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2010年6月19日 (土)
菅政権=悪徳ペンタゴン派の疑いを検証すべき
政党は選挙に際して国民に公約を提示し、国民は各政党の主義主張、哲学、理念、そして政策公約を吟味したうえで投票を行う。
政党は主権者国民との約束である政権公約、政策公約、守らねばならない。政党が選挙の際に主権者国民と交わした約束を選挙後に破棄することは、一種の詐欺行為である。主権者国民との信頼関係を重んじない政党に国政を委ねることはできない。
昨年8月30日の総選挙は、日本史上初めて民衆の力によって新しい政権が樹立されることを実現する、歴史的偉業であった。
第2次政界大戦での敗戦後、日本政治は米国に支配され続けてきた。また、官僚による統治は明治以降、140年の歴史を負っている。1955年以降は大資本・米国・官僚機構と結託する自由民主党が政権中枢の地位にあり続けた。
米官業が支配し、その代理人として自民党とマスメディアが活動する日本政治の構造を米官業政電=悪徳ペンタゴンによる政治支配構造と称してきた。
この基本構造を打破しようとする主権者国民の総意が、昨年9月の政権交代実現に結実した。政権交代実現により達成しなければならない三大課題が、
@対米隷属からの脱却
A官僚利権の根絶
B大資本と政治権力の癒着排除
であり、経済政策運営においては、市場原理主義を排して
C共生重視主義
を基礎に置くことが求められた。
さらに、日本の最大の構造的欠陥を根本的に変革する課題として、
D警察・検察・裁判所制度の近代化
も最重要課題のひとつであった。
民主党はマニフェスト選挙を提唱し、昨年の総選挙に際しても、詳細な政権公約をマニフェストとして国民の前に提示した。
このなかに、
@在日米軍基地のあり方の見直し
が明記された。対等な日米関係を実現することが目指され、普天間基地の県外ないし海外移設が提唱された。
また、民主党は天下りを行政の無駄の象徴と位置付け、
A天下りの全面禁止
を公約として掲げた。
民主党は特別会計を含めた212兆円の政府支出全体を見直し、歳入の見直しで8.2兆円、歳出削減で9.1兆円、埋蔵金活用や政府資産売却で3.2兆円を捻出し、総額20.5兆円の新規施策への財政資金配分を提示した。
天下り根絶は、無駄な政府支出排除の象徴として、特に重視されてきた。
さらに、「政治とカネ」問題に対する国民の関心が強まったことを受けて、民主党は2009年の通常国会に、パーティー券購入を含めて企業団体献金を3年後に全面禁止する法案を提出した。民主党は、
B企業団体献金全面禁止の法制化を公約として掲げたのである。
市場原理主義から共生重視主義への転換は、財政の所得再分配機能を重視することを意味する。社会保障制度を拡充し、すべての国民に適用されるナショナルミニマムの水準を引き上げることが目指されることになった。消費税は所得の少ない国民にも同水準の税率が適用される税であり、強い逆進性を持つ。
また、昨年の総選挙に際して民主党の鳩山由紀夫代表は、増税を検討する前に政府支出の無駄排除を優先しなければならないことを明示し、衆議院任期4年間は消費税増税を封印する方針を明示した。
さらに、警察・検察・裁判所制度の近代化に関連して民主党は、取り調べの全過程についての録画や録音などによる可視化を義務付けることが公約に掲げられた。
これらの明確な政権公約を踏まえて主権者国民は、民主党に多数の議席を付与し、民主党を軸とする新政権を樹立させた。民主党は主権者国民の意思を踏まえ、政権公約を誠実に実行する責務を負っている。
ところが、6月2日に鳩山由紀夫前総理が辞任の意向を表明して以来、政権の基本性格が変化してしまった可能性が高い。
主権者は国民である。総理が辞任し、新しい総理が就任したとしても、主権者国民と政党との間の約束、契約関係は残存する。民主党は主権者国民と約束した事項について、誠実にその約束を実現してゆかねばならないのだ。
ところが、菅直人新首相は総理の座を手にして以降、主権者国民との約束=政権公約を片端から破棄し始めている。
2012年度の消費税率10%への引き上げなど、まったく正統性を持たない政策提言である。消費税詐欺と呼んでもよいだろう。
天下り根絶もどこかへ消えてしまったようだ。天下りを根絶するには、役所による「あっせん」を禁止しただけではまったく意味がない。公務員退職直前10年間に関与した企業・団体・業界に属する企業・団体に、退職後10年間の就職を禁じると言った程度の客観的な規制を法制化する以外に、有効な天下り根絶の方策はない。しかし、このような具体策の提示が見えてこない。
普天間基地問題では、鳩山前総理が主権者国民との約束を反故にして、名護市辺野古海岸に1800メートル滑走路を建設することを日米合意決めてしまった。主権者国民の意思を踏みにじる決定を鳩山前総理が強行したことが、鳩山政権崩壊の主因になった。
ところが、後継の菅直人政権は鳩山政権が強行決定した日米合意を踏襲することを明言している。主権者国民との約束を無視して、米国の言いなりになることを宣言していると表現することができる。
また、サブプライム金融危機の余波で世界経済、日本経済が崩壊寸前に追い込まれ、その後のケインズ政策で小康状態を回復した矢先であるのに、菅新政権は緊縮財政の方針を提示し、2012年度にも消費税を10%に引き上げることを示唆し始めた。
これでは、国民主権政権が消滅し、小泉政権が蘇ったようなものである。政権交代実現の最大の原動力は小泉政治を否定する主権者国民の強い意思にあった。
それが、民主党内の権力争奪戦を経ただけにすぎないのに、政策の基本方針が全面的に別のものに差し替えられることは正当化されない。2009年総選挙に際してのマニフェストは依然として有効であり、新政権が勝手に政策方針を変更することは許されない。
取り調べの可視化について、法務省が勉強会を設置したが、予想通り、取り調べ過程の全面可視化に反対の検討結果を提示した。法務省当局の主張をそのまま容認するなら、政治主導も、脱霞が関も、嘘八百ということになる。
新政権発足からまだ10日しか経っていないが、新政権の基本スタンスが、米国、官僚、大資本の利害を代表する者にしか見えないことは極めて重大な問題である。
霞が関権力の中枢は財務省と法務省にある。菅新政権は財務省と法務省の利害との調和を求める方向に向かい始めているようにしか見えない。
菅新政権が米官業政電=悪徳ペンタゴンによる政治支配路線に回帰するなら、この政権を擁護することは断じてできない。この政権を打倒することが強く求められることになる。
その主戦場は、恐らく9月の民主党代表選ということになると考えられるが、早ければ参院選直後にも大きな地殻変動が生じる可能性も見え始めてきた。
主権者国民は、参院選で悪徳ペンタゴン勢力に加担することのなきよう、最大の注意を払う必要がある。
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