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http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/ronsetu/CK2010062302000105.html
【私説・論説室から】
若手官僚が嘆く改革頓挫
2010年6月23日
ほとんど報じられていないが、霞が関の各省庁で幹部クラスと若手官僚の「世代間対立」が深く静かに進行している。
なぜかといえば、民主党政権が公務員制度改革を投げ出して、幹部クラスを厚遇する一方、新規採用者数の四割削減という形で若手にしわ寄せがくる事態がはっきりしてきたからだ。
ある官僚が語る。「若手はやる気がうせている。幹部は高給を保証されて優雅な窓際族になったり、独立行政法人に現役出向するのに、入省まもない若手は来年も再来年もコピー取りをするしかない。新人が入ってこないからです」
「幹部たちははっきり言って、逃げ得。改革に抵抗してさえいれば、当面の生活は保障される。でも若手は政策立案にかかわれず、スキルも向上しない。転職すらできなくなる」
改革が進まず、国家公務員人件費は公約の二割削減どころか、逆に二割増加する見通しだ。新規採用削減方針はその場しのぎの苦肉の策として出てきた。結果的に公務員のやる気を引き出すどころか、将来を嘱望される若手たちが怨嗟(えんさ)の声を上げているのだ。
財務省が中堅若手を集めて、省の改革プランを練ったら「官民交流や能力実績主義の徹底、試験制度の見直しによる中途採用拡大」といった案が真っ先に出てきた。官僚だって中堅若手はまともである。民主党政権はなにをしているのか。 (長谷川幸洋)
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