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2010/06/13
嫌われ者は善か悪か
本日は日曜日、まあビール片手に気楽に御読みいただきたい。これから書く事は全くの主観的感想だ。そうだそうだと同調するもよし、ベンダソンはこんなに非論理的だったのかといぶかしむもよし、だ。
何の事かと言えば小沢問題、ここ1年あまり続いた「政治と金」の問題の事だ。前者は辞任したので、既に当てはまらない。後者についても不起訴で決着した。ところが、人口に膾炙しているのは相変わらずの小沢氏の政治と金だ。
自民党は、小沢隠しの目くらまし内閣だと揶揄しているし、評論家諸氏や新聞TVも相変わらず小沢氏を目の敵にしている。権力の座から降りてなお、これほど嫌われる人物もそうはいまい。
フツーなら、よっぽど嫌なヤツとなる。だがマスコミ報道に関わる人々が、小沢氏とそんなディープな付き合いをしているとはとても思えない。なんてったってマスコミ関係者は星の数ほどいるけれど小沢氏は一人なんだから、身がもつまい。
今日たまたま、夕方のTVを見ていたら、民主党の反小沢派や新人から小沢離れの状況を何とか引き出そうと躍起になっている番組があった。こうした様相は、何もこの番組に限った事では無く、またかと言う感じだ。
何故にこうも小沢氏を意識するのか、それだけ大物と言う事なんだろうが、鳩山氏の方は早々と引退宣言をしたからかサッパリ意識されてない。鳩山氏が引退宣言したからというよりは、やはり小沢氏の存在はある種の人々にとっては脅威なんだろう。
で、つくづく思うのは、ここ1年続いた一連の騒動は、やはり小沢潰しであって、民主党つぶしではないということ。ターゲットは小沢氏なんだと言う事だ。仮に小沢氏が金権政治家だと仮定しよう。そういう政治家ならば自民党にゴマンといるような気がする。例えば西松建設の問題にしても具体的献金を言うならば、はるかに自民党議員の方が多い。
だがマスゴミが注目するのは小沢氏だ。いまでこそ与党だけれど当時は野党、それで党首の座から引きづり下ろされた。今度は幹事長からも引きづり下ろされ平議員になり下がったが、それでも追及の手は緩まない。
小沢氏の復権をそれほど恐れるのは一体何のためか、そう思って小沢氏と他の政治家との違いを探ってみると、どうやら中国寄りのイメージが有るように思う。そしてアメリカをコケにしたような数々の発言。これが宗主国アメリカを怒らせた?そんな印象だ。
マスゴミは、よく政府をアメリカのポチと揶揄するが、最もポチはマスゴミでは無いだろうか。そして何より権力に弱い。ペンは剣よりも強しなんて言葉は、戦前戦後を通じて日本には通じない。この事はマスコミ関係の友人たちが例外なく認めているところが悲しい。
小沢批判を口にする人々は、実に不思議なんだけれども、何がいけないのか具体的な指摘が出来ない。あたかも違法な企業献金を貰ったり、不正な不動産購入をしたかのように思いこんでいるが、えっ具体的に何がイケナイの?と聞くと、答えられる人は皆無。
そしてまるでお約束のごとく一様に返ってくる反論は「常識で考えればオカシイだろ」と言うもの。「常識で考えてオカシイ」と思う事が常識で考えてオカシイから聞いているのだし、常識でおかしいならば、なおさら明確に何がおかしいか答えられるはずなのだ。
結局、大多数の日本人は洗脳されているように見える。検察審査会の不起訴不当の指摘に対して投げかける郷原教授の疑問は、小沢氏を擁護するとかしないとか、反小沢か小沢シンパかなんてこととは無関係に、近代的法治国家としてあるいは民主主義としての観点から、実に明快で筋が通っているが、この郷原教授の指摘に対する論理的な反論は未だに御目にかかって無い。
聞こえてくるのはいづれも、小沢が悪い奴だとの前提での発言ばかり。あるいは状況的な批判ばかりなのだ。例えば「金と政治」、これ具体的には、不動産購入とかを言っているつもりなんだろうが何がイケナイかはとんと不明。
あるいは「小沢独裁」もそう、なんとなく小沢氏に実権が集中しているなあと言うイメージなんだけれど、どこまでいってもイメージの域を出ない。陳情の一元化で小沢氏に権力が集中したと言うが、それもイメージだろう。現に幹事長を辞めたのだから、今度は新幹事長に権力が集中している事になるが、そういう話は聞かない。
こうしたことから見えてくるのは、「小沢だからダメ」と言うことだ。その結果と言うかその目的の為に「嫌われ者」に仕立て上げられた。古来和を尊ぶ民族性からか、嫌われ者=悪の構図が定着しているから、「小沢だからダメ」との強烈な洗脳を解くのはなみ大抵では困難だと思う。最初のスタートが「小沢だからダメ」と思いこんだ人には、何がダメなの?なんて聞いても、そこがスタートだから、アナタは何故日本人なのと聞くようなものなのだ。
そして小沢氏と他との違いは先に述べたように「アメリカのポチでは無い」ということ。おのずと答えが見えてきそうな気がする。ただし「アメリカのポチでは無い」事と反米は違う。そして小沢氏は中国のポチでも無さそうだ。
この辺は自分の頭でじっくり考える必要があると思う。小沢氏が、ここまで嫌われるのは、ゾンビのごとく復活すると思うからだろう。だが、権力を手中に収めた時、アメリカと決別して中国と結びつくだろうか。おそらく誰もそんな事を断定できる根拠を持つまいし、実際不可能だと思う。
誰がこの国の代表になろうとも、アメリカと手を切る事は難しいだろう。アメリカが日本にとって必要な国かと言えば、これまた洗脳されているような気がしてならない。マスコミ報道では相変わらず日本は貿易立国であるかのように言われ、貿易黒字で持っているかのように思っているが、当の昔(確か2005年か6年)に所得収支が貿易収支を上回って、世界一の規模になった。
だから、ポチからは脱却できるかもしれないし問題もさして有るまい。とは言え、貿易収支を無視する必要は無く、外貨を稼げるならそれに越した事は無いだろう。だが巨大なマーケットが直ぐ隣に有って、言葉は違うが同じ東洋系で下手すりゃ見分けがつかない。当然に西洋人よりは考えている事嗜好性については理解しやすい。
この巨大で理解しやすく、そして有難いことに日本製品に対するあこがれも持ってくれているこの国と仲良くしない手はどう考えても無い。さらにはソ連の脅威も薄れてきた今、一体極東の脅威とは何なのか、専門家に言われるまでも無く、フツーに考えられるだろうと思う。
確たる客観的証拠は何も無いけれど、マスゴミが小沢潰しに躍起になっているのは、日本が中国と仲良くなっては困る人々の意をくんでの事に思えて仕方ない。そのツケはおそらく国民に返ってくるのだろう。
日本人は生かさぬよう殺さぬよう茹でガエルにしておくに限る、ということなんだろうか。
本日これにて、
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投稿日 2010/06/13
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