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沖縄の子どもたちに広がる「格差と貧困」の連鎖(保坂展人)
http://www.asyura2.com/10/senkyo88/msg/851.html
投稿者 呆頭息子 日時 2010 年 6 月 20 日 09:37:28: PmmF2AZ8JuIBc
 


沖縄の子どもたちに広がる「格差と貧困」の連鎖(保坂展人)

http://blog.goo.ne.jp/hosakanobuto/e/ec3e0c77482c64d62ec23c1d5a4159fd

政治 / 2010年06月19日

 
 ぎっしりと人埋まった4・25県民集会から約2カ月が過ぎた。あの日の朝、政府官邸筋から「辺野古杭打ち・桟橋方式」を検討しているという情報が流れてきたのも偶然ではあるまい。沖縄県民が一致結束して「普天間基地の県外・国外移転」を求める大集会が開かれた事実は、本来なら「辺野古」など旧自民党案に帰着する可能性がほとんどゼロになったとの認識が固定化するタイミングだった。「そうはさせまい」というのが、アメリカと外務省・防衛省の官僚たちだった。

 県民集会で「辺野古」が困難になったからこそ、鳩山由紀夫をねじ伏せて「沖縄県内にも新たな負担をお願いしたい」と言わせたのだ。

 そして、菅直人新総理もまた「普天間基地問題については鳩山総理が決めた日米共同声明にそって、沖縄県民の負担軽減に取り組む」としている。新しい基地をつくると言いながら、「負担軽減」とは道理が通らない。しかし、「辺野古新基地建設」は、沖縄県内は反対一色であり、きわめて困難だ。参議院選挙で立候補予定の3名も、そろって反対だ。この世論を踏み砕いて、米軍基地を建設するには「物理的暴力」をもって「国家権力の実力行使」が必要だが、菅総理にその覚悟はないのではないか。とすると、早晩「普天間基地問題」は再浮上するのは間違いなく、現在は「棚上げ」されているだけである。

 さて、昨夜の沖縄大学でのシンポジウム『育もう沖縄の子ども・若者の未来』には、メールやツイッターを見て、沖縄の若い世代がたくさん来てくれた。約100名の参加者のうちで、20代、30代が半数以上を占めた。子どもたちを襲う「格差と貧困の連鎖」は想像以上の事態で進んでいた。今日の『琉球新報』も一面で、国民健康保険料の滞納によって保険証を使えない状態となっている子どもが沖縄県内で4000人にのぼるという記事を載せている。病気やケガの治療にも通えない「無保険児」が増えている。

『沖縄タイムス』が2月19日付の1面の紙面で、沖縄県内の教員241人に実施したアンケートでは、「家庭・経済状況が苦しい子が増えた」(83%)「給食費を払えない子どもはいるか→いる」(63・1%)「夜、子どもだけで過ごしている子がいるか→いる」(56%)「病気やケガでも病院に行けない子どもがいるか→いる」(31・1%)という結果が出ている。

シンポジウムで嘉数よしの記者は、「虫歯になっても治療に行けずに偏頭痛が止まらない子」や、「布団がないために身体の調子が悪い子」などを紹介し、「学校給食以外には十分な食事を取っていない子がいると応えた教員も44・4%いる実態を語った。子どもの貧困は、栄養不足で身体の発達を阻害するレベルまで来ていることに衝撃を受ける。また、「児童養護施設から大学に進学する子はいるが、その子たちのほとんどが生活苦で中退をしてしまう」との報告も。

 沖縄大学加藤彰彦学長は、「沖縄大学でも2000人の学生のうち200人が中退していく。そのほとんどは経済的困窮が理由だ」と語った。沖縄大学では、返済義務のない奨学金を拠出して学生に与えているが、希望者は400人もいるという。ところが、旧日本育英会(日本学生支援機構)の奨学金回収をめぐって、悲惨な事態が起きていることも報告された。自民党政権時代、この奨学金の滞納者に対する取り立てを「民間のローン債権回収業者」に丸投げしてから、朝に夜にと取り立て催促の電話がかかるようになる。

 沖縄は特に年収が低く、失業も多い。収入が滞り、生活が苦しくなって延滞し、利子だけが膨張していくという人が多い。会場からは、「期限までに430万円を一括返済せよ。出来ないのなら、裁判所を通して給料差し押さえの手続きに入る」との通告を受けた例も紹介された。こうした強行手段で仕事場に多額の延滞金があることを知られて、仕事を続けていけるだろうか。

 かつて国会でこの問題に取り組んだ時に、元本200万円+利子230万円=430万円の債務までふくらんでいるケースで、何とか200万円を用立てて一括返済したとしよう。すると、利子230万円−200万円=30万円となって、元本は1円も減らないという仕組みになっている。

 そもそも奨学金というのは、「金貸し」ではなかったはずである。教育の機会均等を実現するために経済的に困窮している学生が教育費・生活費に困らないように貸し出したものではないか。300万円以下は5年間については「返済猶予期間を設ける」などの措置を講じているが、膨張した利子については減免を講じることや、一括返済は元本の返済にまわし、毎月の返済額も減らすような取り組みをしなければならない。

 復帰後、沖縄には約9兆円の沖縄振興事業費が注ぎこまれたという。しかし、「大型公共事業」「箱もの」がいくら出来ても、県民所得全国最下位(全国平均の約70%)は変わらない。これからは、「子ども・若者」を直接支援する仕組みに変えていこうと私は呼びかけた。

 保育所の充実と、学童クラブのネットを張りめぐらせて、働きながら子育てが出来る体制を整えることと、子どもの居場所である児童館や青少年センターなどを「地域の核」と位置づけていくこと。さらに、若者の失業率が高く、なかなか仕事に就けないという問題に対して、雇用保険財源から給料の半額を助成し、半額は企業が負担する「社会的企業」とヨーロッパで呼ばれている制度を導入するなど、沖縄固有の問題ではないけれども、全国のパイオニアケースとして新しい挑戦をしていくことが重要だとも発言した。

 以上
 

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コメント
 
01. tk 2010年6月20日 11:40:30: fNs.vR2niMp1.: KrEB2QsiA6
保坂さんが議員に復帰できますように。(祈)

02. 2010年6月20日 11:48:43: BNZdwRc6wQ
国会に行かなくなってもこうして良心に基づく仕事師がいる。

03. 2010年6月20日 16:21:54: RtPyX7TGyw
>自民党政権時代、この奨学金の滞納者に対する取り立てを「民間のローン債権回収業者」に丸投げしてから、朝に夜にと取り立て催促の電話がかかるようになる。

驚愕。これも新自由主義政策のひとつなの?
自民党って最凶だったのね。

奨学金なんて、無利子でもいいようなものだ、と思う。



04. 2010年6月21日 15:29:14: o1qkabU0CA
日本人に、自国の民にこそ奨学金を支給してほしい。

http://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/ryugaku/boshu/08031212/001.pdf


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