacement facility in such a manner as toensure that environmental impact assessment procedures and construction of the replacement facility can be completed without significant delay.
との記述がある。右につき、外務省が作成した仮訳では、
両政府は、代替の施設の環境影響評価手続及び建設が著しい遅延がなく完了できることを確保するような方法で、代替の施設を設置し、配置し、建設する意図を確認した。
とされている。
問題は、「without significant delay」の部分である。
この言葉は、「著しい遅延がなく」ではなく、「著しい遅滞がなく」と訳されるのが外交上通常である。
それでは、「遅延」と「遅滞」にどの様な違いがあるのか。広辞苑によると、それぞれ次の様な説明がなされている。
遅延…物事が予定の期日・時刻より遅れて、のびること。長びくこと。
遅滞…期日におくれること。とどこおること。延滞。
これだけ見れば、「遅延」と「遅滞」に特に違いはない。しかし、「遅滞」には更に、
所定の期限を過ぎても債務の履行が完了しないこと。
という、法律上、民法上の意味もある。
そしてこの言葉には、「遅延」と異なり、合理的な理由がある場合には、義務の履行を遅らせることが可能であるという意味も含まれている。
よって、米国側の本来の意図は、
「普天間飛行場の代替施設を設置し、配置し、建設するに当たり、何らかの合理的な理由が生じた場合には、遅れることもやむを得ない」
というものなのだ。
しかし外務省は、「著しい遅延がなく」と訳した。
沖縄県民の理解、思いは二の次で、一切の遅れも許さず、とにかく米国側と合意した移設案を実施したい、こういう外務省の意図が透けて見える。
このことを質問主意書で指摘したところ、昨日の答弁書では、
平成二十二年五月二十八日の日米安全保障協議委員会の共同発表(以下「共同発表」という。)における御指摘の箇所の訳語として「遅延」と「遅滞」の間で違いが生じるとは考えていない。
というものだった。外務省は、自分達の意図をごまかそうとしている。
日本の国土のわずか0.6%の沖縄県に、全在日米軍の74%が集中している。
この様な沖縄県民が強いられている異常な負担、苦しみに思いを馳せ、県民の理解を得る努力をせずして、普天間問題の解決はない。
また昨日の答弁書では、
いずれにせよ、共同発表の正文は英文である。
との答弁がなされているが、これもおかしな話だ。
国家の関係はあくまで五分と五分である。
それぞれの母国語を用いて合意文書を作り、正文とするのが外交の常道である。
日米の合意事項についての正文が、なぜ英語だけなのか。なぜ日本語・英語の双方で正文を作らないのだろうか。
日ロ交渉でも、何らかの合意文書ができた場合、必ず日本語とロシア語の双方で正文を作る。
それなのに、なぜ普天間問題については英語の文書だけが正文となり、日本語の文書が「仮訳」となるのか。
これも対米従属を表しているのだろうか。
この点、次期国会が始まり次第、正しい認識を政府に問い質して行きたい。
国益を損ね、また、沖縄県民の思い、心をごまかす様なやり方は容認できない。
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