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2010/06/12(土) 07:46:43
(日刊ゲンダイ 2010/06/11 掲載)
[政治(菅政権)] 「脱小沢」は国民生活にプラスか
過去20年間「小沢VS反小沢」の構図で動いてきたこの国の政治
菅新政権によって、小沢一郎はついに抹殺されてしまうのか。
永田町ではさまざまな憶測が飛び交っている。死んだフリ説、9月に巻き返し説、完全に小沢は死んだ説。「いまや小沢グループはバラバラだ。30人も集まらない」なんて見方もある。
真相はよく分からないが、見過ごせないのは菅がやろうとしていることが、単なる「小沢派切り」ではないことだ。
人事で小沢一派を干すだけでなく、小沢の政策、考え方、選挙戦術と、いわゆる小沢的なものすべて捨て去ろうとしている。ここに大きな不安を覚えるのである。
小沢がこだわってきたのは昨年の衆院選で掲げたマニフェストの実行だ。前原国交相が高速道路の実質値上げをぶち上げると、さっそく、「無料化と言っていたのに、値上げはおかしいのではないか。民意を尊重して再検討すべきだ」と蹴散らした。当たり前の正論なのに、大新聞はこれを「選挙目当て」と非難した。子ども手当についても「実行不可能」「見直せ」の大合唱を続けている。
そうしたら、菅がブレた。菅内閣の大臣も揺れた。菅や閣僚の発言を聞いていると、マニフェストの実行をあきらめているように聞こえる。しかも、それを悪びれもせずに言っている。ここが決定的におかしいのだ。
長妻厚労相はあれだけ子ども手当の実行にこだわっていたのに、あっさり、「現金、現物を問わず非常に難しい」と言い出した。野田財務相は「消費税の話は当然出てくる」と言い、増税路線があっという間に定着した。財政至上主義、マニフェストは二の次。こうした路線がロコツになってきたのである。
財政至上主義と消費税増税を言うロコツ
その証左が菅が表明した国債は44.3兆円以下の足かせであり、野田が各紙のインタビューで語った「従来のシーリングに代わる方法を考えたい」という一言だ。
シーリングとは、各省の概算要求に上限を設けて、「その範囲内で予算請求をしなさい」というルールだ。そうしないと、各省の予算がどんどん膨らみ、収拾がつかなくなる。それは困る財務省の知恵である。
野田はそれに似たものを復活させる意向を示した。これはマニフェストの完全放棄なのである。
「シーリングをかけるということは、突出した予算要求も出てこないということです。民主党政権は世の中の構造を根本的に変えるはずではなかったか。そのため予算を大胆に組み替え、民主党が必要だと思うところに予算をつけるはずではなかったか。この哲学を実行に移すのであれば、国交省の予算が大幅に削られ、厚労省の予算が劇的に増えてもおかしくない。こうしたことが起こるのです。しかし、民主党政権は最初の予算で組み替えができず、今度の予算では前年度予算をベースにしたシーリングみたいなものをかけるという。これは予算の組み替えを行わないということで、つまり、マニフェストの放棄になるのです」(民主党の中堅衆院議員)
立教大教授の山口義行氏(経済学)もこう言った。
「民主党は当初、無駄を削り、マニフェストの財源を捻出するはずだった。しかし、無駄は出てこなかった。だから、方針転換なのでしょうが、何が無駄なのかは考え方次第なのです。『無駄が見つからないから、マニフェストを実行できません』『やっぱり増税します』と言うのは違うでしょう。無駄が見つからなくたって、厚労、財務、経産省などが、従来の仕切りを取っ払って、10年後の日本経済のための予算を組んでもいい。そうしたことをやるのが政治主導で、概算要求に上限を設けることが政治主導ではないのです」
野田は「望ましい物価上昇は1%より上」とも言った。インフレターゲット論が見え隠れする。だとすると、自民党政権とどこが違うのか。財政至上主義で、「消費税増税は仕方ない」「日銀の金融政策でバブルを起こせ」というのであれば、自民党と完全に一致だ。結局、庶民の苦しみは続き、景気回復は絶望になる。国民が民主党に期待しているのは、そんなことではない。
いきなり霞ヶ関にスリ寄る新首相への不安
驚くのは、こんな菅政権を多くの有権者が支持していることだ。どの世論調査でも6割の支持率を誇る。もちろん、表紙を変えたのだから、ご祝儀相場は分かる。新首相に期待もしたい。しかし、世論調査をよくよく見ると、こんな数字もある。
消費税引き上げに賛成52%、反対44%(毎日新聞)。絶句するような数字だ。財務省のしのび笑いが聞こえる。しかも、この間、菅首相は一気に霞ヶ関との和解に舵切りした。
就任後の会見は官僚を「プロフェッショナル」と持ち上げ、きのうは各省で事務次官に訓示し、「官僚の立場と政治家の立場でそれぞれ国を支える役割分担ができた時、政治や行政が強くしっかりとしたものになる」とか言ってヨイショした。
「官僚は大バカ」発言が信じられないようなトーンダウンだ。
「官僚のレトリック」の著者で、公務員制度改革を担当した元経産官僚の原英資氏(現・政策研究大学院客員准教授)はこう言う。
「官僚とケンカするのではなく、『使いこなせ』ということでしょうが、この言葉は麻生元首相の口癖でした。しかし、麻生さんも官僚を使いこなせず、使われた。政治家がリーダーシップを発揮するのであれば、自分の方針を語り、協力を求めればいい。『皆さんはプロフェッショナル』などと媚(こ)びる必要はない。最初から官僚にスリ寄る姿勢には大きな疑問と不安を感じます」
菅が脱官僚主導を修正しようとしているのであれば、ここも小沢路線の否定になる。官邸機能を強化し、政治主導法案、国会法を通し、真の政治主導を完成させるのが小沢の悲願だったが、菅新政権はそれをすっかり、忘れてしまったように見える。ここにも大きな失望がある。
選挙対策も小沢切りでいいのか
調子に乗っているのか、菅は小沢が積み上げてきた選挙態勢も見直そうとしている。「谷亮子不出馬説」まで飛び交った。
「選挙準備で、みんな死ぬ思いでやっている。それなのに、選挙対策委員長が軽々しく複数擁立の見直しなどを言う。候補者の気持ちを考えているのか。その後ろの支援団体のことを考慮しているのか。本当に無神経な話です」(小沢氏に近い議員)
小沢と一緒に業界団体が離れれば、民主党の足腰はあっという間に弱くなる。今は高支持率に支えられているからいいが、これはバブルだ。だから、みんなが選挙を急ごうとしている。本当の支持率ではないからだ。
それが分かっているのであれば、何が「民主党らしさか」問い直すべきだ。坊主憎けりゃ袈裟までのごとく、小沢切りをするのがいいのか。
この国の政治は長らく、小沢か反小沢かという対立、混乱が続いた。メディアも含む反小沢派は小沢=金権腐敗のレッテルを張り、2大政党制の実現という小沢の理想も一緒くたにして潰そうとしてきた。小沢はそれを政治力ではね返してきたのである。その対立の結末が小沢の理想も含めた全否定でいいのか。自民党的な政治への回帰でいいのか。だとしたら、この間の混乱は全く無意味になるのだが、まさか、菅はそうはしまい。
(日刊ゲンダイ 2010/06/11 掲載)
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あくまで、小沢政治を期待するゲンダイです。
気合いは感じましたが、心躍るものがなかった菅首相の所信表明。増税路線を強調していたからでしょう。先立つものがなければ何も出来ないのは分かりますが、「逆立ちしても鼻血も出ない」くらいに無駄の排除に尽力してから言って欲しかった。
「小沢抜き」でできるのであれば、それに越したことはありませんが、とりあえずは参院選では民主与党に過半数を与えるべき。当面は、後方支援の立場で…。
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