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http://www.the-journal.jp/contents/hirano/2010/06/post_16.html
六月八日、民主党は菅新政権をスタートさせた。十一日には衆参両院で所信表明を行い、菅首相は国家や国民のため、いかなる政治を展開するかを明らかにした。私たちは、これを機会に「日本一新の会」(代表・平野貞夫、顧問・戸田邦治)を発足させることにした。
「日本一新」とは、平成十二年六月の総選挙で、当時の自由党、小沢一郎党首が提唱した運動である。平成十五年七月には「日本一新十一基本法案」をまとめ国会に提出し、民主党に合流した。
その理念は、平成十八年四月、小沢一郎氏が民主党代表に就任し、「共生社会の実現論」に継承された。さらに平成十九年の参議院選挙で「国民の生活が第一」という政治目標となり、昨年八月の総選挙で政権交代を成功させた。
菅首相の所信表明などを検証してみると、国民のための政治の実現、民主政治の定着などで問題を感じる。このまま菅政治が推移するなら、政権交代の歴史的意義も消失する。
日本一新の会は、政治の根本について議論する場として「メルマガ・日本一新」を発行し、議論する場としたい。(「メルマガ・日本一新」配信の登録・解除、並びにご意見は、nipponissin@gmail.com まで)
■菅首相の所信表明などに感じること
(1)「国民の生活が第一」という政権交代の標語が消えた。「強い経済」「強い財政」「強い社会保障」を一体的に実現する。これが菅政治の中心だが、「強い社会保障」で国民の関心を引きつけ、消費税アップのために利用しようとする旧体制の官僚の影を感じる。国民の生活はどうなるのか。
(2)「最小不幸社会の実現」(記者会見)とは、十九世紀の「救貧法」の発想か。
最小でも「不幸」を前提とする政治があってよいだろうか。私たちは「社会保障を国の責任で整備することが、健全な資本主義社会の前提」という考えだ。「不幸」を撲滅するのが政治の目標ではないか。
(3)日本人の閉塞感、自信喪失、不安感の原因を経済の低迷と発言した。
この認識は、自民党や旧体制官僚の経済中心主義の歴史観だ。二〇世紀末、重化学工業社会から情報社会に資本主義が変質したことを認識していない。
現代の混迷の根本原因は、第三次産業革命により文明が移行し、所有欲求と存在欲求という旧体制の価値観で、人間社会が運営できなくなったことにある。この歴史観を理解している政治家は少ない。これまでの内閣総理大臣では皆無であった。
「日本一新の会」は、二一世紀の情報社会では、「共生欲求」という新しい価値観を加えて、国家や社会のシステムを再構築しなければならないと考えている。
菅政権の発足にあたって、指摘しておきたいことは沢山あるが、次回から「日本一新運動」の経緯などを説明した上で、これからどのように展開すべきか、志を共にするみなさんと一緒に考えていきたい。
(南青山コメント)
国民のための政治の実現という大きな時代の流れに抵抗する有象無象が、最近姿を変えて立ち現れているが、時計の針を巻き戻してはいけない。
現時点で入手できる情報では、菅政権はいかにも危うく、私たちの期待に応える政権であるかどうか、何とも判別のしようがない。
とはいっても、民主党に変わる政党はなく、ほかに投票のしようもないというのが実情だ。
とりあえず、選挙後、9月までの政権の推移に目をこらすしかないが、そうした中で私たちはたんに手をこまねいているのではなく、いまここでできることをなすべきだろう。
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