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【鳩山、管の所信表明演説の物足りなさ、角栄のそれの素晴らしさ考】  れんだいこのカンテラ時評746
http://www.asyura2.com/10/senkyo88/msg/474.html
投稿者 韃靼人 日時 2010 年 6 月 13 日 18:59:41: XfUHcQiPmEZmc
 

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れんだいこのカンテラ時評746 れんだいこ 2010/06/12 22:10

【鳩山、管の所信表明演説の物足りなさ、角栄のそれの素晴らしさ考】

 2009年の政権交代により鳩山民主党連合政権が生まれ、鳩山首相は「友愛政治」を詠った。続く2010.6月の突然の鳩山首相−小沢幹事長同時退任劇を受けて管政権が誕生し、管首相は「リーダーシップ政治」を打ち出した。物足りなさを覚えたれんだいこはふと田中角栄の政治を仰ぎ見たくなった。角栄は、首相就任直後の所信表明演説で「決断と実行の政治」を詠っている。

 比較するに、鳩山、管のそれの総花的言葉遊びの感触を得るのに対し、角栄のそれは簡潔明瞭、数等倍もより人民大衆生活擁護的である。興味があれば下記の演説で確認するが良かろう。問題は、既に角栄の立派な所信表明演説内容が呈示されていると云うのに、自公からの政権交代を掲げて登場している鳩山、管が何故にこのラインから大きく後退した線しか打ち出せないのであろうかということにある。誰か、この問題を解いて見せてくれないだろうか。資質問題に拘わることではなかろうか。

 「1972.10.28日、第70回国会に於ける角栄の初の所信表明演説」
 (ttp://www.marino.ne.jp/~rendaico/kakuei/enzetu/syoshinhyomei.htm)

 付言すれば、角栄は、所信表明演説で約束したテーマを次から次へと履行していることである。中国との国交正常化、成長経済政策の維持、国土の均衡ある発展、魅力的な地方都市育成、社会保障・年金・医療制度の充実、高齢者の雇用対策、公務員給与の改善、公共投資の充実による社会資本整備、平和憲法の擁護等々を目標に掲げ、単に口先で云うだけでなく具体的な施策を講じている。鳩山には耳が痛いだろうが、次のように述べている。「政治家は、国民にテーマを示して具体的な目標を明らかにし、期限を示して政策の実現に全力を傾けるべきであります」。

 以上は前置きである。ここでは、「ポスト佐藤の政権取り抗争に於ける角栄の対福田先取の是非」を考察しておきたい。今まで考察したかったのにしていなかった。ここで取り組む。世評の一部では、ロッキード事件で潰された角栄に対し、年の若い角栄が先に福田に譲り、その後に政権取りに向かうのが順序であり、これを顧慮しなかった角栄の自業自得であるなる論を唱えている者が居る。結果論で云えば一理ありそうではあるが正論であろうか、これを問いたい。これを逆に云うと、角栄はなぜ福田より先に政権取りに向かったのか、その真意は奈辺にありやということになる。れんだいこはずっと気になっている。誰か、これを解いて説いてくれないだろうか。

 れんだいこが思うに、角栄と福田では、同じ自民党の且つ同じ佐藤派の重役でありながら、歴史観、社会観、政治観、それらを一まとめにしての政治哲学が違い過ぎていたのではなかろうか。それ故に、角栄は福田に政権を渡せなかったのであり、福田に先んじて角栄政治を実践敷設したかったのではなかろうか。角栄にとって、政治の内実はそれほど真剣なものであり、年齢の順序による政権たらい回しなぞ許されなかったのではなかろうか。これが角福戦争の真意であり、政治史的位置づけになるべきではなかろうか。

 では、福田と角栄の政治にはいかほどの間隔があったのか。これを見ていおくことは興味深いが紙数を増すので割愛する。要するに、福田政治は官僚派のそれであり体制的であり且つ現代世界を牛耳る国際金融資本帝国主義の御用聞きとセットされたものであった。他方、角栄政治は党人派のそれであり新体制的であり且つ国際金融資本帝国主義と対抗する在地土着派的な民族主義のものであった。この原理的な対立が両者を非和解的にしたのではなかろうか。

 もとより政治的な意味においてである。実際の両者は同じ自民党の同じ佐藤派の席を並べ合う仲であり、大人の芸でほどよく付き合っていた。日本政治の特質である半ば抗争半ば和睦と云う高等な暗闘関係を維持していた。その両者であるが、ポスト佐藤の後継争いの段になると両者申し合わせた上で死闘戦に及ぶことになる。これに決着するやルールに従う。勝者側の角栄は敗者を人事で労り、禍根を和らげて行く。決して勝てば官軍の論理で非情の采配を振るうことはない。まさに大人の政治芸を史実に刻んでいる。自民党が長らく政権を保持し得た秘密がここある。つまり政治能力が高いと云うことであろう。

 れんだいこは、ポスト佐藤を廻る政権取り抗争出馬時、角栄が何故この争いに向かったのかの角栄語録、決意表明文を探しているが手に入らない。誰かに教えてくれないだろうか。これをなぜ欲するのかと云うと、角栄政治が如何にマジメなものであったのかを確認する為である。今日びの甘ちゃん政治の姿勢との違いを確認する為である。今や政治家は口をそろえて「政治とカネ」を頻りに云い、クリーン政治を第一に掲げる。しかし出てくるのは、マミー献金であったり、仮想事務所経費であったり、漫画やキャミソール代の経費計上であったりする。この連中が、小沢前幹事長の秘書寮建設の経緯に口を尖らせ、説明責任を唱えて憚らない。

 れんだいこは、その要因は本質的には政治の遊び人性にあると考えている。政治にマジメであれば、自らがマミー献金、仮想事務所経費計上、漫画やキャミソール代経費を計上している場合には、「政治とカネ」問題では黙して語らないものである。それが実際には手前の不祥事が露見するまで他者に対しては説明責任ありと批判し抜くのが相場となっている。そんなみみっちいことより私の政治の質を見てくれ、そこで評価してくれと開き直るのならまだ良い。そうではなく、説明責任あり、役職辞任当然、証人喚問の要あり、議員辞職せよとして訴追運動に精出す。この手合いが如何に精力的にクリーン政治を弁じようとも、人間性に於いてそもフマジメと云うべきではなかろうか。

 なぜこういうことを敢えて記しておきたいのか。それは、昨今ブーメランが手前の頭上に降りかかってくる者が多いからである。野党の自公がクリーン政治を云うのはお笑いでしかないのに、よほど野党ボケしたかクリーン政治の裾を引っ張って放さない。昨今の自民党諸君は口を調法に回す者が政治家とでも思っているのだろう。そういう政治家ばかりになっている気がする。連中がマジメそうにクリーン政治を云えば云うほど、ブーメランが戻って来た時に当たらなければ良いのだが心配してやらねばならない。世話の焼ける御仁たちではある。

 もとへ。こうなると我々は、マジメさとはどういう意味なのか、根本から考察し直さなければならないのではなかろうか。その際、角栄政治のマジメさは鏡になると思う。よしんば二号をもとうが三号をもとうが、政治におけるマジメさは何ら毀損されない、と、れんだいこは考える。違うだろうか。最近は安っぽい正義派が多くて困る。これもネオシオニズム派が流行らしているように思えるのではあるが。なぜなら、かの著作権も連中がもたらしてきたものであり、当のアメリカではかっての著作権万能社会から抜け出しを始めているというのに、日本ではさぁこれからますます強化しようと云うのだから、トラック競技に例えれば既に二周ほど遅れ過ぎていることになる。よってレースにならない。この手合いが殊のほか安っぽい正義を好む。この安っぽい正義が徘徊しており、本当の政治に向かっていないように思えて仕方ない。

 以上、十分ではないが云いたかったことを云い得たと思う。どなたかの参考になればよいとも思う。

 2010.6.12日 れんだいこ拝

 

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