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http://etc8.blog83.fc2.com/blog-entry-499.html
2010⁄06⁄18(金) 03:52
久しぶりの週刊朝日ネタ
今週号は小沢研究20年、このブログでも度々取り上げさせていただいた、渡辺乾介氏による≪菅直人も知らない小沢一郎の肉声≫がトップ記事で掲載されている。
http://etc8.blog83.fc2.com/blog-entry-365.html
あのガセが多いので有名な菅さんの元秘書の某氏に煽られたのではないかと思われる、このごにいたって衆参W選挙を掲載してしまい、また、前原誠司の≪小沢神話はマスコミがつくりあげた虚構だ!≫(読む気もおこらないが・・・)
を同時掲載されているので、月曜には買ってはいたが、ここで紹介するのをひかえていた。
もっとも「月刊日本」のように全く立場の違う論客同士を闘わせるというのはありなのだが、今週の週刊朝日は、読みたい記事が一つのみで、これでは、わざわざオカネを出してまで読もうと思わないし、立ち読みで十分ということになる。
http://gekkan-nippon.at.webry.info/
まずは気を取り直してその渡辺氏の記事を紹介する。
(リード文)
≪その功罪や好き嫌いはともかく、20年以上にわたって日本政治の中枢にあり続けたのが小沢一郎前幹事長(68)だ。つい直前まで我が世の春を謳歌していた権力者は新政権が誕生したいま、何を思い、これからどいしようとしているのか。だれよりもこの男に肉薄する政治ジャーナリストが、いまの本音を読み解く。≫
「私の知る限り、小沢が鳩山内閣に疑念をもったのは3月上旬です。」「普天間を含めて、あまりにも言葉が走りすぎる。こういうことを総理大臣がやってはいけない。どうも早晩行き詰まるね。危ないな」
と刺激的な言葉がならぶ。
鳩山・小沢ダブル辞任の真相として、既に小沢さんの中には3月の時点で「辞任」のタイミングを覗っていたことになる。
自身の「政治とカネ」をめぐる問題をかかえながら自分も辞めることを強く示唆したものとして次の小沢氏の話を紹介している。
≪「世の中の流れがこうもつくられてしまうと、ある意味で歴史の流れだから、何人(なんびと)たりともこれに抗することはできない。この政権交代を結実させるためには、鳩山だけにダメだというわけにはいかないだろう」
小沢の判断基準は一にも二にも、参院選で勝つためにはいかにすべきかということ。鳩山さんはいかにも自分が小沢を道連れにしたかのような言い方でしたが、小沢が枝野幸男幹事長との引き継ぎ後、「引くも進むも一緒」と言ったでしょう。あのとおりですよ。実際は小沢が主導したんです。≫
渡辺氏は、その辞任の真相は本当にお粗末だったと次のように語っている。
≪鳩山さんは社民党の連立離脱がどんな影響をもたらすかを理解しないまま、米軍普天間基地の辺野古移設を決断してしまった。鳩山さんは国民新党さえいれば、参議院では与党が1議席多い多数派だから、なんとかなると思い込んでいました。ところが、現実には、参議院の委員会によっては、社民党の委員を加えて初めて与党が多数派になっていたから、社民党が抜けると与野党がひっくり返る。審議はストップして成立しない重要法案が出てくる。鳩山さんは、国会対策を経験したことがないから、こういう仕組みがわからない・・・≫
その後、鳩山、小沢、輿石の三者会談があり、1回目にそうした状況を説明されて初めて事態の深刻さを理解した、というのだ。
なんともお粗末な話だが、小沢さんが以前(たぶん昨年の12月)「社民党が離脱すると言ってるのはブラフ(脅し)じゃない」「社民党が抜けたら大変なことになりますよ」と鳩山さんに警告していた、とのこと。
また、そうした鳩山さんの認識不足に対して渡辺氏は、
≪小沢は、3年前の参院選のときから社民党との間で選挙協力を用意周到に進め、連合も引き込んで、ようやく政権交代にこぎつけた。それを鳩山さんは簡単に壊しちゃった。苦労して大事に大事に社民党を扱ってきた意味を、鳩山さんはまったくわかっていなかったんです。さすがに2度目の三者会談では、鳩山さんは事態をのみ込んでいました。その段階で小沢は「3人一緒ですよ」と言ったんです。・・・鳩山さんはその時点で、自分だけが辞めさせられるわけじゃないとわかったわけです。≫
と鳩山さんのお坊ちゃん度を評価?している。
W辞任で、鳩山さんは小沢さんに辞任を勧告したようなことを言っているが、実際は最後通帳を突きつけられたのは鳩山さんだったようだ。
本ブログ6/2エントリー≪小沢さんが突きつけた三行半と鳩山総理の最後っ屁≫でも書いたが、渡辺氏の記事を読むとこの見方は概ねあたっていたかもしれない。
http://etc8.blog83.fc2.com/blog-entry-483.html
さらに渡辺氏は「小沢が許さない閣僚たちの名前」として、前原、岡田、北沢、長妻をあげている。
なぜ長妻か、それは力不足だったから、ということだ。
今回の増税議論について気になることを言っている。
≪小沢が自らの問題で国民の信を失ったことは事実です。ただ、そのことと民主党が増税路線に変わることは、何の関係もない。ポイントはそこです。小沢は、なぜいま、菅政権が増税を口にしなければいけないのかと疑問に思っている。小泉純一郎元首相による構造改革以降、格差が拡大し、国民生活がこれほど疲弊している現状では、消費税の増税を封印し、まずは国民生活を元気にする。それが3年前の参院選で小沢が訴えたことです。
民主党として初めて独自の予算編成をするのは来年度分からだし、ムダ削減の成果もまだ十分でない。財政再建は必要だけれども、それを増税で、という党内合意もまだない。このままでは公約違反になってしまいます。「反小沢」とか「非小沢」とされる人間たちが、増税・財政再建路線を、政権を奪うための口実にしているのではないか。小沢にそう映っているとしたら、それは政権交代の大義に対する裏切りと思うのではないか。≫
昨日のエントリーではないが、菅さんの小手先政治では、この見方は十分あり得ると思う。小沢さんに対する対立軸で、一番明確なのが「増税・財政再建優先」路線である。
消費税増税に対して国民も受け入れに傾いていることなどが世論として出たのを考慮して、これを軸に「排除の論理に重ね合わせても戦える」と考えたとしても大きくは事実と離れていないだろう。
この後の記事で渡辺氏は、菅政権はまだ小沢さんの手のひらの中にある例として、参院選での複数区見直しを断念し、小沢秘書軍団をそのままにしていることをあげている。
参院選後の代表選挙は菅さんが無投票で再任されるが、その後は細野、海江田、原口あたりが小沢グループのリーダーとして世代交代の象徴になり、岡田、前原、野田などは旧世代においやられ、2年後には小沢さんが勝負に出る、と言っている。そこでの争点は「増税派」と「アンチ増税派」の戦いが始まる、とのこと。
小沢さんは「真の国民主導政治」と「安全保障の枠組み」の道すじさえ出来上がれば、禅譲・引退もあることをほのめかしている。
最後に、≪参院選後に小沢さんがどのような政策を唱えるかにより、民主党が音を立ててきしみ、大海に浮かぶ小舟のように揺れる可能性がある≫と結んでいる。
各政党のマニフェストが出てきた。
民主党は国民主導の国民のための政治から、「官僚主導の政治」へと転換し、昨年の衆院選でのフレーズがことごとく消えている。
この民主党のマニフェストで一番ほくそ笑んだのが財務官僚だろう。以下日刊ゲンダイの記事を転載させていただく。
【菅・仙谷の腰砕けに霞ヶ関官僚は高笑い】(日刊ゲンダイ2010/6/17)
≪幹部人事の「政治主導」は断念!
きのう(16日)の仙谷官房長官の会見はビックリ仰天だった。夏の官僚幹部人事について、自民党時代と同様に、各省庁が提出する人事案を追認するというのだ。
幹部人事を官邸主導で行うための国家公務員法改正案が、16日に閉会した通常国会で廃案になったため、仙谷は「適材適所で配置する図式が実現していない」とか言い訳していたが、政治主導の断念を宣言したも同然である。改正法案の成立を見込み、各省庁は幹部人事を凍結していたが、従来の官僚主導に逆戻りすることになる。
「脱官僚・政治主導」は民主党の1丁目1番地だったはずだ。この理念に国民が共鳴したから、政権交代が実現した。なのに、わずか9カ月で官僚に屈服するなんて、とんだ裏切りではないか。
「そもそも仙谷大臣は公務員制度改革に熱心ではなかった。思い入れがないから、公務員制度改革の担当ポストも、アッサリ玄葉光一郎政調会長に譲った。玄葉さんには公務員制度の知識なんて、まったくないのに……」(民主党中堅議員)
菅首相の変節も気になる。首相就任会見では、「官僚こそが政策や課題に長年取り組んできたプロフェッショナル」などとヨイショ。その後も、官邸に事務次官を集めて「一層の協力、努力をお願いする」と頭を下げていた。
民主党政権の腰砕けに、ひそかにキバを研いでいた官僚たちは「それ見たことか」とほくそ笑んでいる。「族議員が少ないぶん、民主党は御しやすい」(国交省キャリア)なんて声もある。菅や仙谷は、官僚にここまでナメられていることを分かっているのか。≫
これでは完全に後退である。政策までもが「脱小沢」で貫かれているように思えてくる。
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